(あらすじ)
逃亡中の殺人犯を追って、酒蔵で有名な『白蛇村』にやってきた俺たちは、
蔵元の『白蛇酒造』で、恐ろしい事件に巻き込まれる。
一番蔵のタンクの中で、蔵元の次男・白神蓮月と長男・白神左紺の2人が、相次いで死体となって見つかったのだ。
状況から、ふとしたはずみで弟の蓮月を殺してしまった左紺の自殺と思われたが・・・
果たして真相は!?
<蔵の中でのタブー>
事件の推理の情報収集の為、金田一は、白蛇酒造の従業員である黒鷹銀三に「醸造所をもう一度案内してほしい」とお願いした。
金田一「今度は酒造りの見学じゃなくて、事件の推理の情報収集の為に、
もう一度よく調べてみたいんです!」
黒鷹「一体どのあたりを見たいんだね?」
金田一「えー、とりあえず向こうの貯蔵タンクの洗浄場とか・・・」
それを聞いた黒鷹さんは、険しい顔で
「・・・あんたたち、亡くなった2人目の奥さん、鞠乃さんの死にざまに興味を持ってるようだが、その話はこの蔵の中ではタブーになってる。」
「7年前のあの事件の事を直に知っているのは、今は俺と音松さん、それにあの時旅館で働き始めた鏡花さんの3人だけだ。
今ここにいる他の従業員は、当時のことはほとんど知らん。」
美雪が「この話は蒼葉ちゃんから聞いて・・・」と言うと、
黒鷹は、
「母親の女将がうっかり喋っちゃまったんだろう。
あの時、蒼葉は女将の親戚の家に預けられてたはずだ。
詳しい場所までは知らんよ。」
「俺は仕事が残ってるから案内は鷺森に頼んどくが、
くれぐれも従業員にそんな話はせんでくれ。」
と、忠告は受けたがなんとか醸造所をもう一度見せてみらう許可をもらうことはできた。
<アリバイ検証>
剣持警部は、金田一と美雪に蓮月殺しについて容疑者達のアリバイを調べた結果を伝えた。
「まず事件の起きた時間だが、
我々が早めの夕食後に蔵の見学を始めたのが、夜の7時半。
ここで蔵の中の点検を従業員達と一緒にやることになった。
左紺が蔵に残って一人で閉じこもったのが、夜の7時45分くらい。
ここで、黒鷹がざっと点検して異常がないのを確認して鍵をかけている。」
金田一「確かそこからまた1時間して酒造ナイトツアーの締めっていうんで、
俺達も一緒に蔵に入って懐中電灯を使って、見回りを手伝ったのが・・・」
美雪「大体10時ちょっと前だよ!はじめちゃん。」
金田一「そこで黒鷹さんと鷺森さんと一緒に回ってる内に、
次男の蓮月さんの死体を発見することになった。
・・・てことは、事件発生は8時45分から9時45分までのどこかってことになる。
この1時間のアリバイだよね、オッサン。」
剣持警部「ああ!そういうことだ。
まず白蛇酒造一番の古株従業員の黒鷹銀三だが、
彼は蔵を出た後、夕食の為に休憩所にそのまま向かったそうだ。
するとそこに鷺森が自分の仕出し弁当を持って現れたんで、
そのまま雑談しながら一緒に食事をしていた。
それは鷺森からも同じ証言がとれているので、疑いの余地はない。」
金田一「つまり、黒鷹と鷺森の二人共アリバイがあるってことか。」
さらに剣持警部がいうには、
「その時間は夜の休憩時間だったらしく、
他の従業員もみんな一緒に食事をしていたそうだから、従業員は一人残らずアリバイが成立した」らしい。
次に、白蛇旅館の女将・姫小路鏡花と娘・蒼葉の2人に関して剣持警部が言うには、
「鏡花は、音松の部屋に夜の8時半まではいて、
その後10分か15分程して、旅館の台所に戻り、夕食の後片付けを始めた。
その時点で蒼葉は一人で夕食を終えて、台所で作業を始めていたそうだから、
そこから一時間のアリバイは二人共、完璧だ。」とのこと。
ちなみにこれは他の厨房で働いていたアルバイトからも証言がとれているらしい。
ただ、白神音松だけが午後8時45分から午後9時45分までのアリバイは無い。
美雪「でも音松さんが犯人ってことなさそうよね。
だって足は悪いし、大事な跡取り息子がいなくなって何にもトクにもならないわ。」
ここで金田一が、
「本当の息子だったら・・・・ね!」と言って、剣持警部と美雪の2人は驚くが、
金田一の話を聞いて、
「そうか・・・それなら犯行の動機になり得るな!
よし!さっそく左紺のDNAを調べよう!」
という剣持警部に、金田一は蓮月のDNAも調べてほしいと頼んだ。
「奴のDNAは音松が鑑定しただろう?」と不思議がる剣持警部に、
"念の為"と金田一がお願いし、剣持警部は、白神左紺と白神蓮月の2人のDNAを調べることにした。
<貯蔵タンクの洗浄場と取水場の見学>
「鷺森さん、仕事中にわざわざありがとうございます。」
金田一と美雪の2人は、貯蔵タンクの洗浄場を見せてもらっていた。
貯蔵タンクの洗浄場を見て、
「手すりもあるし、そんなに人が落ちそうな所じゃないよね。」と美雪は思った。
次に2人は、取水場を見ることにした。
鷺森からは、
「気を付けてくださいね。
階段が急で渡り廊下が滑るんで。
昔あそこで人が亡くなる事故がありましたから。」
と金田一と美雪の2人に言った。
実際に金田一が渡り廊下を歩いていると、足元が滑りやすく、金田一も足を滑らせて転びそうになっていた。
美雪「結構多いのね醸造所って。」
金田一「床が滑るからな。
毎日、作業をしてるとそんなことがあっても不思議じゃないな・・・」
と、感じた。
洗い場の水を見ると、まるで白蛇がのたくっているみたいに曲がっており、
美雪は
「・・・すごいね。
あんな事件が立て続けに起きた後に改めて見ると、
ホントに白蛇がのたくっているみたい。」と言った。
しかし金田一は、
「・・・なんだ?
この喉に何かつっかえたような違和感。
一体何が・・・・?」
と、何か違和感を感じていた。
「もう行こう!はじめちゃん。
なんか怖くなってきちゃった。」
と、美雪に言われ、金田一と美雪は洗浄場をあとにした。
<暴れだした音松&金田一が衝撃を受けた1枚の写真>
所水場を後にした金田一、美雪、鷺森の3人が歩いていると『ガシャーン』という音が聞こえてきた。
3人が様子を見に母屋に行くと、白神音松が酒を飲んだ暴れだしていた。
棚の上にあるものを手当たり次第落としていた。
あとからやってきた剣持警部と黒鷹銀三に取り押さえられ、
「社長のあんたがそんなんでどーするんだ!
白蛇酒造は本当に終わっちまうぞ!」
と黒鷹に叱咤されるが、
「いいんだよ!こんな呪われた蔵!!こんな・・・もうおしまいなんだぁ~。」
と言い、剣持警部と黒鷹の2人に連れて行かれた。
鏡花さん曰く、母屋は元々白神ご家族の居間だった所で、かつてはここで一家だんらんがあったと聞いているらしい。
また母屋は従業員は立ち入り禁止の場所だが、金田一や鷺森は緊急事態だったので、部屋に入った。
鏡花さんは、鷺森に部屋の掃除を頼み、娘の蒼葉と共に音松の様子を見に行くことにした。
金田一は、音松が手当たり次第落としていったものの中から、左紺・蓮月・黄介の3兄弟が写っている写真を拾い上げた。
その写真には音松さんと2人目の妻・鞠乃さんの姿もあった。
音松を寝かせて戻ってきた剣持警部と、金田一と一緒にいた美雪の2人にも写真を見せ、
剣持警部「そういやさっきの部屋、やたら家族の思い出っぽい品が飾ってあったもんな。それを見て飲んでたら・・・ってワケか。」
美雪「この中で残ってるのが一番年老いた音松さんだけなんて、ひどすぎるよね、こんなの。」
と、2人は思った。
金田一は、
「ああ、犯人がどんな事情でこんなことしてるか知らねーけど、
俺はこんなの許さない。
この謎は全て解き明かして見せる・・・・ジッチャンの名にかけて!」
と誓った。
金田一と美雪の2人は、写真を返すべく母屋に向かった。
母屋では鷺森が母屋を掃除をしていた。
鷺森に写真を戻すよう頼んだ。
しかしここで金田一は、ある事に気づく。
「どういうことだ?これは・・・・まさか・・・・この事件の真相は!?」
<感想>
第6話にきて、まさかの容疑者リストに白蛇の白ちゃんを入れてしまうとは!?
まさかの人間以外での容疑者誕生!?∑(゚Д゚)
まあさすがに白ちゃんが犯人なわけないだろう。(-。-;)
しかも容疑者リストは今まで被害者は若干黒く塗りつぶされるのに、そこに"死亡"って文字まで入れちゃったのね。
そしてついに出ましたね。
「ジッチャンの名にかけて!」という名台詞が。
やっぱりこれがあってこその金田一ですね。
あと金田一が鷺森に写真を戻した後に気づいた事っていえば、
写真に写っていた棚に置いてあるトロフィーや野球ボール、けん玉、グローブといったものがちゃんと元の場所に戻されていたということじゃないかな?
母屋の居間は、確か従業員は立ち入り禁止だったはず。
なのに入ったばかりの下っ端の鷺森さんがなぜ元の位置に戻せたのか?
自分の考えとしては、鷺森さんは本当は白神蓮月じゃないかと思う。
そして最初に出会った白頭巾を被って白神蓮月と名乗っていたのは三男・白神黄介だったんじゃないかと思う。
次回の金田一は作者取材の為一回お休みだから、次の金田一は8月か。
次回の金田一で話が一体どう動くのか、楽しみだな~。