チチチ・・・
カーテンから差し込む
優しい光に照らされ
ゆっくりと目を開ける。
「朝か・・・」
鳥のさえずり
近所のおばちゃんの話し声
風に揺れるカーテンの音。
なんだろう?
肉体があるって
不思議な感じ。
カーテンから差し込む
優しい光に照らされ
ゆっくりと目を開ける。
「朝か・・・」
鳥のさえずり
近所のおばちゃんの話し声
風に揺れるカーテンの音。
なんだろう?
肉体があるって
不思議な感じ。
あの男が自殺を図ったあと
無理やり私がこやつの
体に入れられて、丁度病院で
こやつの心拍数が弱くなり
心臓が止まったあとに
私が体に馴染んで、心音が完全に
止まったと同時にわたしの
意識が戻って、ムクリと起き上がった
もんだから、場数踏んでるはずの
ナースさん達もすんごい叫び声を
あげたり、泡吹いて倒れたりとかで
救急センター?救命センターの現場
がパニック状態だったなぁ。
あの男に会ってからというものの
なんだか随分ややこしい事になって
る・・・疲れた、なんか。
考えても仕方がないと気付き
はぁっとため息をつきながら
「さて、着替えるか・・」
「さて、着替えるか・・」
と、つぶやく。
きょろきょろと見慣れない
部屋の中を見回すと
まあ、男の部屋だなぁ
簡易式の小テーブルの
横にある、年季の入った椅子に
きょろきょろと見慣れない
部屋の中を見回すと
まあ、男の部屋だなぁ
簡易式の小テーブルの
横にある、年季の入った椅子に
無造作に引っ掛けられている
古着っぽい洋服が見えた。
(ん?なんだろう?)
(ん?なんだろう?)
よく知らない古いバンドのポスター
小さい棚の上にある
赤いテレビ。
あ、かわいいワンちゃんの
ぬいぐるみ。
ぬいぐるみに手を伸ばそうとした
瞬間に、ふと
テレビの横に、伏せてある写真立てが
テレビの横に、伏せてある写真立てが
ある事に気づいた。
(なんだろう?)
そっと手を伸ばすと
「おい」
後ろからの突然の声に
「ひゃっ!」
心臓が上に飛び上がった
感覚になりながらも
体が先に飛び上がっていた。
声の主は
やはり日向
雪乃は思わず怒気を
込めた声で
「おどかすなよお前」
と言葉が出てしまった。
日向の体に入った雪乃睨みは
なんとも言えない迫力が
あった。日向は睨まれた顔が
自分の顔で、ここにいるのが自分で
何が何だか頭がごちゃごちゃして
不思議な感じになり、一瞬怯ん
でしまったのだがすぐ気持ちを
立て直し、睨み返しながら
「はぁ?”驚かすな”じゃねえよ!
お前人の物勝手にいじろうとするな」
言い方は腹が立つが
言われてみれば、正論か。
「いや、ごめん」
雪乃の素直な謝罪に日向も面食らって
しまったが、すぐに気持ちを立て直し
「あ〜、ああ、いや、いいよ
・・・別に、ところでお前
俺の身体貸してやってるん
だから、俺が生きる気に
なるまで仕事行けよ。
家賃もあるし食わなきゃ
俺がこの先戻る身体も
無くなるから。」
そう、働かざる者食うべ
からず。って、仕事?
「仕事って、あんた何の
仕事してるの?」
日向は複雑な、それでいて
どこかめんどくさそうな
顔をしながらも、チッと
舌打ちした後吐き出す様に
「・・・福祉」
と下を向きながらボソッと
呟いた。
続けて日向が呟く
「俺はどっか行ってくる。
お前は仕事行け、じゃ」
と言うと日向はプイと
顔を背けて玄関の方へ
向かって行った。
「はぁ?”驚かすな”じゃねえよ!
お前人の物勝手にいじろうとするな」
言い方は腹が立つが
言われてみれば、正論か。
「いや、ごめん」
雪乃の素直な謝罪に日向も面食らって
しまったが、すぐに気持ちを立て直し
「あ〜、ああ、いや、いいよ
・・・別に、ところでお前
俺の身体貸してやってるん
だから、俺が生きる気に
なるまで仕事行けよ。
家賃もあるし食わなきゃ
俺がこの先戻る身体も
無くなるから。」
そう、働かざる者食うべ
からず。って、仕事?
「仕事って、あんた何の
仕事してるの?」
日向は複雑な、それでいて
どこかめんどくさそうな
顔をしながらも、チッと
舌打ちした後吐き出す様に
「・・・福祉」
と下を向きながらボソッと
呟いた。
続けて日向が呟く
「俺はどっか行ってくる。
お前は仕事行け、じゃ」
と言うと日向はプイと
顔を背けて玄関の方へ
向かって行った。
呆然と日向の背中を見送り、日向の
姿が玄関に近づいた時、ハッと気付く。
あいつの職場の場所聞いてない。
雪乃が
「あっ・・・」っと言葉を
言う間に、日向はドアを
開けず、扉の向こうへ
消えて行ってしまった。
しばらくの沈黙のあと
雪乃はふといくつかの
疑問に気づいた。
あれ?ところであの男の
苗字はなんていうんだ?
雪乃は再びきょろきょろと
辺りを見回す。
椅子に無造作に引っ掛けて
あるズボンのポケットから
ロングウォレット?
今風に言うとそんな
名前だけど、要するに
”長財布”が目に入った。
だいたい財布の中に名前が
わかる物が入ってるはず。
ズボンから黒い財布を
取り出す、長い財布には
インディアン?あ、今は
差別用語とかで・・・
なんだっけ?あ、そうそう
ネイティヴアメリカンって
言うのかな?模様が入ってて年季が
入ってるお財布。丸い留め具に
あいつの職場の場所聞いてない。
雪乃が
「あっ・・・」っと言葉を
言う間に、日向はドアを
開けず、扉の向こうへ
消えて行ってしまった。
しばらくの沈黙のあと
雪乃はふといくつかの
疑問に気づいた。
あれ?ところであの男の
苗字はなんていうんだ?
雪乃は再びきょろきょろと
辺りを見回す。
椅子に無造作に引っ掛けて
あるズボンのポケットから
ロングウォレット?
今風に言うとそんな
名前だけど、要するに
”長財布”が目に入った。
だいたい財布の中に名前が
わかる物が入ってるはず。
ズボンから黒い財布を
取り出す、長い財布には
インディアン?あ、今は
差別用語とかで・・・
なんだっけ?あ、そうそう
ネイティヴアメリカンって
言うのかな?模様が入ってて年季が
入ってるお財布。丸い留め具に
模様が刻まれた財布を(パツン)と
開けると、中から革製品特有の
独特の香りが鼻をつく。
中には千・・・2千・・
あいつ3千円しか持って
無いわ。もうちょっと
お金入れときなよ。
男性の財布の中身事情を
初めて確認し、少し落胆
気味になっていたが
無造作に突っ込まれた
カード類の中に
「あっ」
免許証を見つけた。
『柏木 日向』
(あいつ、”柏木”って
苗字なんだ?)
名前はわかったが、職場の
名前も場所もわからない?
雪乃は三たび部屋の中を
見回してみた。
冷蔵庫にB5サイズの
白い紙が貼ってあるのに
気づく。
【特別養護老人ホーム
彼方の里】
柏木日向の名前を探す。
日めくりカレンダーには
【9月2日】
と記されている。
今日の勤務・・・
【日勤、9:00~18:00】
ご丁寧に出勤時間まで
書いてある。
「え~と、場所探さないと」
服がかかっている椅子の
横にある小さい机の上に
充電ケーブルがつながった
スマホが置いてあるのが
目に入った。
「あっ、良かったぁ」
革製のスマホカバーを開き
画面をタッチすると
数字が出てきた。
数字の上には
”暗証番号入力”と出ている。
「えっ?暗証番号?」
わかるわけない
だが職場の場所が
わからなければ行きようが
無い。ヒントは無いのか?
適当に数字をタップするが
"ダメ"
免許証の生年月日入力
"ダメ"
中々解除できず、イライラしながら
独特の香りが鼻をつく。
中には千・・・2千・・
あいつ3千円しか持って
無いわ。もうちょっと
お金入れときなよ。
男性の財布の中身事情を
初めて確認し、少し落胆
気味になっていたが
無造作に突っ込まれた
カード類の中に
「あっ」
免許証を見つけた。
『柏木 日向』
(あいつ、”柏木”って
苗字なんだ?)
名前はわかったが、職場の
名前も場所もわからない?
雪乃は三たび部屋の中を
見回してみた。
冷蔵庫にB5サイズの
白い紙が貼ってあるのに
気づく。
【特別養護老人ホーム
彼方の里】
柏木日向の名前を探す。
日めくりカレンダーには
【9月2日】
と記されている。
今日の勤務・・・
【日勤、9:00~18:00】
ご丁寧に出勤時間まで
書いてある。
「え~と、場所探さないと」
服がかかっている椅子の
横にある小さい机の上に
充電ケーブルがつながった
スマホが置いてあるのが
目に入った。
「あっ、良かったぁ」
革製のスマホカバーを開き
画面をタッチすると
数字が出てきた。
数字の上には
”暗証番号入力”と出ている。
「えっ?暗証番号?」
わかるわけない
だが職場の場所が
わからなければ行きようが
無い。ヒントは無いのか?
適当に数字をタップするが
"ダメ"
免許証の生年月日入力
"ダメ"
中々解除できず、イライラしながら
辺りを見回すと、壁に貼ってある
古いポスターが目に入った。
ヒューイ・ルーカス?
昔の、海外のバンド?
ふと目線を下げると
CDラックに同じバンドの
CDと共に、1つだけ映画の
サントラがあるのに気づく。
「あ、この映画のサントラに
バンドの名前書いてある」
サントラの発売日を見て
ピンときた。
「あっ!」
「え~と【1985】」
解除できた!
久々に頭を使ったので
少し気疲れを感じながらも
検索サイトを開き
文字を入力すると
「出た、え~と・・・」
意外と近い。
古いポスターが目に入った。
ヒューイ・ルーカス?
昔の、海外のバンド?
ふと目線を下げると
CDラックに同じバンドの
CDと共に、1つだけ映画の
サントラがあるのに気づく。
「あ、この映画のサントラに
バンドの名前書いてある」
サントラの発売日を見て
ピンときた。
「あっ!」
「え~と【1985】」
解除できた!
久々に頭を使ったので
少し気疲れを感じながらも
検索サイトを開き
文字を入力すると
「出た、え~と・・・」
意外と近い。
慌てて着替えて家を飛び出した。
携帯を片手に。