先月お伝えした、ミラノで今年末完成予定のステファノ・ボエリ アーキテクツによる世界初縦型森林住宅、グリーンで未来に希望を感じさせるような新しい試みが注目されています。今隕石やら尖閣諸島やら箱根山の火山余震などなど、いろいろ私達を心配させる物事がたくさんある中、こうした勇気ある理想の生活空間の開発を通し世の中に希望を訴えかけるクリエイターの存在は貴重です。ご好評にお答えして、現在進行中の建設現場からの写真をお伝えします。着々と進行しています。楽しみです!
建物躯体のほうはある程度完成しつつあり、木々の縦型森林への植え付けが始まってる模様です。建物の横に突き出したベランダへ木々は空中移動して植えられます。
建物は100メートルと76メートルの2つのビルから成り立ち、合計して約1000本の大小様々な木々、約16000の植物が植えられます。この高層ビル側面に作られる森林は、1万㎡の森林面積(約100mx100m)を作り出し、甲子園野球場と同じサイズに達します。
高層ビル側面に植えられる木々は、強風にも耐えられるようにガーデンエリアもこのように深く作られています。ここまで深く土がもれれば、木々もしっかり成長できそうですね。しかし建物にかかる荷重は相当なもの。そこまで考えて設計しないとならないので、いろいろ通常以上の設計作業となります。前面壁の下部にあいている穴は、自動灌漑システムを備え付けるところでしょうか。自然のエコシステムを体現する人口建造物として、デザイナーは腕を振るったに違いありません。
木もかなり大きいものもあります。
木々の植え込みもいろいろ工夫しないといけないのではと思います。防水シートとかいろいろ仕込んでいます。高層ビル建設にこうしてランドスケープ作業が加わるのも面白いですね。面白そうなのが、この縦型森林を運営する灌漑システム。独自の管理会社を持ちながら全自動で常に木々に水・栄養素を与えるそうです。恐らく循環させる水に肥料を入れて定期的に与えるのではと思います。
このようにビルの側面から突き出ているテラス全てに木々が植わります。完成して木々が元気良く育ちだした頃が楽しみですね!
各住居では、このような近代都市の田舎生活が味わえます。近代都市の生活を行いながら自然の恩寵を感じることが出来るとは、これぞ新しい生活スタイル。生活スタイルのみならず、木々・自然のシステムを住居に取り入れることにより、たくさんの機能的・環境的効率が増します。環境循環型住宅です。
アジアの国々では、たとえば祭りごとなどというと、周囲をバナナリーフなどの植物で飾りつけるところもあります。これは、伝統的に行われていることで、切り取ったバナナツリーの葉っぱであっても、そこから酸素が大量に発生し混雑した会場の空気を清浄するという機能もあるそうです。このように、木々を生活空間に取り入れることによる、空気の清浄化には一定の効果があると言われています。その他、環境汚染で汚れた空気のフィルターとして、有害な埃などを吸収したりもするので、特にイタリア1環境汚染が進んでいると言われているミラノでこの縦型森林住宅の誕生ということになったそうです。わくわくしてきますね。
このような街計画が私達の国でも出来たらどれほどすばらしいかなあと思います。世界の技術を結集して、自給自足グリーン建築を完全環境循環型で作り出すのです。1本や2本じゃなく、街を作り出して、そこから生活の豊かさを私達日本人が獲得すれば、喜びやゆとりが生まれ、そこからまた新たな開発・発明・前進してゆくポジティブエナジーが生まれるとおもいます。
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