第十一話「本の居住区」
シスにつれられて、夢雪はシスが運営する図書館にやってきました。
そこは夢雪の知っている図書館とは違うものでした。
歩く本や飛ぶ本、しゃべる本もいます。
本棚ではなく本が住む小屋が並んでいて、さながら集合住宅のようです。
シス「どうですか? みんな元気でしょう。」
夢雪「う、うん。でも、どうやって『読む』の?」
シス「夢雪は読むのが好きなのですか?」
夢雪「本は読むものでしょ?」
シス「ふむ。たしかに読むこともできますけど、あまり一般的ではありませんよ。」
夢雪「じゃあ、どうするの?」
シス「見たり聞いたりするのです。ここの本たちは内容をイメージ化してくれますから。」
文字を映しだせば『読む』こともできるようです。
ですが、映画のようにして見ることのほうが多いのです。
夢雪「わたし、この世界について知りたいの。」
シス「すると、地図か歴史の本がよさそうですね。」
シスは近くに飛んでいた歴史の本を呼び止めました。
名前は「H12」だそうです。
シス「この本は歴史の大まかな流れを含んでいるからちょうどいいでしょう。」
H12「いかがいたしましょうか?」
夢雪「おおまかな歴史が知りたいの。」
H12「では。」
本がパラパラと動き、宙に映像が映しだされました。
映像なのか現実なのかわからないくらいの光景。
空間にあいた穴から別世界をのぞいているかのような、夢雪にはそんな感じがしました。
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