拡張主義?
エサやりさんに読んで欲しいシリーズは、エサやりさんを否定するものではありません。ただ、地域猫や野良猫を害獣だと考える人は少なくありません。場合によっては虐待を受ける危険性もある環境で生きている弱い存在です。
だからこそ様々な事例を知ってもらって自分で考えて欲しいのです。そうすれば、厳しい環境で暮らす猫の寿命が少し伸びるのではないでしょうかきれいごとだけでは済まないのを、何度も、今も痛感しているので書きます。
毎日エサやりをしている人は大変です。匹数が少なければまだいいですが。
以前書いた通り、たくさんいた猫の数は数年前の2/3程に減りました。私が関わり出した時のエサやり場は4か所。基本的にその場所に猫を集めてエサやりをするのが習わしとなっていたのでそのようにしていました。そこに出て来ない猫は仕方がないので、出て来たところであげる。
本当はダメなのですが、水場がないのと環境が厳しいので必要があれば置きエサもしています。自治体も知っていますが黙認してくれています。その代わり、他のエサやりさんの置きっぱなしのエサやゴミを回収しています。ちゃんと管理・清掃する事で目をつぶってもらっているのです。
置きエサをするとカラスやナメクジ、ゴキブリ、ムカデ、ゲジゲジ等やたまにタヌキも来るので、虫は仕方がないとしても他の動物にエサを取られにくいように、雨水が入らないエサボックスを作り設置しました。
数年前の2/3まで匹数が減ったのですから、少なくとも餌場は現状維持もしくは状況によって減らしてもいいはずですよね。
あるエサやりさんの考え方はどうやら必要以上に”量が多い・数が多い”事で自分が満足するというのが分かっていたのです。
与える・置くエサの量はざっと一回の必要量の3倍程度、いつもエサが残っていてそれをカラスが食べたり、カラスが食べやすいように置いたりしています。
私はそこにいる猫の食べる量を考えながら、置きエサの量を調整します。全ての猫が出て来て食べれば置きエサはしません。夕方には別の方がエサやりに周るからです。
どうも置きエサの量も私が考える必要量だと気に食わない。「エサの量が少ない」とクレームを言われます。
エサの量だけではなく、エサ場も増加の一途なのです。
もう一度書きますが、数年前に比べて猫の数は2/3程に減っているのです。当然、猫のいないエサ場は撤去しないと行政に対しても印象は良くないし、撤去すれば猫嫌いからの嫌がらせも減るでしょう。
猫が2/3に減っているのに、すでにエサ場を一か所増やしてしまい「猫が減ったから増やす必要はないですよ」と説得しても聞かず、3か所を増設、さらにもう一か所を作りました。
これを読んだ方はどのように思われますか
このエサやりさんとやりとりをしていて、だんだん分かって来たのが、もちろん猫の為にエサをあげているのですが、”自分の満足感の為”にもエサやりをしていると感じるようになりました。
自分もそうですが、誰しもエサをあげて食べてくれれば嬉しいです。だんだん慣れて来て触れるようになるのも嬉しい。
生きていく為にはエサは必須ですが、私は自分よがりのエサやりはしないようにしているつもりです。
そのエサやりさんは、猫がとにかくたくさん食べているのを見るのが好きなので、エサを過剰に与えます。私はその猫の体調や季節、年齢も考えながら調整しています。なぜなら年を取った猫は過剰に食べると内蔵に負担がかかる場合もあります。
それでなくても、知らないエサやりさんが適当にあげているので、体調管理は難しい。
それで、何度か「食べさせればいいというのではないですよ。食べ過ぎで寿命が短くなる場合もあるから、ほどほどでいいのですよ」と窘めました。
ところが全く聞く耳を持ちません。これ以上言っても無駄だと思い、注意するのは止めました。
そのうちエサやり依存症ではないかと考えるようになりました。医者ではありませんから、そんな病名を付けていいかどうかは別として、行動を見ていると、どんどん拡張していくのです。
エサの量、エサ場、器の数、猫ハウスどんどん増えていきます。
そして、その結果悪い事が起きました。