金返せ!!(by hilo)
おはまんす、hiloです。
そう、t.k.dの言っていることは真実である。
事実は小説より奇なり、とはよく言ったものである。
あの日、僕らはライブ後のすきっ腹を満たすため、
自転車を走らせた。
向かう先は行きつけのラーメン屋。
この日はそこへの川沿いの近道ルートを発見した。
うきうき気分の僕らを出迎えてくれたのは、いつもの頑固オヤジ。
無愛想だがラーメンを丁寧に作る姿勢から彼のラーメンへのコダワリが感じられる。
ラーメンは魚介と動物系が絶妙にマッチングした塩味、
それに絡むコシのある中太麺、磯のかおり漂うのり、
具は器から溢れんばかりの大きなチャーシュウ二枚、
ゆで卵、ほうれん草、きざみ葱である。
そう、コレはあくまで普段のトッピングである。
しかし、その日は違っていたんだ。
「はいおまち」
オヤジがラーメンを目の前のカウンターに置く。
僕らは待っていましたとばかりにがっついた。
麺を半分ほど食した後、チャーシュウを一口。
うん、うまい。程よい厚み、そして程よいやわらかさ。あふれ出す肉汁。
これを絶妙と言わずなんという。
そして、葱を蓮華に浮かべスープと一緒にすする。
至福の瞬間である。
いや、私腹(しふく)が至福(しふく)で満たされる瞬間である。
さあ、もう一口。
その時、葱をつまむはずだった箸先に違和感を感じた。
ズ、ズズ、ズズズ…
半ば透き通った黒い、見たことのある物体が、
いや、この状況では今だかつて見たことのない物体を
僕の箸先はキャッチしていた。
それは、恐竜がいた時代以前からこの地球上に
生息していたと言われている生物。
我々人類との共存はかれこれ1万年以上にもなる、
いわば人類の兄弟と言っても過言ではない生物…
そう、誤記鰤だ。
僕は一瞬目を疑い、現実を受け入れることができなかった。
蓮華にそれを浮かべたまま、呆然としていた。
カラン、カラン…
隣から箸が落ちる音がした。
t.k.dがこっちを見ていた。
彼が既に全てを悟ったことが、眉間によせた深いしわから読み取ることが出来た。
その物体は本来の色よりも薄く、透明に近い状態。
これは、何時間も煮立てられ完全にだしが出きっているものと
誰もが容易に推測できる状態である。
これが何を物語っているのか、
そう、この日だされた全てのラーメンにこの隠し味が浸透しているということ。
僕はパニック状態になり、代わりに隣の彼が
オヤジに声をかけてくれた。
そこで僕はこういったんだ。
僕:「すみません、このラーメン、誤記鰤はいってるんですけど」
オヤジ:「あ、それトッピングサービスだよ、あんたら毎週来てくれるから」
?
?!
しばらく沈黙が続き
僕たちは、自分達が完全に敗北したという事実を悟った。
そして、独裁国家から核ミサイルが放たれ
人類は滅亡した。
※オチ以外は事実です。
hilo,GRENADECREW



