ただ会いたかった
会えるだけでよかった
それなのに
まだ心配かけちゃってるかな…
いつまでも
ママで居てくれる
アリガトウ。
去年はただただ驚いた
経管栄養食を摂るようになっていて
細い身体がまた細く
自分では寝返りをうつことも
口を洗うこともできなくなっていた
スタッフの中には
中学時代の部活の後輩が居て
嬉しくも頼もしい半面
硬くなってしまった
ママの姿に戸惑ったこともあったけど
変に意識しちゃって
なかなか自分が出せなくて
あとになって
そんな自分を後悔したりもしたな
でも今年は
話に聞いていたとおり
従妹に会うことができて
私を見つけると
案内しながら教えてくれた
「誰かもわかるし、話もするとよ?」
「えっホント?!」
わかるかなんてどうでもよかったはずなのに
身勝手な私は胸が躍った
「うん~。ほらっみかちゃんが来たよ~」
そう言うと
バンッバンッバンッ
横たわるママの胸元を叩いて
「言ってごら~ん」
正直その強さに驚いた
もちろん
容態や加減がわかっているから
できること
何か言ってくれたけど
口元が詰まってうまく聞き取れない
「あ~痰が溜まって言えないんだね~」
手際よく吸引して
「誰かわかる~?名前言って~」と促されると
「みかちゃん」
嬉しかった
無理して言わせてしまったんじゃないかと
複雑な気持ちでもあった
そのあと促された
お父さんの名前は呼ばなかったから
ママの呼ぶ声が聴きたくて
もういいよの一言が言い出せなくて
ごめんなさい。
頑張ってくれて
ありがとう。
だけど従妹にも感謝した。
胸元を叩かれて
ほぐされたのは
諦めかけていた私の心だったのかもしれない
島に居られる3日間
通いはしても
ママの気持ちをあんな風に
垣間見ることはできなかったと思うから。
2日目
去年より肌艶がいいことが
改めて嬉しかった
ママは私を見て
何か言ってくれるけど
2度も言ってくれたのに
聞き逃してしまった
「ごめんね。うまく聞けなかったよ。
詰まってるもの取ってもらおうか。」
と言うと小さく頷くから
スタッフさんに声をかけるのも
使命感を感じれたよ(*´艸`)
ただ
吸引してもらった方が
その場を離れたからって
どうしたの?
だなんて聞けなかったな
見つめ合えることが嬉しかった
手を握って
顔を撫でて
一緒に居れることをめいっぱい感じて
昨日言えなかったことを言ってみる
「会いたかったよ」
「遅くなるけん」
(*゚ェ゚*)
驚いた。
私のことをまだ心配してくれてる?
「ありがとう。大丈夫だよ。もう少し居られるから」
「ごはん食べに行こう」
Σ(*゚ェ゚*)
来た頃には
まだ半分くらいだった経管栄養食が
残り少なくなっていて
「ママごはん食べてるじゃん(*´艸`)
おなか一杯じゃないのかな。まだ入る?」
首を横に振ったから
私のことまた考えてくれたのかなって
声が震えてなかったらいいんだけど
思わずバカな質問しちゃったね
「私は誰?」
「みか」
「ママ大好きだよ」
「大好き」
言わせちゃった気がして
苦しくなったけど
前日挨拶回りで聞いた
「もう長くはないだろうね」
と言った従弟のおじちゃんの言葉が蘇って
気持ちを伝えられたことに
感謝したんだ。
3日目
ママは寝ていたけど
嬉しかったのは
ママのそばに置かれたCDラジカセから
ドリカムの曲が流れていたこと
好きを共有できた気がして
誰の選曲かなんてどうでもよかった
ベッドのそばで寝顔を見ていると
スタッフの方が部屋に出入りして
同室の他の方の口を洗われていて
挨拶は交わしても
気遣ってくれているようで
ママの元へ来るのを妨げてしまったみたい
ごめんなさい。
椅子を準備していただきながら
腰かけるのは少しだった
一緒に過ごす
わずかな時間
ママが目を開けた時そこに
私の顔があってほしかった
私を見ていてほしかったから
別れのトキ
私とママの心残りを
少しでも減らしたくて
去年「またね」を封印して
「バイバイ」を選んだ私にママは
今日帰ることを伝えていたからなのか
昨日は反応しなかったのに
右手を左右に
強く振ってくれた
こういうトキは
言葉がないのも
いいものなんだね
ねぇママ
私の意固地が弱まるのを
待ってくれているのかな
私ならもう大丈夫
身をもって教えてくれたよね
アリガトウ。
去年より低めだったけど
しっかりあがるピースも
心強かったよ(*´ェ`*)


