(あらすじ):金田一語り

絶海の孤島「火吐潟島」に古くから伝わる「村長人形」になぞらえて

無残に殺された人気覆面作家「ペルソナドール」

しかも最後に殺された紅小路 巴

俺達をこの島に送った社会科教師 朱鷺田忍と分かり

ますます俺達を混乱させる

果たして彼女らを「村長人形」になぞらえて

惨殺した犯人「祟り人形」

いったい誰なのか?


<金田一に立ちはだかる『大きな壁』

「明日の朝の船が来る前に必ず事件の真相を暴いて見せる」と宣言した金田一

「動機と犯人像がさっぱり分からん」と頭を抱える剣持警部
しかし金田一には犯人の見当はついているらしい。

しかし金田一が言うには、

「自分が犯人だと思っている人が犯人だとすると、"大きな壁"にぶち当たってしまう。」とこのと。

その"大きな壁"というには、アリバイ。

最後に朱鷺田先生の死体発見時に、彼が犯人だと思っている人物も含めて全員が供養祭に参加していた。

ところが、その最中に剣持警部が供養堂の中にペルソナドールの紅小路の仮面を被った朱鷺田先生の姿を見つける。

金田一も見たが、先生はまだ首と胴体がそこにちゃんとある状態だったorあるいは切断されていたかもしれないとの見解。

ところが、全員で社の裏側に回り供養堂の中に入ってみると、胴体は既に運び出されていて、
先生の首だけが槍に突き刺さった状態
で残されていた。

いつきは、

「そうなると犯人は、あの時供養堂に潜んでいて

 俺達が回り込んでいる間に胴体を運んで逃げ出したとしか考えられなくなる」
という考えだったが、金田一は、

「俺達が到着するまで5分近くあったから、まぁそれも出来なくはないだろう。」

「だがそれじゃ、俺が犯人と目星をつけてる人物を含め、
 
 供養参加者全員が、この犯行を実行できない。

 つまり『不可能犯罪』ってことになってしまうんだ!」
と答え、

美雪

「供養祭に参加しながら供養堂の中に死体を運び出すことなんて、できっこない。」と金田一の意見に賛成。

ここで金田一は、剣持警部に頼みごとをした。

それは朱鷺田先生の目にコンタクトが入っているかどうか調べてほしい」とのこと。

金田一が言うには、

・先生は、学校ではずっと眼鏡をかけていた。

・しかし先生の部屋を探した所、眼鏡が見当たらず、それどころか眼鏡ケースもなかった。

・コンタクトレンズの洗浄液、使い捨てのケースや交換用の予備すら見つからなかった。


とのこと。

剣持警部もさすがに妙だと思い、金田一の頼みごとを承諾。

金田一は、剣持警部「先生の首ってどこに安置してるの?」と聞くと、

「そりゃあもちろん冷蔵庫だ。腐っちまったら検死もやりにくいし、第一 可哀想だろう。」と答えた。

さらに金田一は、「首だけの状態でも検死ってするの?」「死亡推定時刻ってわかんの?」と質問すると、

「うーん まぁ詳細な時間は難しいな。
 しかしちょっと前まで生きてたわけだから、おおまかにはわかるだろう。」
と答えた。

金田一は暫く黙って考え始め、「なるほどね。」とだけ言った。

<朱鷺田先生の本当の顔は!?&剣持警部が人形供養に来た真相>

そこに剣持警部を訪ねてきた人物がいた。

それは今回の人形供養祭に参加していた訳あり客の一人、田中豪君だった。

剣持警部が彼に話をしようとした時、彼が「刑事さん!!・・・俺、知ってるんです!」と言って、剣持警部金田一はキョトンとしていた。

豪君は、殺された朱鷺田先生の顔を見て、どこかで見た事があると思ったら思い出したらしく、豪君が言うには、

「あの人・・・『時田 朋江(ときた ともえ)』という名前で小説を書いてベストセラーになったことがあるんじゃないかと思うんです。」とのこと。

これには金田一も驚きを隠せなかった。

いつき「時田朋江」を知っており、"突然姿を消したベストセラー作家"らしい。

豪君は、彼女の事を調べていたらしく、時田朋江の"あの小説"が話題になって、

彼はすぐさま手に入れて読んだ所、

「ま・・・・間違いない!この小説は絶対にお母さんを殺したアイツのことを書いてる!」

と確信したのだ。

「俺は、この作者にどうしても会ってみたいと思って調べたんだ。

 そしたらネットの検索で作者の写真がいくつか出てきた。

 髪型とか変わって、だいぶイメージと違ってたけど、
 
 あの生首の女の人だったと思います。」


と言った。

剣持警部はちょっと黙った後、豪君

田中くん、私から一つ聞いていいかい?」

「君のお母さんの事件は、8年前 東前山(ひがしさきやま)で起きた事件だろ。」
と聞くと、

「え!?どうして、それを・・・」と驚いていた。

実は剣持警部、その時は捜査一課の主任で事件の担当だったのだ。

「あの時、君はまだ幼かったし、今は立派に成長してて気付かなかったよ。」とのこと。

そして剣持警部は、自分が供養してた「人形」というのも、実は豪君のお母さんの「人形」だということ。

剣持警部が、5年前に自分が供養して収めた人形というのは、黒い瞳のフランス人形。

豪君もその人形を見て、「間違いない」とのこと。

美雪剣持警部「どうしてこの人形を剣持さんが?」と聞くと、

剣持警部が言うには、

犯人の無期懲役と決まってから少しして、拘置所で犯人が自殺をしてしまったのだ。

その後、犯人の妻から連絡があって訪ねた時の事。

剣持警部「どういった御用向きで私を?」と聞くと、犯人の妻は田中さんの家のものと思われるフランス人形を出した。

妻が言うには、「事件の直後に夫が娘に与えたものなんですが、こんな高級そうな人形を買えるはずもないので恐らくは・・・」とのこと。

「もっと早く言いたかったが、娘がたいそう可愛がっていたもので、どうしても言いだせずにそのままになっていて、言えなかった。」とのこと。

その娘は扉の隙間から何かを訴えているかのように黙って泣いていたが、それを見た剣持警部は、「・・・まあ奥さん、今すぐでなくてもいいんじゃないですか」と言った。

剣持警部は、

田中君のご家族には申し訳なかった。

 でも、あんな小さな女の子から、大事な「お気に入り」を取り上げるのもちょっと気が引けてな・・・」
と思っていた。

剣持警部は、「一応田中さんには連絡はしておく」言って帰る事にし、犯人の娘はにこっと笑っていたのを確認して帰ったらしい。

しかしその1年後にその親子は無理心中をしてしまった。

心中する直前に『元の持ち主に返して欲しい』と、その人形が警察に送られてきて、
田中家のお父さんは『さすがに気味が悪くて受け取れない』と言って、結局剣持警部の元に来たらしい。

・・・泣ける話だ。。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

<金田一が気付いた驚愕のトリック>

人形荘の若旦那・まこと君は一人神社で人形供養をしていた。

金田一は、「まだ人形供養やってるのか?」と聞くと、まこと君「もちろんだよ。」と答えた。

「供養はなにがあっても最後までやらなきゃいけない。
 
 これ以上、死人を出さない為にも・・・
 
 島の外の人には分からないだろうけど
 
 12年前のようなことは、もう起きてほしくないんだ。」


と、まこと君は言い、金田一は何も言う事が出来なかった。

ここでまこと君金田一「小窓から中を覗き込んで供養の言葉を述べてほしい」とお願いした。これだけはまこと君がやるわけにはいかないらしい。

金田一は、まこと君に言われた通りに小窓から中を覗き込んでいると、
ある事に閃き、すぐに立ち上がる。

「そうか・・・そういうことだったのか」

「俺の考えているトリックが可能なら・・・『不可能犯罪』が崩れるぞ!」


この人形社で起こった

不可思議な死体消失現象を可能にする

驚愕のトリックとは・・・?


<感想>

『火吐潟島殺人事件』も第8話が終わりましたね。

今回の話を見ると、

"朱鷺田忍紅小路巴"

と感じていいのかな?って思えてきましたね。
話にもあるように、紅小路巴の荷物から眼鏡コンタクトレンズなどの類が全く出てこなかったので、

"朱鷺田忍紅小路巴"

と感じていいのかもしれませんね。

でもその代わり、朱鷺田先生がベストセラー作家の『時田朋江』という可能性が出てきて、これだったら確かに写真を見る限りロングヘアではあるけど、朱鷺田先生っぽいから、

"時田朋江朱鷺田忍"

という線は間違いないのかもしれないですね。

あと剣持警部が人形供養の真相がこんな話だったなんて・・・確かに小さな女の子から「お気に入り」を取り上げるのは、確かに気が引けて出来ないでしょうね。

剣持さん、いい人だ・・・(ノ_・。)

さて、来週の『金田一少年の事件簿』はお休みと言う事で、次に金田一が見られるのは再来週という事になりますね。

再来週の金田一が楽しみです。