くたびれたセーターのまま出る街は
青信号が点滅してる
さち × 古志野光
連歌。
上の句(5,7,5)に対して
次の人が下の句(7,7)を付ける
短歌本来の遊び方だ。
さらに次の人はそれを受けて上の句を詠む。
また次の人が下の句を付けて上の句へ。
そうして歌を連ねていく。
連歌。
今回はふたりでひとつの歌を完成させる
一番短い連歌を詠んだ。
「12月」をテーマにしたさちさんの上の句は
日常を日常として気取ることなく詠み取り
少しの悲哀を溶かし込んだ
わりと好きなタイプの歌だった。
私の歌は比較的灰色を纏うことが多いので
愛称はよかったと思う。
実際好きな歌になった。
連歌は、孤独の文学「短歌」に
外部の要素が入る社会的な詠み方だ。
作品を観賞する人には
結局同じ「歌」であるのでさほど特別感はない。
しかし、詠み手には
社会参加している強い実感がある。
これは文字を扱う人間にとって
本来極めて違和感のあることだと思う。
しかし、連歌には排他的ではあるものの
少しだけ安心するようなところがある。
やはり、私たちは本来寂しいのだと思う。
その寂しさは
作品を美しくする決定的な要素のひとつだが
少しでも孤独を忘れさせてくれる連歌は
いつでも帰ってきていい場所、
家族や故郷のようなあたたかいものなのだと
最近染々と思うのである。
くたびれたセーターのまま出る街は
青信号が点滅してる
さち × 古志野光