第七話「道は流れ星のごとく」
ラメルたちと決別した隣国の者たち。
しかし、ラメルはその者たちに文句は言いません。
ラメル「どういう道を選ぼうがその者の自由だ。」
月希「でも、ラメルたちはその道がいいとは思わないんでしょ?」
ラメル「わたしたちの考えが正しいとは限らないだろ。まあ、そもそも正しいかどうかなんていい加減なもので、状況によって変わるからね。もう何年かしたらあの連中の方が『正しい』とされるようになるかもしれないよ。」
夢雪「正しくないのが正しくなるの?」
ラメル「正しいかどうかは何を基準にするかによるからね。基準が変わっていけば何が正しいかも変わっていくものだよ。」
『正しい』とは普遍的なものではなく移ろいゆくもの。
ラメルの言葉は月希と夢雪にとっては衝撃的でした。
月希「じゃあ、正しい行いっていうのは?」
ラメル「その時点・状況で正しいと思われている行いということになるね。」
夢雪「なんかわからなくなってきたわ。」
ラメル「ははは。あんまり深く考えなくていいよ。」
ラメルの桃色がかった白い手が国境を指差しました。
ラメル「あの連中は『所有』の道を選んだ。我々は『共有』の道を選んだ。大切なのはどの道が正しいかではなく、自分がどの道を選ぶのかということだよ。」
夢雪「どういうこと?」
ラメル「どの道も完全な正解ではありえない。だからどの道を選んでもいいのだよ。大切なのはそうやって決断することなんだ。」
夢雪「でも、どうやって選べばいいの?」
ラメル「その道の先にあるものが何なのか、一番気になる道を選べばいい。」
夢雪「なんか探検みたいね。」
月希「まあ、道選びなんて結局そういうものなのかもしれないね。」
夢雪「う~ん、でもなんか不安じゃない? この道でいいのかな~、って。」
ラメル「そういうときは、この道をよくしてやるって思えばいいのだよ。」
夢雪「道をよくするの?」
ラメル「そう。正解の道を選ぼうとするより、選んだ道を正解にする方が楽しいだろ。」
ラメルはこう言います。
道は自分でつくっていくもの。
流れ星が描く軌跡のように、自分の歩んだ跡が道となる。
大切なのは、決断すること。
進むということ。
ラメル「あの連中は我々とは違う軌跡を描くようになった。ただ、それだけのことだよ・・・。」
間もなく、空クジラはラメルたちの村の近くに着陸しました。
『共有』の道を選んだ者たちの村、ペルツィはすぐそこでした。
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