またまた
書いてみました(照)
第2話です(第1話はコチラ→http://ameblo.jp/grg/theme-10009913540.html )
以前働いていた、
小さなバーで実際起こった話をもとにした
フィクションです
(このバーの事、前に書きました→http://ameblo.jp/grg/theme51-10007435548.html#main )
「夜が来る」(サントリーオールドのテーマソング)
をBGMにお読み下さいませ
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
http://jp.youtube.com/watch?v=KkAah2TF9xY
第1話とは全く関係ないストーリー
短編1話完結です
よろしければどうぞ
***********************************************
朝、起きた時
昼休み、食事の後
休日、玄関のドアを開けた瞬間
体中に太陽を感じて
何かを許せる時がある。
この季節の太陽は
冷え切った街に
ふんわりと優しく降り注ぐ。
鼻から息を吸い込むと
とても気持ちがいい。
「だから言ったろっ!!」
「何よっ、えらそうに言わないでよっ!!」
はっとしてカウンターに目をやった。
週末、賑わう店内。
カウンターの1番奥に座ったカップルは
入って来た時から
雲行きが怪しい。
「すみません、何かキツくてクセのあるお酒をもらえませんか?」
それまで、カクテルを飲んでいた彼は
まるで彼女との会話にシビレを切らしたかのように
オーダーを口にした。
その苛立ちを酒で誤魔化すつもりか
はたまた、
酒の力を借りて別れを告げるつもりか
いずれにせよ、
彼の目は
もの悲しく、ひどく何かに疲れているように見えた。
「かしこまりました。
それでは、シングルモルトはいかがですか?
色々と取り揃えておりますが…」
「ちょっと、あなたウイスキーなんて飲めるの?」
「バカ、飲めるよっ。
じゃあ、すみません。シングルモルトを下さい。
何がいいですかねぇ?」
「そうですね、
クセのあるものでしたら、『ラガヴーリン16年』はいかがですか?
熟成期間も長いので、飲み口も程良く、とても奥行きのある味わいです。
世界的にとても評価の高い1本ですよ。」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ、それ飲んでみますっ。」
ボトルの栓をを開けると
液体よりも先に
薬品の様な、独特なピート香が溢れ出す。
琥珀色の液体がグラスに注がれる。
「うわっ、ホントにクセのある香りですねっ。正露丸みたいだ」
「えぇ!?、ちょっとあたしにも嗅がせてっ」
初めて飲まれる方は
決まってこんな感想を口にする。
「あっ、でも美味しい!なんだか大人の味だなぁ。」
「ね、飲ませて、飲ませて!」
1つの酒を口にしながら、
気が付くとさっきまでの言い争いは無かったかのよう。
「ちょっと、お前も何か他に頼んでみたら?」
「うんっ。あたしはもっと飲みやすくて、少し甘めのものがいいんですけどぉ…」
「かしこまりました。それではラム酒はいかがですか?
例えば…」
夜が更けていく。
人は酒を飲むとき
時を失う事が出来る。
酒の話から始まり、
穏やかに
色々な話に花が咲いた。
しばらくして
彼はこう言った。
「実は僕たち、来月結婚するんです。
決めなきゃならないことがたくさんあって、
お互い仕事してるから、毎日ホント忙しくって…
会えばケンカ、電話でもケンカ…
だから今日は久しぶりにゆっくり食事でもして
お酒飲もうって、ここに来たんですが…
結局ケンカしてしまいました…
騒がしくしてすみませんでした…。」
彼女の指に輝く指輪
優しく添えられた彼の手。
『ラガヴーリン16年』
そのラベルには、
こんな一言が書かれている。
《TAKES OUT THE FIRE but LEAVES IN THE WARMTH》
(歳月は)情熱の炎を消し去り、やがて温もりに変える
16年もの長い歳月、
樽の中で熟成し
完成された風味。
彼らにも
今後末永く、素晴らしい歳月が流れて行くのだろう。
帰り道、
夜空には無数の星が
寒さの中で輝く氷の結晶のようだった。
その星々が
一筋、また一筋
地上に優しく降り注ぐ。
今夜は獅子座流星群。
鼻から息を吸うと
とても気持ちがいい。
終
書いてみました(照)
第2話です(第1話はコチラ→http://ameblo.jp/grg/theme-10009913540.html )
以前働いていた、
小さなバーで実際起こった話をもとにした
フィクションです
(このバーの事、前に書きました→http://ameblo.jp/grg/theme51-10007435548.html#main )
「夜が来る」(サントリーオールドのテーマソング)
をBGMにお読み下さいませ
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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第1話とは全く関係ないストーリー
短編1話完結です
よろしければどうぞ
***********************************************
朝、起きた時
昼休み、食事の後
休日、玄関のドアを開けた瞬間
体中に太陽を感じて
何かを許せる時がある。
この季節の太陽は
冷え切った街に
ふんわりと優しく降り注ぐ。
鼻から息を吸い込むと
とても気持ちがいい。
「だから言ったろっ!!」
「何よっ、えらそうに言わないでよっ!!」
はっとしてカウンターに目をやった。
週末、賑わう店内。
カウンターの1番奥に座ったカップルは
入って来た時から
雲行きが怪しい。
「すみません、何かキツくてクセのあるお酒をもらえませんか?」
それまで、カクテルを飲んでいた彼は
まるで彼女との会話にシビレを切らしたかのように
オーダーを口にした。
その苛立ちを酒で誤魔化すつもりか
はたまた、
酒の力を借りて別れを告げるつもりか
いずれにせよ、
彼の目は
もの悲しく、ひどく何かに疲れているように見えた。
「かしこまりました。
それでは、シングルモルトはいかがですか?
色々と取り揃えておりますが…」
「ちょっと、あなたウイスキーなんて飲めるの?」
「バカ、飲めるよっ。
じゃあ、すみません。シングルモルトを下さい。
何がいいですかねぇ?」
「そうですね、
クセのあるものでしたら、『ラガヴーリン16年』はいかがですか?
熟成期間も長いので、飲み口も程良く、とても奥行きのある味わいです。
世界的にとても評価の高い1本ですよ。」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ、それ飲んでみますっ。」
ボトルの栓をを開けると
液体よりも先に
薬品の様な、独特なピート香が溢れ出す。
琥珀色の液体がグラスに注がれる。
「うわっ、ホントにクセのある香りですねっ。正露丸みたいだ」
「えぇ!?、ちょっとあたしにも嗅がせてっ」
初めて飲まれる方は
決まってこんな感想を口にする。
「あっ、でも美味しい!なんだか大人の味だなぁ。」
「ね、飲ませて、飲ませて!」
1つの酒を口にしながら、
気が付くとさっきまでの言い争いは無かったかのよう。
「ちょっと、お前も何か他に頼んでみたら?」
「うんっ。あたしはもっと飲みやすくて、少し甘めのものがいいんですけどぉ…」
「かしこまりました。それではラム酒はいかがですか?
例えば…」
夜が更けていく。
人は酒を飲むとき
時を失う事が出来る。
酒の話から始まり、
穏やかに
色々な話に花が咲いた。
しばらくして
彼はこう言った。
「実は僕たち、来月結婚するんです。
決めなきゃならないことがたくさんあって、
お互い仕事してるから、毎日ホント忙しくって…
会えばケンカ、電話でもケンカ…
だから今日は久しぶりにゆっくり食事でもして
お酒飲もうって、ここに来たんですが…
結局ケンカしてしまいました…
騒がしくしてすみませんでした…。」
彼女の指に輝く指輪
優しく添えられた彼の手。
『ラガヴーリン16年』
そのラベルには、
こんな一言が書かれている。
《TAKES OUT THE FIRE but LEAVES IN THE WARMTH》
(歳月は)情熱の炎を消し去り、やがて温もりに変える
16年もの長い歳月、
樽の中で熟成し
完成された風味。
彼らにも
今後末永く、素晴らしい歳月が流れて行くのだろう。
帰り道、
夜空には無数の星が
寒さの中で輝く氷の結晶のようだった。
その星々が
一筋、また一筋
地上に優しく降り注ぐ。
今夜は獅子座流星群。
鼻から息を吸うと
とても気持ちがいい。
終