相手から話される内容は、ときにとても個人的なことがあります。

 

とくに支援する仕事は、援助を受ける方から身近な存在であるため、

 

親密さが深まり、「他の人には話せないのだけれども」といった内容が少なくない。

 

普段から、傾聴や共感のコミュニケーションを基盤にしているとなおさら、その場面が多いのかもしれません。

 

 

対人援助職は基本的に、プライバシーは守らなければなりません。

 

福祉職の場合もまた、チームとして働いていることがほとんどであり、

 

守秘義務と報告・連絡・相談のチームとしての役割がついてまわります。

 

 

では、相手から「内緒事」として話された場面に出くわしたとき、どうするか?

 

私の場合は、内容によります。

 

もしも、医療面での内容や健康にかかわることである場合には、

 

相手に直接、

 

「今の相談内容に関して、もっと役に立ちたいと思っているのですが、私ひとりでは限界と感じているところが正直あります。他の人の力も借りたいと私は考えているのですが、可能ならば、誰と誰ならば、話てもよいでしょうか?」

 

と訊くこともありかなと思います。

 

また、その「内緒」の内容が、急を要することであったり、チームの中で共有することが、その相手により大きな利益と考えられるなら、

 

他のスタッフにも伝えることを優先することがあるかもしれません。

 

対人援助のマニュアルに、”絶対こうした方がいい”はまずないというのが難しくもあり、柔軟的でもあります。

 

もしも、他のスタッフに伝える場合は、

 

「これは、〇〇さんから他の人には言わないでほしいと頼まれている」とはっきり伝えることは必要です。

 

基本的なスタンスは、相手の利益を最優先させることが対人援助職です。

 

 

守秘義務とチームの情報共有が重なる場面は、

 

ケースバイケースで、答えがないために、よりよい「応え」を相手と一緒に創造していく取組になると私はイメージしています。