「給料は交渉次第」の米国、生涯賃金で数千万円の差
今回は、米国のビジネスパーソンと勤務先の“交渉”について見ていこう。筆者は昨年夏から、米国のビジネスパーソン約40人に仕事と私生活の両立について取材してきた。日本と大きく違うのは、個別交渉が多いことだ。女性だけでなく男性も、家族と過ごすための休暇や短時間勤務を要求している。
「報酬を減らす代わりに、休日 を増やしてほしい」。製薬業界で働く30代の男性は、こう話す。彼の家族は、医師の妻と2人の子供。妻のキャリアを優先し、彼が家事と育児を担当するため、これまでは残業のない時間給の職に就いていた。トップスクールのMBA(経営学修士)を持っているから、頻繁にヘッドハンターから連絡が入る。
筆者がインタビューしたのは、彼が転職の条件交渉をしている時期だった。報酬や仕事の内容は問題なかったが、彼の不満は休日の日数。先方の提案では、妻よりも休日が少なくなる。家族を優先したい彼は、休日の日数について先方と交渉を始めたところだった。
能力に自信がある人ほど、強気の交渉ができる。ある大学教授は、育児のための休暇を半年間取得した。勤務先には男性の育児休業について規定はなかったが、所属学部と交渉して休みを認めさせた。彼は既に質、量ともに十分な論文を執筆していたから、キャリアダウンの心配は全くなかったという。彼の妻も大学教授で、仕事と私生活の両立のため、双方が仕事量やスケジュールを調整している。
