「深海」福井公演への参戦を決めたのは公演の4日前だった。ファンクラブのリセール機能を利用して、当選したのである。

 

私は関東に住んでいるので、福井へは「遠征」という形になる。しかし、申し込み時点ではホテルもとってないし、交通手段も未定。そもそもサンドーム福井への行き方もわからないし、福井に行ったことすらなかった。


だけど4月中にどうしてもライブに行きたかった。

 


今年の3月、私は新卒で入った会社を退職した。休職も復職もして、会社にはさんざんお世話になったけれど、仕事内容を変えたくて転職することにしたのだ。


新しい会社には5月から行くので、4月はまるまるお休み。5月からはまた忙しくなりそうだから、どうしても4月中にセカオワに会っておきたかった。

 


当選したのは、4月20日、21日の2days。急いでホテルと新幹線と夜行バスを取って、当日を迎えた。

 

------

 

4月20日、福井駅に着いたのは13時を過ぎた頃。新幹線の中で福井の名物を調べ、カツ丼とそばが有名だと知った。駅前の大きなビルに入り、純けいカツ丼を食べた。

 

 

 

新幹線の中でなぜかたまごサンドを食べてしまい、カツ丼の3分の1でお腹が膨れたが、ライブが終わる夜までの腹ごしらえをするため、なんとか食べきった。美味しかった。

 

 

サンドーム福井は、鯖江駅から徒歩20分。福井駅から電車で15分揺られ、鯖江駅に着いた。電車の中は、すでにライブに行く人でいっぱい。駅から会場まで、みんなで大きな列を作りながら粛々と歩いた。

 

 

 

ところで、ライブの座席は当日わかる。電子チケットには「ギンザメ」というブロック名が書いてあったが、一体どこやねん。ギンザメってそもそも鮫なのだろうか。

 

スターライトリングを買って、ドキドキしながら会場に入った。

 

暗がりの中、最初に見えたのは怪しい「深海」のネオンサイン。真ん丸な天井には、巨大な深海生物がつられ、ステージにはキュートなDJ台、そして大きなミラーボールが光る。

 

 

 

 

1年ぶりの、人の熱気。巨大なセット。今からライブが始まるという、高揚感。なんだかそれだけで泣きそうだった。

 

そして、ギンザメは、なんと、アリーナ席の2ブロック目だった…!しかも、2列目なのである…!(そして2日目もギンザメだった)

 

席に着くと、久々の近さに手が震えた。持ってきた一眼レフカメラをぎゅっと握りながら、開演を待った。

 

スターライトリングのスイッチを入れるようアナウンスがあり、点けると大きな真珠みたいなライトがコロンと光る。

 

 

 

会場が暗くなった。ドッとみんなが席を立つ音が響いて、次に歓声が上がった。
 
「深海」が、始まる。

 

----

 

1曲目は、「マーメードラプソディー」。

メンバーがステージに登場。その姿を目で捉えると、心臓がキュッとなって、目頭が熱くなった。

 

実際に水の音を使ったこの楽曲は、まさに「潜水」にぴったり。ステージがポップに、キュートな色に光りながら、ぶくぶくと深海に沈んでいくよう。



ライブの第一声は、なかじんの声だ。そう、なかじんの…

 

あれ!?なかじん!?だよね!?

何だろう、何かが違う。妙ですぜアニキ…。

 

 

2曲目は、「DeathDisco」。

怪しい赤と緑の光が、ステージの上へと捻じり上がる。妖艶で暗く深い「深海」へようこそ、という感じだ。



音楽隊のアレンジが加わり、危うさが増していく。ここはまさに、深海のディスコ。

 

そんなダークなステージから一転して、3曲目は「スノーマジックファンタジー」。なんか、かなり懐かしい。人間ではない者が登場する曲として、「深海」にはぴったりのように思えた。

 

 

4曲目は「眠り姫」。音楽隊によるイントロは、2021年~2022年のツアー、「BLUE PLANET ORCHESTRA」のアレンジを想起させた。



イントロはピンク色のステージだったのが、徐々に温かい白色のライトに包まれていく。




▼素敵な幼馴染コンビ。「The Fan」福島公演の時に、深瀬さんがさおりちゃんに気を遣って「チョー隅に座っている!」と語っていたのを思い出した。




なかじんによるMC。


なかじん:「人生で、初のストパーと、髪色を変えてみました! 登場した時に一瞬この辺(なかじん側のブロックを指す)が『誰…?』となったような…笑」



会場からは、「似合ってるよー!」の声が続々。

もちろん!さらにカッコよくなっていますよ!!!

2日目に隣にいたお姉さんは、控えめに👍サインをずっと送っていた。

 

そして、楽器隊も紹介された。みなさんサングラスにボーダーを着て、真顔を貫いていた。



ステージの雰囲気も、ボーダーの衣装も、ディズニーシーの「マーメードラグーン」を彷彿させた。

 

 

なかじんが「楽器隊の音が光る曲」と紹介して始まったのは、「Fight Music」。

 

 

会場のみんなで、タオルを振り回す。あーあーあーあー!楽しい!!!

 

さおりちゃんのピアノの周りには、深瀬さんとなかじんが集まる。



なかじんは最終的にDJ台に上って、1日目の私は本当にびっくりした。



 




次に「サザンカ」、そして「深海魚」へと続く。

「深海魚」は、曲調がおどろおどろしくて、深い海の底へと沈んでいくようだった。だけど重低音が心地よくて、とてもカッコいい。


ホラー映画が苦手であまり聴いていなかったけど(ごめん)、ライブを含めて曲の虜になった。

 

ステージが明るくなって、次は「Hey Ho」。さおりちゃんがアコーディオンを持って、前に出てきてくれる。



「ヘイホー!」の掛け声でこぶしを突き上げ、会場が一体となった。

 



お次は「Dragon Night」。色とりどりに光るスターライトリングは、「Dragon Night」の定番となったが、やはり嬉しい。



そしてLOVEさんがDJ台の上へ。一気に紙吹雪を吹き放つ!!!きゃー!



ピンクや水色、黄色、白。様々な色紙が空から舞い降りて、間奏では思いっきりジャンプした。



紙吹雪に見惚れていると、深瀬さんの「ヘイって言えーーー!」とお叱りの声。おもろい。

 

曲が終わった後、レーザーに紙吹雪が煌めいて、とても綺麗だった。


ここ数年で1番好きな「Dragon Night」になった。



さおりちゃんMC。

1日目は、新ドラマの「9ボーダー」の主題歌として「Romantic」が流れたこと、それにまつわる制作秘話(内緒だよって言われてんねん♡)を話してくれた。



さおりちゃんがたまに「解散」の話をするので、深瀬さんに「解散匂わせ女」と呼ばれていた。笑

 

▼2日目は紙吹雪がたくさん飛んだので、さおりちゃんのMC中に紙吹雪を集める深瀬さん。さおりちゃんから「何してんの?」と言われていた。笑




さおり:「アルバム『Nautilus』の制作では、メンバー内で助け合いながら楽曲を作りました。深瀬くんの調子が悪い時は、なかじんと制作を進めることもあったけれど、『あなたにしか書けないから』と言って深瀬くんに歌詞をお願いしました。4人で作り上げた曲です、聴いてください、『タイムマシン』」。


 

”いつも君と道を歩いていると 道端の花も

新種の大発見のようだった

こんなありふれた花のくせに”



ここの歌詞が大好きで、聴くといつも泣きそうになる。



ステージが温かい緑色の光に包まれて、ゆっくりと、優しい気持ちになった。

 

 

続いて、「Love the warz」。いまやライブの定番となった曲。赤の光線と白の光線の切り替えがかっこいい…!





次に、「Goodbye」。なかじんがメインボーカルの歌。


”すべてを奪ってく 時は無情だね”

 

ここの歌詞が毎回切ない…。歌うなかじんを、ニコニコ見守るさおりちゃんも印象的だった。


 

アップテンポで、「Monsoon Night」が始まった!そして深瀬さんが衣装チェンジ!



ステージから炎が噴き出して、客席まで熱波を感じた。


合いの手を入れながら、会場はヒートアップ!



深瀬さんもDJ台に上り、立ったりヤンキー座りをしたり。


「ワル」って感じのステージで、とってもカッコよかった!

 

 

LOVEさんMC。


「会場のみんなはどこから来たの」調査が行われ、福井県民も、福井周辺県民も、たくさん来ていた。私は、「もっと遠いところから来た人」の枠に手を挙げた。

 

LOVEさんは、体重を14キロ?落としたらしい。深瀬さんから「デブ界のガリガリ」と呼ばれていた。(ひどい、笑)

 


MC明けは「RPG」。

手拍子と掛け声が楽しい。


「フッフー!」のところでは、深瀬さんがさおりちゃんにマイクを向ける場面も。


明るい曲調で、徐々に深海から浮上してきた感じがした。

 

続いて「Dropout」。ライブで見るのは「The Parade」以来かも。空に突き抜けていく感じが爽快で、かっこいい。



深瀬さんが「とべ!」と叫んで、ただただ夢中でとんだ。この曲は、ライブで聴いてから大好きになった曲の1つ。

 

そして、曲が終わってもなお、ピアノを弾き続けるさおりちゃん。静かに、緩やかに転調していき、「スターゲイザー」が始まる。



 

転調して次の曲へ続くの、すごくよい。


「Du Gara Di Du」の「スターゲイザー」からの「スターライトパレード」に続く転調もカッコよかったし、今回も鳥肌が立った。


「スターゲイザー」は、”普通の日常 スターゲイザー”という歌詞の、「 」の静寂で、一瞬4人だけにスポットがあたる瞬間が一番好き!(撮りたいけど、カメラの音が入るのも嫌で撮ってない)

 

見上げれば、天井に映った光が美しい。



 

深瀬さんMC。

 

サンドーム福井での公演は2016年の「The Dinner」以来。コンセプト強めのライブを多くやってきたけど、去年の「Terminal」あたりから緩くMCをし始めたとのこと。



みんなの衣装も紹介してくれた。以下、深瀬さんのコメント。


さおりちゃんに対しては、「つぎはぎだねぇ!」

なかじんに対しては、「胸元あきすぎじゃない?」

LOVEさんに対しては、「パンツ見えちゃわない?」

 

ひどい。笑


▼衣装を見せてくれたさおりちゃん。衣装の一部は古着を使用しているそう。


 

▼汗でスケスケななかじんと、胸元を指摘する深瀬さん



▼福井2日目は、DJ台に登って衣装を見せてくれたLOVEさん。



そして、MC明けは「最高到達点」。

アルバム『Nautilus』の中では、一番好きな曲。今回聞けて嬉しかった!



 


そして本編最後の曲は「Habit」。


怪しいピンクの光とミラーボールがマッチしていて、「踊るHabit」とはまた違った一面が。


DJ台には深瀬さんがまた上り、なかじんも集まって男3人衆。LOVEさんは小さく踊っていて、とってもキュート。


く~~~!本当にディスコって感じ!

 

2番歌詞は、深瀬さんが客席にマイクを向けて我々が歌う感じに。パサついた口で必死に歌うが、早すぎて舌が回らない。最終的に、深瀬さんは「ハハ!」と鼻で笑っていた…。(ひどい、笑)

 

なかじんもDJ台に上り、いよいよクライマックス!

熱くて、カッコよくて、夢中で、夢中で聴いていた。



演奏が終わり、メンバーが捌けていく。去り際もカッコいい。

楽器隊は残り、ラストまで奏でていく。

みんなで音に乗りながら、最高潮のまま本編が終わった。

 


アンコール。


 みんなで「スターライトパレード」を合唱した後(と言いつつ私は隣り合った方と2日間とも感動を分かち合っていた)、再びセカオワが登場。



アンコール1曲目は、「スターライトパレード」。





ここで、本日2回目の紙吹雪。


星形の色紙がすごく可愛い。スターライトリングのライトも相まって、幻想的な世界だった。

 


MC。深瀬さんが再びさおりちゃんの衣装に注目。

さおりちゃんは、1日目はサンドTシャツ、2日目はブルゾンをアレンジして着ていた…!(1日目のTシャツが可愛くて、2日目に買いました)


▼1日目。Tシャツの編み込みが可愛い!



 ▼2日目 深瀬さんから「丈短くない!?」と言われるさおりちゃん



はい可愛い〜


深瀬さんは、今回の「深海」のロゴが「深瀬」っぽいとして、ぜひ「深瀬」のブルゾンを作ってほしいと言っていた。(「個人的にだよ?」と念押し)


 

そして、アンコールラストの曲は、みんな大好き「インスタントラジオ」!


しかも、ジャズ風~~~~!INSOMNIA TRAIN1曲目も、ジャズ風なインスタントラジオだった。このアレンジ大好きだったので、もう1回聞けて嬉しい!!

 








掛け声も復活したし、銀テープも復活!何年ぶりだ、この感じ!

 

最後は、楽器隊のソロ。さおりちゃんのおしゃれなピアノから始まり、なかじん、そしてバックの楽器隊のみなさん。マジでよい。マジでよい。(大事なので2回言いました)


▼ソロが終わってキメ顔のなかじん


 

▼楽器隊の演奏。楽器ごとに、ソロがありました


ポップでキュートな、だけどとってもカッコいいセカオワ風のディスコ。


何も考えずに音にのって、とんで、声を合わせて、全身で音楽に浸った。

 

1年ぶりに、セカオワに会いに来れてよかった。 


------


この1年の間に、人生に関わる色々なことがあって、価値観が揺らいだり、悩んだり、正直音楽を聴いていない時期も長かった。転職活動をして、自分の姿が見えなくなることも、多々あった。

 

だけど、どんなことがあっても、ライブ前のドキドキ感や、ライブ中の高揚感が私は大好きで、セカオワが大好きで、それだけは変わらない。



私も、セカオワも、時代も、世界情勢も、絶え間なく変わっていく。


でも、セカオワのいる場所に帰るたびに、私は、セカオワに出会った中学生のあの頃に戻ることができる。


それは、悩みや他人の視線で揺さぶられて曇ってしまったガラス玉が、晴れてピカピカになるような、ダイヤモンドでもない自分だけのガラス玉を大切にすることができるような、そんな感じ。


セカオワは私の原点であり、定点だ。

今回は福井まで1人で行って、新しいセカオワファンの仲間ができたり、素敵な出会いもあった。すごく恵まれた。


福井まで来て本当に良かった。




次は、蟹の季節にライブに来たい。


なんてね。



おわり