あらすじ

 

俺達を散々振り回した『金田一二三誘拐事件』は、

身代金受け渡し役の「山南敬助の死」とフミの救出で終わった。

 

しかし事件の様々な状況、そしてフミの証言から、

真犯人『沖田総司』の意外な人物像が浮かび上がる。

 

金田一「犯人は、この事件の最中、

     アリバイを堂々と主張できる人間・・・

     身代金受け渡しに駆り出された人物の中に

     可能性は高い。

     小学生のフミを誘拐し、俺達や警察を振り回し、

     渋谷の街中で大胆にも

     山南敬助を殺害した真犯人『沖田総司』の正体は、

     俺が必ず暴いて見せる。

     ジッチャンの名にかけて!」

 

緻密にして巧妙、

恐るべき殺人計画を実行に移したのは誰だ!?

 

<隊士達5人の事情聴取>

 

1人目:近藤勇

 

金田一は、

彼が大門駅で降りると浜松町駅へ向かって急に走り出し、尾行の刑事を振り切った、

その後の彼の行動がわかっていないので、

どうやって吉祥寺駅まで辿り着いたのかを聞いた。

 

近藤は、

「もちろん、そのまま浜松町駅から電車に乗りましたよ。

メールの指示通りにね。

山手線で新宿まで行って、構内をあちこち歩かされた後、

今度は丸ノ内線に乗って大手町から東西線で吉祥寺に来たってわけです。」

とのこと。

 

金田一は、近藤「他に何か気付いたことありませんか?」

聞いた所、

 

近藤「そういえば、

    一番奥のトイレが『故障中』と張り紙がしてあって、

    扉が閉まってたんですが、あの時、

    確かに”人がいる気配”がしたんですよ!

    あれは一体なんだったのか・・・」

 

と、答えた。

 

2人目:土方歳三

 

近藤が言っていた『故障中』と張り紙がしてあった扉の中に

人がいる気配がした事を土方に話すと・・・

 

土方「え!?誰もいないはずのトイレで人の気配!?

   いやいやいや!俺は全然気づかなかった!

   確かに『故障中』の張り紙は見たけど!」

 

と、誰もいないはずのトイレに人の気配は感じなかったらしい。

本人はそれよりも毛糸帽子を被ったチャライ男が、ずっと彼を見てメールを打っていたのが凄く気になっていたらしい。

 

剣持警部

「あなたは近藤さん斉藤さんと共に

 大江戸線 六本木方面行き 15時12分発の電車に乗り、

 大門駅で降りて都営浅草駅に乗り換えた。

 そして東銀座で下車しましたが、

 その後はどこをどうやって吉祥寺へ?」

と聞くと、

 

土方「東銀座で降りた後、指示通り日比谷線に乗ったんだけど、

    そこでちょっとトラブってさー!

    社内で気分が悪くなった女性が出て、

    電車がちょっと停まっちまったんだよ!

    そのせいで指示通りの北千住駅16時32分発の

    千代田線に乗れず、一本後の電車になっちまったんだが、

    そのあと、御茶ノ水での乗り換えで必死に走ったら、

    なんとか指示通りの総武線 三鷹行きに乗れたんだ。」

と、答えた。

 

3人目:斉藤一

剣持警部は、

「東銀座で土方さんが降りた後、

 あなたも浅草で降りましたよね?

 しかも尾行を振り切るように、

 ドアが閉まる寸前に素早く降りた・・・」

と、斉藤一に言うと、

 

斉藤「そ、それはそうしろって指示があったから!!

    言われた通りにしないと人質が殺されると思ったから

    必死にやりましたよ。」

と、尾行振り切るようにドアが閉まる寸前に

素早く電車を降りたのは、犯人の指示だったからと慌てて説明。

 

「浅草で降りた後はどうしたんですか?」剣持警部斉藤に聞くと、

 

斉藤「それもメールで指示が来たから、言われた通りに

   ”銀座線山手線三田線半蔵門線井の頭線”と

   乗り継ぎましたよ!」

と、答えた。

 

「各駅停車吉祥寺行き17時1分・・・

 つまり永倉さんが乗っていた電車の次の各駅停車ですな。」

剣持警部が言うと、それを聞いた斉藤

「そうなんですか?」と言い、さらに

 

斉藤「ヒマなんでぼーっとしてたらみんな窓に張り付いて

   騒ぎ出したんですよね!

   何かと思ったら火事だったんですよ!

   下北沢のちょっと手前の駅近くだったかな?」

 

金田一も、その火事を目撃しており、

「・・・・なるほど・・・ね!」と言った。

 

4人目:新見錦

剣持警部新見さん

       あなたは山南さん永倉さんと一緒の電車で

       新宿駅から森下に向かいましたね?」

と聞くと

 

新見「ええ、沖田総司のメールの指示に従ってそうしました。」

と、答えた。

 

剣持警部「そして一人だけ森下駅で改札の外に出た。

      その後、どこで何をしていたんですか?」

新見に聞くと、

 

新見沖田総司の指示通り、大江戸線に乗って 

    春日駅で乗り換えて高島平駅に着きました。

    そこから山手線、中央線と乗って、

    『最後に吉祥寺の駅に行け』って言われて、

    その通りにしようとしたんですけど・・・」

 

金田一「けど?」

 

「何かあったんですか?」と、剣持警部新見に聞くと、

 

新見「・・・実はちょっと言いにくかったんですけど、

    でも、もう人質も助かったみたいですし、

    正直に言っちゃいます。

    あたし、巣鴨駅で電車間違えちゃったんです!」

と答えた。

 

新見「慌てて降りて何とか次の電車に乗って、

    それで少し遅れて新宿駅に着いて、

    そこから必死で走って乗り換えて、

    ギリギリで中央線に乗って何とかリカバリーしたんです。

    これで人質の子に何かあったら、

    あたしどうしようってずっと思ってて・・・」

 

話を聞いた剣持警部は、

「あなたが間違えた所も含めて、本来の指示通りのルートを

 こちらに書いてもらえますか?」

と、ノートのようなものに指示通りのルートを書いた。

 

5人目:永倉新八

剣持警部永倉さん

       あなたは森下で新見さんがいなくなった後、

       亡くなった山南さんと行動を共にしてましたね。

       都営新宿線で住吉に向かい、

       そこで向かい側のホームに乗り換えて、

       15時49分の京王線内、区間急行橋本行きに乗り、

       笹塚方面に引き返した・・・」

 

永倉「はい、沖田総司からのメールの指示通りです。」

 

剣持警部「そしてあなたたち二人は、

      笹塚で16時26分の各停 高雄山口行きに乗り換えて、

      明大前で京王井の頭線に乗り、渋谷に向かった。」

 

永倉はここまでの確認を聞いて

「その通りです。」と答え、

山南さんは渋谷で一人降りました。」とも答えた。

 

永倉「俺はそのまま犯人の指示通り、

    渋谷で折り返して各駅停車 吉祥寺行きになった電車に

    留まりました。」

 

金田一「それは俺も見てた。

     その後、

     山南が俺に犯人からのメールを見せてきたんだ。」

 

永倉は、それから折り返しの各駅停車が発車して、

ずっとたらたら終点の吉祥寺まで乗っていたとのこと。

吉祥寺で改札を出て広場で待てって指示があり、

そうしていると近藤さん新見さんなど、

他の隊士達もそれぞれ来て、

最後に金田一が顔を出したとのこと。

 

金田一は、永倉

「その間で何か気になったことはありませんでしたか?」と聞くと、

 

永倉「ああそうだ。

    火事がありましたね。

    煙が上がってて、あれはどこだろう?

    渋谷から三つ目の駅を出たあたりだったと思う。」

と、答えた。

 

金田一「池ノ上駅ですね」と言うと、

「そうそう、気になったのはそれくらいです。」永倉はと答えた。

 

<隊士達5人の事情聴取を終えて・・・>

明智警視「5人の話を聞いていましたが・・・

       彼らが犯人に持たされていた携帯のGPS記録による

       移動ルートと証言は全く矛盾が無かった。」

 

金田一「誰もウソをついてないってことか・・・・」

 

明智警視「改札口周辺には、

       どの駅も監視カメラが作動しています。

       それらの分析データにも

       矛盾は見当たりませんでしたね。

       新撰組隊士の格好をした人間の出入りは、

       証言以外の駅では今のところ見つかっていません。」

 

金田一「・・・・なるほどね・・・」

 

明智警視「どうしますか?金田一君

       君の推理通り、

       隊士の中に犯人がいるのだとすれば、

       この全く矛盾のない行動履歴

       証言の謎を解き明かす必要がありますよ?」

 

金田一「・・・わかってる!

     絶対答えがあるはずなんだ・・・・

     全く問題がないと思われるアリバイに、

     悪魔のように巧妙なトリックが・・・・」

 

と、考え込む金田一

その時、

 

ぐぐぐるるるる・・きゅう~~~

 

と、お腹の音が。

 

美雪はじめちゃん、お腹空いてるでしょ?」

金田一「そーいや朝からなんも食ってねー!」

 

そんな状況を見た剣持警部は、

 

剣持警部「ハラ減っちゃ戦はできん!

       ここに来る前に買った焼き芋があるから、

       レンジであっためて食うか?」

 

と、皆で焼き芋を食べる事に。

 

<金田一が焼き芋を食べている時に見たものとは!?>

 

新聞紙にくるまれた焼き芋を食べる金田一は、

美味しそうに顔芸まで披露していた。

 

だが、ふと目に入った「あるもの」を見た時、

金田一は、ある重大な事に気付いた。

 

金田一「なんてこった・・・」

 

明智警視「何か気付いたんですか?金田一君?」

 

金田一明智サンオッサン・・・・俺・・・わかっちまったぜ。」

 

明智警視剣持警部「え?」

 

金田一「真犯人『沖田総司』の正体が・・・・!」

 

<感想>

久々の新撰組隊士達登場。

それぞれの証言を聞くと、近藤さんや土方さんは犯人である可能性が非常に低いと思う。

あと新見さんも犯人の可能性は低いかな?

ってなるともう斉藤さんか永倉さんのどちらかになるんだろうな?

あくまで自分の見解だけど。(;´▽`A``

 

あと焼き芋食べようって、そんな時でも明智さんはカッコつけるんだね。

確かに金田一君が言うように、そこカッコつける所ではないような・・・

 

今回の話の終盤で、犯人の正体はわかり、

あとは謎を解ければ、『謎はすべて解けた!』のセリフが飛び出すんだろうな。

 

次の話が楽しみだな~。