(あらすじ)
死亡した資産家、野間口の愛人である花都千冬に遺産に関する脅迫状が届いた。
差出人の調査を依頼されたいつきに連れられ、金田一 一と七瀬美雪は、野間口家の親族会議が行われる東京のど田舎にある「森のコテージ村」に赴いた。
遺産を巡って不穏な空気が漂う中、野間口社長の娘だと名乗り出た少女、影原夕菜が密室のコテージで死体となって発見された・・・
現場は密室で、怪しいところと言えば、季節外れの燃え立つ暖炉ぐらいであったが・・・
<関係者集結>
影原夕菜を殺した犯人を関係者に明らかにすべく、関係者達が集められた。
金田一は、事件の全貌と犯人の正体を明らかにする為、関係者達に喋り始めた。
(金田一の推理)
・影原夕菜は自殺ではなく他殺だというは死体の状態から見て明らかであった事。
・血が床の一方向に飛び散るには、うつ伏せにして寝た状態で首を切らないとならない。
つまり犯人は薬か何かで彼女を眠らせ、うつ伏せの状態で彼女の首を切った。
そうすれば自分に返り血を浴びずに済んだと考えた。
・彼女を殺した後、犯人は影原の携帯からいつきをメールで呼び出し、「密室の目撃者」に仕立てる事で、彼女の「自殺説」を強調した。
・脅迫状も「目撃者」としていつきさんを村に呼び出す為のフェイクだった。
そして金田一が解き明かした推理で導き出した、影原夕菜を殺した真犯人は・・・
花都千冬!!
しかし花都さん本人は、
・いつきが死体を発見した時、扉の内側には頑丈な掛け金が2つも掛けられていた。
・窓も内側から鍵が掛っていた。
・聞くところによれば、バスルームのドアは開いていて中に人はいなかったし、
部屋には隠れられそうな場所はどこにもなかった。
と、自分は影原夕菜を殺していないと否定。
<犯人が使ったトリック>
金田一は、事件の現場となった13番コテージで、花都さんが使ったトリックを再現して見せるといい、皆に「俺が入って5分経ったら皆入ってきてくれ。」と言い、5分経って皆がコテージの中を探すが金田一はどこにも見当たらない。
「ここだよ~」と金田一が声を出したのは、なんと『暖炉の中』!!
実は、薪は燃えておらず、燃えていたのはアルコール燃料。
湿って燃えにくくなった薪にアルコール燃料をかけて火を点け、自分は奥の方で黒い防火布で熱を遮りながら暖炉の奥に隠れていたのだ!
携帯が通じないこの13番コテージで死体を見つけたからには、応援を呼ぶ為に外に出るのも彼女にとっては計算済み。
いつきさんが出て行くのを見計らって、花都さんは防火布で火を消して外に出て、奥に寄せておいた燃えやすい乾いた薪に置き換えて強力な暖炉用の固形燃料で火を点ければ、完了という仕組み。
しかし、花都さんは「私がやったという証拠はどこにあるのよ!?」とまだ自分が犯人だとは認めていない様子。
ここで金田一が、花都さんが犯人だという決定的証拠を叩き付けた。
それは、花都さんが着ている黒い服!!
実は本当は喪に服す為ではなく、トリック実行の為に黒い服を着ていたのだ。
暖炉の中に入れば当然、服も煤だらけになる。
犯行現場から自分のコテージに戻る時、煤だらけで目立つ服だと人目に付いた時にすぐにバレてしまう。
その為、始めから黒い服を着て喪に服してるフリをしていたのだ。
思いの外、金田一達が早く警察を呼んでしまい、着替える暇もなかった為、黒い服から暖炉と同じ成分の煤がついているという決定的証拠を残してしまったのだ。
<被害者を殺す動機は?>
花都さんは、自分は"野間口夫人の『愛人』"ではなく、野間口社長の愛人は、花都さんの母。
つまり"野間口社長の『愛人の娘』"だったのだ!
母を早くに亡くし、成り行きで周囲からは「愛人」みたいに言われるようになっていたが、実際は体のいい「お手伝い」扱いだった事を告白。
「でもずっと側に置いてくれるってことは、いつか私を実の娘と認めてくれるんじゃないか。」
って淡い期待をしていた花都さん。
しかし遺言書には、"実子、影原夕菜"という言葉が!
『見た事もない子をあっさり実子と認めるくせに、長年 側にいたあたしは実子と認めないってどういうこと!?』
遺言書に「実子、影原夕菜」とあったことから影原殺害を決意したようだ。
「ソウカ・・・
イツマデ待ッテモ手ニ入ラナイナラ自分カラ奪エバイイ
アタシニハソノ資格ガアル・・・!!」
・「物心ついた時から母に、そして実の父に捨てられないよう必死だった」
・「どんなことでも言われるがままに逆らわず人に気に入られるように生きてきた」
・「でも本当は都合がいいだけで誰からも必要とされない存在だった」
そう語っていた花都さん。
パトカーに乗り込む花都さんに、金田一は警察が影原のことについて調べたことを伝えた。
・・・影原さんは財産目当てで来たわけではなく、影原さんもまた母親に先立たれてみなし子だったが、
実はすごい起業家に見初められ結婚が決まっていて、野間口家の財産がいらないほどだったという。
それどころか影原さんは知人に
「自分にはたった一人の姉がいる。
大きくなって知ったけど、すごく姉に会いたくていつか一緒に暮らせたらと思っている。」
と明かしていたことを・・・。
・・・つまり、花都さんは自分を一番必要としてくれている人、実の妹・夕菜を手にかけてしまったのだ。
・・・金田一は泣き崩れる花都さんを見て、その傍らに夕菜さんが花都さんにそっと寄り添っている姿が浮かんだのを感じ取っていた・・・。
<感想>
今回で「なぜ暖炉は燃えていたか?」が終わってしまいましたね。
全部読み終えて、なんだか凄く悲しくなっちゃいましたね。
久しぶりに金田一読んで、泣きたくなったの久しぶりですね。
影原さんが実は花都さんの実の妹だったなんて・・・もし、その事実をもっと早く知っていたら、こんな殺人事件も起こらなかったんだろうな・・・。
それにしてもまさか暖炉に防火布で熱を遮って奥に人が隠れているなんて全く想像がつかなかったですね。
あと暖炉が燃える音と火の熱さも考えるべきだったんですね。
そして次号の金田一は新しい事件「人形島殺人事件」がスタートします。
秘宝島、墓場島などに続く島シリーズですか。
人形(にんぎょう)じゃなくて人形(ひとがた)なんですね。
振り仮名振ってなかったら普通に人形島(にんぎょうじま)って言いそうですね。
果たしてどんな事件になってしまうのか、次回の金田一が楽しみです。
死亡した資産家、野間口の愛人である花都千冬に遺産に関する脅迫状が届いた。
差出人の調査を依頼されたいつきに連れられ、金田一 一と七瀬美雪は、野間口家の親族会議が行われる東京のど田舎にある「森のコテージ村」に赴いた。
遺産を巡って不穏な空気が漂う中、野間口社長の娘だと名乗り出た少女、影原夕菜が密室のコテージで死体となって発見された・・・
現場は密室で、怪しいところと言えば、季節外れの燃え立つ暖炉ぐらいであったが・・・
<関係者集結>
影原夕菜を殺した犯人を関係者に明らかにすべく、関係者達が集められた。
金田一は、事件の全貌と犯人の正体を明らかにする為、関係者達に喋り始めた。
(金田一の推理)
・影原夕菜は自殺ではなく他殺だというは死体の状態から見て明らかであった事。
・血が床の一方向に飛び散るには、うつ伏せにして寝た状態で首を切らないとならない。
つまり犯人は薬か何かで彼女を眠らせ、うつ伏せの状態で彼女の首を切った。
そうすれば自分に返り血を浴びずに済んだと考えた。
・彼女を殺した後、犯人は影原の携帯からいつきをメールで呼び出し、「密室の目撃者」に仕立てる事で、彼女の「自殺説」を強調した。
・脅迫状も「目撃者」としていつきさんを村に呼び出す為のフェイクだった。
そして金田一が解き明かした推理で導き出した、影原夕菜を殺した真犯人は・・・
花都千冬!!
しかし花都さん本人は、
・いつきが死体を発見した時、扉の内側には頑丈な掛け金が2つも掛けられていた。
・窓も内側から鍵が掛っていた。
・聞くところによれば、バスルームのドアは開いていて中に人はいなかったし、
部屋には隠れられそうな場所はどこにもなかった。
と、自分は影原夕菜を殺していないと否定。
<犯人が使ったトリック>
金田一は、事件の現場となった13番コテージで、花都さんが使ったトリックを再現して見せるといい、皆に「俺が入って5分経ったら皆入ってきてくれ。」と言い、5分経って皆がコテージの中を探すが金田一はどこにも見当たらない。
「ここだよ~」と金田一が声を出したのは、なんと『暖炉の中』!!
実は、薪は燃えておらず、燃えていたのはアルコール燃料。
湿って燃えにくくなった薪にアルコール燃料をかけて火を点け、自分は奥の方で黒い防火布で熱を遮りながら暖炉の奥に隠れていたのだ!
携帯が通じないこの13番コテージで死体を見つけたからには、応援を呼ぶ為に外に出るのも彼女にとっては計算済み。
いつきさんが出て行くのを見計らって、花都さんは防火布で火を消して外に出て、奥に寄せておいた燃えやすい乾いた薪に置き換えて強力な暖炉用の固形燃料で火を点ければ、完了という仕組み。
しかし、花都さんは「私がやったという証拠はどこにあるのよ!?」とまだ自分が犯人だとは認めていない様子。
ここで金田一が、花都さんが犯人だという決定的証拠を叩き付けた。
それは、花都さんが着ている黒い服!!
実は本当は喪に服す為ではなく、トリック実行の為に黒い服を着ていたのだ。
暖炉の中に入れば当然、服も煤だらけになる。
犯行現場から自分のコテージに戻る時、煤だらけで目立つ服だと人目に付いた時にすぐにバレてしまう。
その為、始めから黒い服を着て喪に服してるフリをしていたのだ。
思いの外、金田一達が早く警察を呼んでしまい、着替える暇もなかった為、黒い服から暖炉と同じ成分の煤がついているという決定的証拠を残してしまったのだ。
<被害者を殺す動機は?>
花都さんは、自分は"野間口夫人の『愛人』"ではなく、野間口社長の愛人は、花都さんの母。
つまり"野間口社長の『愛人の娘』"だったのだ!
母を早くに亡くし、成り行きで周囲からは「愛人」みたいに言われるようになっていたが、実際は体のいい「お手伝い」扱いだった事を告白。
「でもずっと側に置いてくれるってことは、いつか私を実の娘と認めてくれるんじゃないか。」
って淡い期待をしていた花都さん。
しかし遺言書には、"実子、影原夕菜"という言葉が!
『見た事もない子をあっさり実子と認めるくせに、長年 側にいたあたしは実子と認めないってどういうこと!?』
遺言書に「実子、影原夕菜」とあったことから影原殺害を決意したようだ。
「ソウカ・・・
イツマデ待ッテモ手ニ入ラナイナラ自分カラ奪エバイイ
アタシニハソノ資格ガアル・・・!!」
・「物心ついた時から母に、そして実の父に捨てられないよう必死だった」
・「どんなことでも言われるがままに逆らわず人に気に入られるように生きてきた」
・「でも本当は都合がいいだけで誰からも必要とされない存在だった」
そう語っていた花都さん。
パトカーに乗り込む花都さんに、金田一は警察が影原のことについて調べたことを伝えた。
・・・影原さんは財産目当てで来たわけではなく、影原さんもまた母親に先立たれてみなし子だったが、
実はすごい起業家に見初められ結婚が決まっていて、野間口家の財産がいらないほどだったという。
それどころか影原さんは知人に
「自分にはたった一人の姉がいる。
大きくなって知ったけど、すごく姉に会いたくていつか一緒に暮らせたらと思っている。」
と明かしていたことを・・・。
・・・つまり、花都さんは自分を一番必要としてくれている人、実の妹・夕菜を手にかけてしまったのだ。
・・・金田一は泣き崩れる花都さんを見て、その傍らに夕菜さんが花都さんにそっと寄り添っている姿が浮かんだのを感じ取っていた・・・。
<感想>
今回で「なぜ暖炉は燃えていたか?」が終わってしまいましたね。
全部読み終えて、なんだか凄く悲しくなっちゃいましたね。
久しぶりに金田一読んで、泣きたくなったの久しぶりですね。
影原さんが実は花都さんの実の妹だったなんて・・・もし、その事実をもっと早く知っていたら、こんな殺人事件も起こらなかったんだろうな・・・。
それにしてもまさか暖炉に防火布で熱を遮って奥に人が隠れているなんて全く想像がつかなかったですね。
あと暖炉が燃える音と火の熱さも考えるべきだったんですね。
そして次号の金田一は新しい事件「人形島殺人事件」がスタートします。
秘宝島、墓場島などに続く島シリーズですか。
人形(にんぎょう)じゃなくて人形(ひとがた)なんですね。
振り仮名振ってなかったら普通に人形島(にんぎょうじま)って言いそうですね。
果たしてどんな事件になってしまうのか、次回の金田一が楽しみです。