深夜2時。
静夜に紛れて、永遠の地下迷宮に入った一行がいた。

煌めく白銀の鎧に身を固めた聖騎士。
積み上げられた徳の高さがその所作にも現れている聖職者。
荒ぶる力を抑えられずに指先から炎が滲み出ている大魔導士たち。

声も出さず、息も切らさずに迷宮をひた走る4人は、最奥の重い扉を開いた。

迷宮中を揺るがすかのような大きな咆哮とともに姿を現した暴君は、
ゆっくりとその巨体をうねらせ、一歩一歩前進を始める。

白銀の聖騎士は正面から挑み、この暴虐な君主の足を止める。
傷つき今にも倒れそうな彼女の傷を癒すは高徳の聖職者。
後方の大魔導士たちからは正確に時を刻むがごとく業炎の球が放たれる。


だが、闇のいなずまにその身を撃たれ、
立ち上がることが出来なくなった彼らは、
そのまま成す術もなく暴君に蹂躙された。

重い扉の向こう、暴君が座す部屋の外にはたくさんの冒険者が集っていた。
これまで2度も暴君に挑んだ彼らは、そのたびに冒険者に助けられ、甦った。

しかし、三たび暴君に挑もうとしていた彼らは成長していた。

確実に暴君の足を止め、いなずまを避ける聖騎士。
不意の連撃で倒れる仲間を蘇生する聖職者。
炎嵐の中に暴君を閉じ込める大魔導士。

猛々しく振る舞う暴君の咆哮は次第に小さくなり、
いつしかその重い歩みは止まっていた。

誇り高い断末魔が闇に吸い込まれると、
紫に彩られた宝箱が出現した。

4人は、おもむろに中身を確認すると、それぞれの場所へ帰っていくのだった。