第十三話「浮かぶ島、浮かばない島」
次にH12は島のようなものを映し出しました。
H12「海から島が生まれ、やがて島は空に浮かんでいくのです。」
夢雪「どうして浮かぶの?」
シス「島を構成する成分に浮かぶ鉱石が含まれているんですよ。」
夢雪「どこまでも飛んでいっちゃうの?」
シス「いや、島の大きさによって浮かぶ高さは決まっているんだよ。」
小さい島ほど高くまで上がる。
そういう島は別荘を立てたり、観光地にしたりしているようです。
夢雪「わたしたちがいるここは浮いてるの?」
シス「いや、ここは浮いていない唯一の島なんですよ。」
夢雪「大きいから?」
シス「それもあるかもしれませんが、もっと大きな問題なのですよ。」
H12「もう、島が生成されなくなったのです。」
シス「ここは最後の島なのですよ。」
夢雪「そうなんだ・・・。」
原因はわかりません。
けれど、今はもう新しい島が誕生することはありません。
最後の島だけは空を飛ぶことなく海の上に存在しています。
夢雪「ここが最後なんだ。なんかさみしいね。」
シス「そうですね。でも、終わりがある方がありがたみがあっていいと思いますよ。」
H12「実際、島を無駄に使ったり壊したりしていた時代もあったようですし。」
シス「その報いなのかもしれませんね。」
島が新しく生成されなくなったとき、人々はあわてました。
原因を探るため、多くの研究者が調査に参加しました。
ですが、結局原因はわかりませんでした。
多くのものが悲嘆にくれているなかで、平然としているものもいました。
それがラメルでした。
ラメルは言いました。
空に浮かばず、海に浮かぶ島がひとつくらいあってもいいだろう。
それに、これが最後だとわかってようやく島を大事にしようという動きがでてきた。
ここからが始まりだよ。
