ラルフビンスの資金管理大全 読後感想 (&オプティマルfの検証も少々^^) | ぐりえるのFXシストレでいこう♪

ラルフビンスの資金管理大全 読後感想 (&オプティマルfの検証も少々^^)

手法よりリスク管理、資金管理が大きなウェイトを占めると言われていますが、実際にどのような手法があるのか知りたくて読んでみました。


一言感想。オプティマルf(フルf)はアグレッシブすぎる。
実使用するならハーフf or クォーターf程度に留めるべき。


一応リンク。今回読んだのはこちらの本です。

ラルフ・ビンスの資金管理大全 (ウィザードブックシリーズ)/パンローリング

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手法=戦術とすれば、資金管理=戦略っていうカンジかな?

いくらエッジがある手法でも枚数管理をしっかりしないと資金は効率よく増えないですよってお話です。下手をすると、エッジがあっても長期的には資産が減少するケースもありえます。

非対称レバレッジの項で説明されていますが、保有資金に対して固定比率で枚数管理をしているとこの状態に陥りやすくなるとのこと。(言われてみれば、確かにそうだと納得できる内容)

よく個人ブログなどで、「枚数を増やすと上手くいかない」という意見を耳にしますが非対称レバレッジが効いてるってことなのかも。



そこで、効率よく資金を増加させるために出てくるのが「幾何平均」です。
# 通常「平均」と読んでいるものは「算術平均」ですね。


幾何平均は一般的に伸び率を図る尺度(って認識でよいですかね?^^;)。


例えば、wikiに掲載されているオレンジの生産量から抜粋。

年間100個収穫できるオレンジの木があった場合、翌年以降、

1年目 180個 80%増
2年目 210個 16.7%増
3年目 300個 42.9%増

収穫できたとすると、

算術平均の場合、平均成長率 = 46.5% ( =(80% + 16.7% + 42.9%) / n)

でも、当初の100個 x 1.465^3 だと314個となり正しくないですよね?


そこで、幾何平均だと、平均成長率 = 1.143 ( =power( 1.80 x 1.167 x 1.429, 1/3) 積の三乗根)で
100個 x 1.143^3 = 300 となります。



要は、資金の伸び率を等比級数的に考えるべきだと主張しています。

で、その具体的な方法がオプティマルfになります。

(オプティマルfの算出には反復収束法等を用いるため、詳細は割愛します。)



自分で噛み砕くために実際に簡単なシミュレーションをしてみました。

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青線:フルf
赤線:ハーフf
緑線:クォーターf
茶線:固定比率2%をリスクに晒す場合
紫線:固定比率5%をリスクに晒す場合

上段は資産が増えるケース。
フルfだと威力抜群で資産の伸び率が圧倒的です。
が、波も激しすぎます。

中段は負け越した状態からの復帰の様子。
固定比率よりオプティマルfを用いた方が復活が早いです。

下段は負け越したケース。
負け続けるとオプティマルfはかなり枚数を絞り込むため、
固定比率2% > オプティマルf > 固定比率5%
というような関係になる模様です。



次に、勝率を変動(40-60%)させて1set 20トレード 初期資金10万とした場合の
資産のばらつきを度数分布にしてみました。少々見にくいかも^^;

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左からフルf、ハーフf、クォーターf, 固定比率2%, 5%
上から勝率60%, 50%, 40%になります。

左三列はオプティマルfを使っているため当然ばらつきが大きいですが、
勝率に依存している点が注目ポイントかと思います。

勝率が高くなるごとに資産が増える方向に分布がばらつきますが、
勝率40%では負けるにしても減少方向には分布の偏差が小さい様子が伺えます。



実際に使うなら、ハーフf or クォーターfになるでしょうね。