<兄弟の仲が悪くなってしまったきっかけ>

 

黄介「俺はこの蔵を守る為に帰ってきたんだよ。

    この蔵を食い物にしようとする毒蛇どもの『毒牙』からね!」

 

と、黄介は言った。

 

黄介が言うには、

白神家の三兄弟は、昔はそれなりに普通に仲が良かったらしく、

左紺だけ母親が違うことも黄介は気にしてはいなかった。

しかしある日、事態は急変した。

 

左紺「うそだろ!父さん!

    蓮月に蔵のすべてを任せるって!

    俺は白蛇酒造の為に、大学で経営学を学んだんだ!」

 

音松「経営と酒造りは、また別の話だ!!

    左紺、お前は酒造りには向いていない!

    お前と黄介はこれからは蓮月のために働け!わかったな!」

 

このことに左紺は、

「親父・・・本当は鞠乃さんの事が大事なんだろ!だから俺を切り捨てようと・・・!」

と非難したが、この事で音松さんが激怒し、左紺を殴りつけた。

黄介左紺に近づこうとしたら、

左紺怒り憎しみが混じった顔をしており、、その場を去っていった。

 

黄介「あの時、父さんが蔵のためによかれと思って決断したことは、

    左紺には全く違う意味にとられちまったんだ。」

 

この事に、音松さんは自分がしてしまったことに対してショックを受けていた。

 

その日以降、蓮月左紺の間はどんどん険悪になり、

最後は一触即発の状態にまでなっていたらしい。

 

黄介「そして忘れもしない5年前の「行」の日。

    とうとうそれが起こっちまったんだ・・・・!!」

 

※「行(ぎょう)」というのは、

白神家に代々伝わる伝統行事で、蔵を継ぐ者が白蛇神社に三日三晩籠もり、

神聖な白蛇蔵の湧き水だけを飲んで、座禅をして過ごす行事。

 

<罪をなすりつけられた黄介>

 

「行」の前日も蓮月左紺は蔵で言い争いになっていた。

左紺「俺はそんなやり方認めないぞ!」

蓮月「もういい!兄貴はここから出てってくれ!」

 

その2人の言い争いを目の当たりにしていた黄介は、

黄介蓮月兄さん・・・何もあそこまで言われなくても」と言うと、

蓮月「俺だっていいたかないよ。

    でも左紺の奴、この間の仕込みを台無しにしかけたんだぞ!?」

黄介「そーだけど・・・俺らと血を分けた兄弟なんだし、もっと仲良くしないとさ!」

と黄介が言うと、蓮月は

蓮月「『兄弟』・・・かな?

    あの日以来左紺が俺を見る目つきは、

    まるで親の仇でも見るかのようだ。」

と、言った。

 

黄介は、

「そ・・・そんな、考えすぎだぜ蓮月兄さん。」

と言うが、

「考えすぎだといいが・・・お前も気をつけた方がいいぞ。

 あいつひょっとしたら本気で・・・」

と、懸念していた蓮月

 

その日の晩、蓮月は『行』の為に、白蛇神社に籠もったが、黄介は不安で寝付けなかった。

時刻は午前2時を過ぎ、黄介蓮月の代わりに夜の見回りに行くことにした。

黄介が見回りをしていると、ガレージに左紺がいるのが見えた。

左紺はガソリンタンクを持ってどこかにいってしまった。

黄介は、左紺に声を掛け

「こんな所でなにやってんの?

 それガソリンを入れるタンクだよね?

 こんなの持ち出して一体なにを・・・」黄介が言った瞬間、

左紺黄介を殴って気絶させた。

 

つまり、蓮月を殺したのは黄介ではなく左紺だったということ。

左紺は、蓮月と一緒に黄介を殺してしまえば、

全ての罪を黄介になすりつけられると考え、

蓮月だけでなく、

蓮月の代わりに夜の見回りをしていた黄介の2人を殺そうとしていたのだ。

いかにも黄介が白状したみたいなウソくさいメールも、

黄介が持ってた携帯を奪って、左紺が打った自作自演のメールだったのだ。

 

それを聞いた音松は、

左紺の奴、なんて事を!!」

鏡花も、

「酷い・・・!

 自分の弟を生きたまま火炙りにして、もう一人の弟にその罪を被せるなんて!」

と言った。

 

黄介「俺は、たまたまあの場にいて巻き込まれただけだったけど、

   『死人に口なし』って奴さ。

   もっとも俺は死人じゃなかったけどね!」

 

<黄介を救った鬼門&記憶の蘇り>

 

黄介は、何処をどう走って来たのか山二つの県境の林道で、

全身火傷でボロボロになって倒れていたところを、

通りかかった登山者に助けられたらしい。

 

しかし顔の酷い火傷で、人相もわからず、

一酸化炭素中毒で記憶を失った黄介は、

退院後も頭からすっぽり被る頭巾で顔の火傷を隠して、

日雇いのアルバイトをしながら生活をしていた。

その姿は、今回の事件で白蛇酒造にやってきた蓮月の姿そっくりだった。

そのお陰で、自分が殺人容疑者として、

警察に指名手配を受けていることも何も知らずにいられたらしい。

 

過去の記憶もなく不気味な風貌だった黄介は、

いつのまにか裏社会の人間達と付き合うようになっていったらしく、

黄介曰く「守るものがない人間ってのは、底なしに恐ろしく見えるらしい。」とのこと。

気がつくと、暴力団と繋がる犯罪集団の中で、そこそこの立場になってたらしい。

 

鷺森弦という名前は、死にかけていたホームレスから金で戸籍を買ったらしい。

 

ある日飲み屋で知り合いになったのが、鬼門影臣

鬼門鷺森さん、あんたその顔なんとかした方がいいんじゃない?

    今だったら金もあるし、俺がいいモグリの医者紹介してあげましょか?」

鷺森黄介)「放っとけ!

         それにこの不気味な面の方が、俺達の仕事にゃ好都合だろ?」

鬼門「くくく!ちげぇねぇ!」

と、鬼門がお酒を一杯飲んだ。

 

鬼門「お!うめぇなこの日本酒!

    おい大将!これ、なんちゅうお酒だ?」

 

と鬼門が居酒屋の大将に聞くと、大将が出したのは『白蛇(はくじゃ)』という日本酒。

 

大将「いやーあたしゃ昔っから凄い好きでね。

    でもここんとこ1~2年ちょっと味が落ちたっていうか・・・

    でも次期社長の長男の売り方が上手くて人気何スよ。

    ほら、これがその副社長さん!」

と、次期社長と言われる副社長の写真には、白神左紺の写真が写っていた。

この事で、黄介は記憶が戻ったらしく、

「違う・・・これは・・・『白蛇(はくじゃ)』じゃない・・・!

 こんなものはニセモノだ!」

と、コップを地面に叩きつけ、コップは粉々に砕けた。

鬼門「ちょ・・・っ!鷺森さん。いきなり何を・・・・!

    あんた・・・!

    まさか・・・・何か思い出したのかい?昔のこと・・・・」

鷺森は、鬼門「ここはお前が払っといてくれ。」といって帰ってしまった。

 

思い出しながらも、自分の立場が置かれている立場がわかってなかったらしく、

訳が分からず混乱して、しばらく部屋に籠もっていたらしい。

 

しかし事実鬼門影臣が目敏く見つけてきた。

鬼門「いやーびっくりしたよ鷺森さ~ん。」

鷺森(黄介)「・・・?何がだ?」

鬼門「『白蛇酒造』ってなんか聞き覚えがあんなーって思って調べてみたんスよ。

    そしたら5年前こーんな事件があったの思い出してねー。」

と、鬼門に見せられた新聞の記事に、黄介は驚いた。

 

新聞の記事には、『神社全焼1人死亡』と書かれており、

そこで蓮月が死んだという事を黄介は知ることになった。

 

鬼門「いやぁ~この三男の『黄介』っての鷺森さん・・・あんたでしょ?

    記憶をなくす前から相当なワルだったって・・・」

と言うと、黄介

「・・・違う!
 俺は
蓮月兄さんを殺してない!

 はめられたんだよ!!左紺の奴に!!」

 

黄介の壮絶な人生に、金田一は何も言う事は出来なかった。

黄介「父さん、やっぱりあなたの判断は正しかったよ。

    蔵は蓮月兄さんが継ぐべきだった。

    左紺みたいな『嫉妬』と『驕り』の独で汚れた男では蔵は駄目になる。

   .・・・だから決めたんだ。

    蔵に蔓延る毒蛇は、俺がこの手で排除するってね!」

という黄介の言葉と表情に、金田一は悪寒を感じた。

 

決心を決めた黄介は、鬼門が紹介するモグリの整形外科医の所に行って、

整形手術を受けて、全くの「別人」になることにした。

 

黄介「包帯が取れた時、俺はもう『白神黄介』でも『鷺森弦』でもなかった。

    そう・・・・俺は『白蛇』・・・うちの蔵に巣食う『毒蛇』を噛み殺す為に、

    生まれ変わったんだ。」

 

<感想>

 

『白蛇蔵殺人事件』も10話を迎えた訳ですけど、

鷺森弦こと白神黄介の人生、壮絶すぎる。(ノ_-。)

なんか今回の金田一見てて、なんか悪寒的なものを感じた。

あと、左紺が物凄くクズだということが今回の話を見てて凄く感じた。

最初見たときから凄く『怪しい』『絶対この人なにかやらかしたんだろうな。』

とは思ってたけど、自分が後継者になる為に、

弟達を殺したのは完全なるクズだなって感じた。

なんか『飛騨からくり屋敷殺人事件』巽龍之介みたいだな、この人。

・・・・なんか口悪くなって、すいません。(-。-;)

でもよくよく考えたら、音松さん蓮月を跡継ぎにする」なんて言い出したから、

こんな惨劇になったんじゃないの?

音松さんが元凶じゃん!!ヽ(`Д´)ノ

確かに音松さんが言うように経営と酒造りは別だというのはわかる。

でも、

「酒造りを蓮月に任せ、経営を左紺に任せる」にすれば、

惨劇なんて起こらなかったんじゃないの?

左紺クズなのはわかったけど、音松さんも何気にクズじゃねぇの?って感じた。

次回が『白蛇蔵殺人事件』の最終回になるのかな?

先週の金田一であと2話って言ってたから。

次回の金田一が楽しみだな~。