今回は番外編でございます

バーでの出来事ではなく

先日あった同窓会をベースに書いてみました

こちらもフィクションです

特に最後の部分は…(笑)


第1話はコチラ→http://ameblo.jp/grg/theme-10009913540.html

第2話はコチラ→http://ameblo.jp/grg/entry-10176165349.html


「夜が来る」(サントリーオールドのテーマソング)

をBGMにお読み下さいませ

↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  

http://jp.youtube.com/watch?v=KkAah2TF9xY  


短編1話完結です

よろしければどうぞ


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曖昧=世界


人間そのものが曖昧な生き物で

その世界は

やはり曖昧である。


特に

人間の記憶というものは

とても心許ない。



遠い昔(時を距離で表現することさえ曖昧ではあるが、)

それは遙か昔のこと。


歴史が記されるようになる、その前から

それは

存在した。


歓喜する人々の脇に

悲しみに内伏せる人々の傍らに。


時に

喜びを天まで届け、

時に

悲しみを地の底に追いやる、


魔法のような力を持っていたから。


《アクアヴィテ》(命の水)


人々はそう呼び

敬った。



ー2009年ー


「おぉ、よっちゃんっ!!

 あらっ、たけやん??

 さおりっ!、全然わかんなかったぁ

 久しぶりだなぁ!!」


「おい、遅せぇよっ

 遅刻癖、変わってねぇなぁ!」


「おぉ、まさし!

 貫禄でたなぁ 笑」



今夜は母校の同窓会

10数年振りに旧友との再会だ。


「覚えてるよぉ」


みんなにそう言えるよう

実は昨晩、卒業アルバムを必死に探した

が、

実家を出て数年

想い出は

この街に置いてきたままだった。



不思議だ。

今、目の前に広がる景色は

デジャヴではなく、

確実に

初めて目にする景色。

それなのに

温かく、

懐かしく、

安らぎを感じる。


みんなの顔

みんなの声

目と耳が鍵となって

長い間、閉ざされていた記憶の扉が開かれる。

それは驚くほど鮮明に。


あの頃は飲めもしなかった

この酒の味でさえ懐かしく、

記憶を呼び起こすのに一役かっていた。


人は

変わっていく事がいいのか、

変わらない事がいいのか、

それはわからない。

ただ

今日こうして、

みんなと笑顔で酒を飲めるのが

何よりも嬉しい。



「おぉ~~い…

 4次会いくぞぉぉぉ… おぇっ」



時は変わらず刻まれるはずなのに、

こんな時、

人は時を「あっという間」と表現する。

これも人の感覚の曖昧さなのか


酔いも回れば、

時計の針も0時を回り、

その夜は更に深みを増していった。



現代を生きる者に

初めて《命の水》を口にした

その記憶はない。

いや、もしかしたら

ずっとずっと奥にある

容易には開ける事の出来ない

扉の向こうに

その記憶はしまい込まれているのだろうか?



大きな炎を囲み

大勢の古代人たちが

酒を呑みながら、

現代と変わらず

笑い、

踊り、

語り合う

この晩、そんな夢を見た。


今も昔も

人は《命の水》と共にある




「ちょっと、大丈夫ですか?

 おーい、起きてくださいっ!!」


とても寒い…


気が付くと

2人の警察官が覗き込むように立っていた。


「あ、
 
 あれ…

 あのぉ

 ここはどこですか??」




人間の記憶はとても曖昧だ。





※みんなありがとね、また呑もう

 えっちゃん、お疲れ様っ