泣いた



まわりに誰もいなかった事もさいわいして



声をあげて泣いた



今日の午前中の事だった



資料を取りに誰もいない事務所の2階に行っているとき



ケータイが鳴った



ディスプレイには懐かしい名前が表示されていて



聞こえてきたのは懐かしい声で



まずは一通りの挨拶めいた会話をした



自分は、カミさんの葬儀の際に遠方より来てもらった事のお礼を改めて伝え



相手は、会場までは行ったが入口に掲示してあったカミさんと自分が並んで写った写真パネルを見たらあまりにも辛く会場に入れなかったと詫びた



それからお互いに声を震わせ話した



そのなかで先週末からの2日間への労いの言葉をもらった



その2日間は所属している団体の集会で



その団体で自分が今引き受けている役の前任者が今日の電話の相手だった



カミさんの事があって大変な時に自分は2日間気丈に振る舞っていたと仲間から聞いたと相手は言った



そしてその姿を思い泣いたと言った



家に帰ってから奥さんにも伝え一緒に泣いたと言った


それを聞く頃には体中の水分が瞼に集まっているかのように



涙が止まらなく



嗚咽が止まらなかった



カミさんの事で遠方でも涙を流してくれる人々がいる


そう思うと悲しくて嬉しかった



2日間の集会中も仲間にたくさん声をかけられ



慰められ



励まされた



そして別れ際には手を握りあいながら泣き



抱き合いながら泣いた



だからもう涙は残ってないと思ったのに



結局今日も泣いてしまった


それから昼休みカミさんに会いに行き



仲間のありがたさを伝え



仲間も一緒に泣いてくれた事を伝えた



そして雨のなか傘を差しているのをさいわいにそっと泣いた