眼力島 | DDS

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なんとなくぼちぼち

この日は戦争記念日というような厳かな祝日で、平和をかみ締めてのんびり過ごした。
どう過ごしたかというと、日中から夕方まで7時間ほど料理して食べ続けていた。
飲めない酒を無理やり飲むように、ちびちびとつまみ食いをしていた。
もぐもぐとウサギが餌を食べるような口で。
食べ終わってから、ふらふらとトイレにたって、口の中に指を突っ込むことはしない。




キッチンの片隅から変な匂いがしていた。
腐ったような、生ゴミのような、でも・・・それほど悪臭ではない何か。




隣に住むおやじさんは、髭+銀髪の日焼けした50代で、建築業で鍛えているせいか、
歳のわりにボティーも恐ろしく整っている、ワイルド+さわやか系のニュージーランド人だ。
私の顔を見るたびに微笑み声をかけてきて、どーでもよい季節の話などをしてくるのだけれど、
こっちは特に用事もないので会話が続かず、思わず、
「P、いつもなんかかっこよいよね~」などと
彼が嬉しがるような余計なひと言を言いそうになる。




キッチンの片隅からの匂いは、
「ウィンクってさ、目つきで物を言う・・・ってやつでしょう?」 
そんなことわざがあてはまるPの庭で取れた、頂き物のグアバだった。
果物バスケットの中から、「早く食べてくれょ」と、主張してた熟れた香りだった。





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グアバと聞いて必ず連想するのが、
昭和50年代のはじめ、東海地方で放送されていた、子供のど自慢番組、『どんぐり音楽会』
このスポンサーが、グアバジュースを売っていた記憶がある。
CMで、ハワイアン・レイを首にさげた長い髪の女性とグアバは
自分の生活とはほど遠いトロピカルな香りいっぱいで、幼い私の憧れだった。




あ、もしかしたらこのエピソードはすでにブログ記事にしていたかもしれないな。
記事が多くなってきたし、読み返していないので重複してるかも。




しかしこのグアバ、普段まったく食べない果物。
普通にかぶりついても別段美味しくもなかったので、どーしたものか・・・と思い、
とりあえずグアバジャムを作り、ケーキの中へ入れて焼いてみた。




まずこの果実の皮をむき、水と砂糖を入れて煮てジャムにする。
「あれ?なんでグアバの種まで煮てるの?それは取らないと硬くて食べられないよ!」
鍋を覗き込んだ少女が注意してくれたけど、
「小3のくせになんでそんな事知ってるのよぉ~私は気づかなかったょ・・・」 汗。
煮込んでいる熱い鍋の底から苦労して小さな種だけを取り除き、ぶつぶつ言いながら料理した。





Tvでは、誇らしげな退役軍人とその家族の行進が続いていて、
国の為に命をかけて戦った戦死者と生き残り兵士、その家族たちは 
ここでは名誉でヒーロー扱いだ。

それと同じ感覚だったら、ニッポン国民すべてがヒーローになるんじゃないの?
私が生まれる前に亡くなった母方のじーさんは中国戦線にいたらしい。
アナタの家族や先祖の誰かも きっとどこかの戦場に借り出されていたはず。
その多くは、単に知られていない事実。




日本軍対豪軍の苦しい戦いであった亜熱帯ニューギニア島のココダにも
グアバの木があっただろうね。
そのトラックを餓死寸前でさまよい歩き、戦った兵士たちを称えたい。





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初めて焼いたグアバケーキの出来のほどはと言うと、
なんだかな・・・??だった。
時間をかけたわりには妙な味だったし、見た目は笑っちゃうほどC級で誰も食べやしない。
あれほど自己主張が強かった、ムンムンした南国風味が消えて、
いつの間にか平凡な安っぽい砂糖多しのケーキになってしまっていた。

やっぱり甘さだけでは物足りないでしょ?
「あぁ~~それ、目で語ってる!!」 
あの瞬間を思い出し、頬がゆるむのだ。
コスモス