悲しい
楽しい
嬉しい
辛い
愛しい
寂しい
あたたかい
こういった短絡的な感情表現が
作品からリアリティーの匂いをかき消す。
これらを書いてしまうと
“表現”ではなく“情報”になってしまうからだ。
「母のぬくもり」ひとつとってみても
“あの頃の”ものと“上京してからの”ものとでは
「ぬくもり」に異なった色や匂いの「あたたかさ」がある。
だから、
短絡的に「あたたかい母のぬくもり」
と書いてしまうことで、
作者にはよく分かるが
鑑賞者は承知はできるが本当のところ
漠然としているように感じてしまう。
重要なのは“何が”書いてあるかではなく、
“どのように”書かれているかなのだ。
悲しさを嬉しさをあたたかさを苦しさを
作者がどのように表現するのかが
「作者らしさ」の根幹を担っている。