こどに英語を学ばせる。

今では一般的なことであり、特別ではありません。


私は大学では理科系でしたが、自分の中では、高校生の頃は英語も得意な方でした。ただそれは、受験英語という意味で、映画やテレビを字幕なしで英語音声で観たりできるレベルではないです。


こんな私でも、今は英語が話せるというか、外国人が言ってることは大体分かり、簡単な英単語を使ってコミュニケーションはとれます。


なぜかというと、夫の海外赴任で約6年間アメリカ合衆国に住んでいたからです。

住んでいるだけでは英語でコミュニケーションはできるようになりません。


当時はまだ自分も若くこどもはいませんでした。自由な時間が6年ある、そう思い、まず、アメリカで自分の住む場所にある国立大学のESLに申し込みをしました。ESLとは、英語を第二外国語として学ぶ学生のための授業です。誰でも申し込みできるわけではなく、母国の大学在学中もしくは卒業した者に限られていました。

リーディング、ライティング、スピーキング、グラマーの4教科あり、約3ヶ月で1科目10万円(当時のレートで換算)くらいでした。

幸い、夫の会社が海外赴任に帯同する家族に学費を出してくれる制度があり、これを利用しました。

当たり前ですが先生はネイティブ。テキストも英語。周りに日本人はほとんどいませんでした。何言ってるのかもさっぱり分からないまま最初の3ヶ月は過ぎました。

お金はかけましたが、3ヶ月では全く成果が出ませんでした。

しかし、ここで知り合った外国人留学生たちとその後も交流し、お互いの母国語が違う者同士でコミュニケーションをとるには「英語を使うしかない」という基本的なことを身を持って習得しました。

その後アメリカ滞在中の6年間はひたすら無料のESLを探し、そして通い、ひたすら友達を作りました。


前置きが長くなりましたが、この経験があったので、自分のこどもには英語圏で生活すれば、英語でのコミュニケーションはなんとかなると思っています。

いえ、むしろ、そうしないと英語は使えないと実感しました。

ただ、未成年でアメリカに滞在することは色々な意味で無駄も多いと感じます。

確かに、幼児期にアメリカで英語を学べばネイティブのようなイントネーションを習得できるでしょう。ただ、別にネイティブのようなイントネーションで話さなくても、生活や仕事に大きな影響はないです。

アメリカにいる多くの外国人は、母国語訛りの英語で生活し仕事もしています。

また、未成年でアメリカ留学に来ている様々な国の学生たちとも知り合いましたが、勉強よりもコミュニケーションを磨くことに夢中になってしまう学生もやはり多くいました。留学資金を出した母国のご両親たちの知らない世界を、斜め横から観ていた私は、自分のこどもには、少し遅めのタイミングで海外に行かせられたら、と思っているのですが。


日本に帰国後、こどもを授かり、さて英語教育をどうするかと考えた時、また迷いが出て来ました。

留学は成人してからでもいいが、英語教育をしないわけにはいかない。

ということで、血迷ったわたしは、こどもをインターナショナル系の幼稚園に入れました。コミュニケーション対策のつもりでした。


同時に、読み書き対策で、くもん式の英語もやらせ高進度学習者賞を取りました。もちろん、こども自身すごく頑張ったと思いますが、親の「やらせる力」がものをいう世界だと思いました。

くもん式のお教室に2年弱通い、くもん式とは「どんなものなのか」を体感しました。

そして、急に冷静になった私は、くもん式の算数と国語で、こどもに高進度学習者賞を取らせるレベルまで「やらせる力」が私にはないと感じました。

ですので、くもん式のお教室では算数と国語は一切やりませんでした。


くもん式はお教室に通うけれど、詰まるところプリント教材の家庭学習です。

親がどれだけこどもに「やらせることができるか」で結果が出ます。


くもん式のお教室にも、少数ではありますが、やはりどうしても集中できない子、嫌がって泣く子もいましたし、英国数の3科目を全て毎日10枚づつこなす子もいました。


嫌がることを乗り越えた先に成長があるのか?

それともこれはこどもへの押し付けなのか?


我が子のプリントを進めることに夢中になってしまい周りが見えていないわたしでしたが、他人のお子さんたちの様子を観て、考えることもしばしばありました。