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「分かるような伝え方」という観点からすると、一つひとつ静かな環境の中で伝えるという配慮も大切ですね。そのことは、『ひょっとして認知症? Part1シリーズ第440回・感覚器の機能低下(その5)─ちょっとした生活音が耳障りに』において「聴覚過敏」としてご紹介しました。一部再掲しましょう。

「騒音もまた環境の一部です。患者の聴覚に変化はありませんが、病状の進行とともに音を解釈する能力が低下してきます。さまざまな研究報告から、私たちにとっては何ともない騒音が、進行性認知症の患者にとっては大変耳障りな音に聞こえることがわかっています。アルツハイマー病の患者にとっては、テレビや電話の音、トイレの水が流れる音、ラジオ、玄関のチャイム、目覚し時計、車の音など、一般の生活音が不安をあおるようです。


患者が騒音のために言葉を理解できないとか、音におびえているというサインを見逃さないようにしましょう。クーラーからの音が邪魔で、いつも大声で話していませんか。外の車の昔を聞くたびに、家に車が突っ込んでくるような恐怖におびえていませんか。


残念ですが現時点では、患者たちが実際にどのような音を聞いているのか、どのような音を判別できるのかを調べるテストはありません。しかし、アルツハイマー病の初期段階の患者たちが言うのには、静かな場所ではあまり問題はないが、一度に何人もの人が話すような状況では、訳がわからなくなるというようなことを証言しています。さらに二つ以上の音が同時に聞こえると(たとえば小鳥の鳴き声と赤ん坊の笑い声)、患者は一つの情報さえ取り入れることが困難になります。これに加えて、後ろで暖房などの音が響いていると、まるで自分の耳鳴りのように感じて、何を聞いているのかわからなくなることが多々あります。…(中略)…研究結果によると、音の判別能力が落ちることに苛立つのは、ある一定の時期であることがわかっています。たぶんアルツハイマー病が進行するにつれて自分の世界に入り込むため、あまり外部の音が気にならなくなるためだと思われます。ただ『音に敏感でかつ音を聞き分けられない時期』には、患者の様子に十分に気を配ることが大切です。」(ジョアン・コーニグ・コステ:アルツハイマーのための新しいケア─語られなかった言葉を探して 阿保順子監訳 誠信書房, 東京, 2007, pp89-92)

周囲の笑い声や歌声さえも、「『訳がわからない、怖い怖い』と得体の知れない騒音ととらえていた」と藤本直規医師は報告しております(藤本直規、奥村典子:診断後の治療の空白期間をなくす非薬物療法の取り組み―本人たちが活動を決める認知症専用デイサービス「もの忘れカフェ」を中心に―. MEDICAL REHABILITATION No.164 59-65 2013)。

(つづく)



笠間睦 (かさま・あつし)

1958年、三重県生まれ。藤田保健衛生大学医学部卒。振り出しは、脳神経外科医師。地元に戻って総合内科医を目指すも、脳ドックとの関わっているうちに、認知症診療にどっぷりとはまり込んだ。名泉の誉れ高い榊原温泉の一角にある榊原白鳳病院(三重県津市)に勤務。診療情報部長を務める。
認知症検診、病院初の外来カルテ開示、医療費の明細書解説パンフレット作成――こうした「全国初の業績」を3つ持つという。趣味はテニス。お酒も大好き。
お笑い芸人の「突っ込み役」に挑戦したいといい、医療をテーマにしたお笑いで医療情報の公開を進められれば……と夢を膨らませる。もちろん、日々の診療でも、分かりやすく医療情報を提供していくことに取り組んでいる。
笠間睦さんインタビュー記事バーキン35 トゴ
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