恋人や妻・夫、子供など、大切な人を死によって失った深い悲しみ~グリーフ

人は、そんな悲しみといつになったら向き合えるのでしょうか?


時間が解決する・・・、周りの人はそう言いますが、時間が経てば悲しみがなくなる

そんな風には、とうてい思えない・・・



愛する人がいなくなる、この世界のどこにもいない、もう二度と会うことができない、話をすることもできない、一緒にどこかに出かけることもできない・・・


最初のショックがあなたを襲います


頭がしびれる感じ、真っ白になった感じ、ぼーっとした感じ・・・

あまりの衝撃のあまり、悲しい、という気持ちさえ感じないかもしれません


悲しい、つらい、苦しい・・・、と言うよりも、呆然とか、血の気が引く感覚とか、無感覚になったとか、そんな感じではないでしょうか?

夢で亡くなった人の姿を見るっことも多いでしょう

目が覚めても、それが夢だったのか現実なのかさえ分からないほど生々しく感じることでしょう


本当に悲しい、つらい、苦しいと感じるようになるまでに、数ヶ月から1年くらいかかるかもしれません


それまでの茫然自失な感じから一転、激しい感情に襲われます

これが本格的なグリーフ(悲嘆)の姿です


あまりの悲しみの深さに、自分で自分が信じられなくなるかもしれません


悲しみだけではありません

自分に対する自責の念や、周りの人に対する抑えきれないような怒り、激しい孤独感や絶望感、ウツなど、

ありとあらゆる感情が、嵐のように襲ってくるのです


気持ちだけではありません


ご飯が食べられなくなって体重が落ちる、亡くなった人と同じ病気にかかる、ほかにさまざまな体の不調もでてきます。

涙だって信じられないくらい出てくるでしょう、何時間も何時間も止まることなく流れ続けます


何日も何週間も、気がおかしくなってしまうのではないかと思うくらい続くこともあります


何日も止まらなかった涙がある時ふと止まって、何気なく外を眺めてみると青空が広がっています

少しだけ散歩をしてみよう・・・


心が限界になると、自然と体が動くようになります

でも、これで終わりではないのです


散歩から帰ると、今まで以上に落ち込みます

外には、幸せそうなカップルや家族の姿にあふれているからです


また、暗くて長いトンネルに入ってしまった・・・

悲しみ、孤独、絶望、ウツ、自責、怒り、空虚感・・・


いつになったら楽になるのだろうか?


ふとしたきっかけで、少しだけ活動できる時がくるかもしれません

でも、その後にまた、深い闇・・・


落ち込む、少し良くなる、再び落ち込む・・・、そんな繰り返しを、何ヶ月も何年も続けていると

もう無理なんじゃないか、そんな気さえしてきます


本やネットでいくら調べてみても、自分がそこに書かれているように回復するなんて想像もできない・・・


だいたい、悲しみの後に希望が見えてくる、って書いてあっても、

「悲しみ」と「希望」の間が飛びすぎてて、その間のことが何も書かれていなくて、

じゃあどうすればいいの?って、叫びたい気持ちになる


時間が経てば回復する、悲しみが癒える、元気になる、再び歩みだすことができる・・・

残念ながら、死別の深い悲しみと向き合うには、時間が必要ですが、時間そのものが治してくれるわけではありません


その時間の中で、必死にもがいた努力が、いつか自分の心を癒してくれるのです

その「いつか」は何時なのか・・・、その答えを知っているものは未来の自分しかいません・・・