数学とは何か?

という大きな問題には触れないで、数学の歴史についての本があるのだが、数学の歴史とは何だろうか?

ということを考えてみよう。(考えたくない人達もいるので、そこはそこで)

数学の歴史について、面白い本がある。(面白くないかもしれないが)

図書館には必ずあるかもしれない。

それも、ミステリーのコーナーにあるかもしれない

「フェルマーの鸚鵡(オウム)はしゃべらない」(ドゥニ・ゲジ 藤野邦夫訳)角川書店

設定は、パリで書店の経営をしているじいさんと、じいさんのところで働く二児の母と孤児が登場人物となる。

二児は、二卵性双生児の男の子と女の子、孤児は聴覚障害の男の子(引き取られて暮らしている)。

孤児の男の子が鸚鵡を助け出して、(鸚鵡は二人組の男に捕われていた)家につれてくるところから、始まる。
「わたしゃ、だれか弁護士がいなきゃ話したくないね」と鸚鵡は語りだす。

じいさんの昔の友達は、何百冊もの数学の著作を、アマゾンの森から送ってくる。

そして、ミステリーが始まってゆく。

といった設定なのだが、図書館で借りて読むと面白さがわかるだろう。(ただ、ちょっと長い 上下二段組で480ページ余りある)

この本は数学の歴史とフェルマーの定理が絡み合っている。

フェルマーの定理については、新潮文庫からサイモン・シン「フェルマーの最終定理」というこれまたベストセラー本がでているので、合わせて読むとよいかもしれない。

フェルマーの最終定理については、ちょっと違う観点から、別の機会に考えてみようと思う。
(一般的に、整数論の観点で語られていることが多いが、幾何学との関連で見る事ができるのでは、と。圏論的な観点で)


今回は、数学の歴史にまとをしぼってみよう。

数学の歴史というと、哲学とは関係ないような感じだが、次の本では、バートランド・ラッセルの「西洋哲学史」(みすず書店)が推奨されている。

 Smith「Introductory Mathematics:Algebera and Analysis」(Springer)

バートランド・ラッセルは、若い頃に数学を勉強していて、数学から哲学へ転向し、数学者ホワイトヘッドと一緒に、
三巻の分厚い本「プリンキピア・マティマティカ」を書いたのだった。

そして、70歳を過ぎてから数回目の結婚後、生活費を稼ぐ為に「西洋哲学史」を書いたそうだ。
だから、エンターテイメント的な書き方で、翻訳を読んでも十分に面白い。

驚くのは、原書の分厚さ、700ページ以上もある。
70歳を越えたじいさんにしてはすごい体力だ。ラッセル自身、たしか99歳くらいまで生きていたのだ。
100歳近いじいさんからみれば、70歳代などはなたれ小僧か?

またまた、別の機会にゆずるが、数学の洋書は今とても面白くて美しく、楽しい本が多い。
そして、円高のおかげか、安い。日本語の本の三分の一くらいの値段だ。
そして、英語が簡単だ。辞書などいらないくらいだ。

たとえば、私の語学力と語彙力では、ヘンリー・ミラーの原書やトマス・ピンチョンの原書など
読んでもさっぱり分からないが、数学書では苦にならない。

また、小学校や中学校の教科書もアマゾンで購入できるので、もっと易しい段階から始めることもできる。

小説などは文字しかないが、数学の本には図や写真や式があって、文章が少ない。
また、専門書のレベルになると、数学の本など全部同じ形式なのだから。
つまり、定義、定理、証明しかない。
圏論の本の場合は、矢印と点が証明の中に出てくるので、他の数学書よりもっと簡単だ?

しかし、(別の機会に譲るにしては多少長めだが)数学の専門書を読むよりは、一般書のほうが
おすすめだし、紙と鉛筆もいらない。とくに、挿絵と写真が豊富な本がいい。
ただし、小説などは避けた方がいいでしょう、やはり。

ついでにいうと、数学の概念の理解は時間がかかるので、最初は分からなくても
心配はいらないようだ。
わたしなどは、この歳になって、ようやく割り算の意味が分かって来たような??

ついでに、哲学と数学との関係を面白い日本語版への序文から始めている次の本もおすすめ。

「メタマス!」(グレゴリー・チャイティン 黒川利明訳 白揚社)

引用すると「小津はこの本をどう思うだろう? 
この本を読んで小津が映画をつくり
笠智衆と原節子が、ランダム性と不完全性と生命について
じっくり考えていると想像してもよいだろうか」とある。

小津の「東京物語」が序文に出てくる数学の一般書もあるという例だ。


そして、数学の歴史について、ちょっと。

ベル「数学をつくったひとびと」三巻 ハヤカワ文庫
は面白いかもしれない。
ただ、この本は古代についてはわずかしか触れていない。
いっきに近代へリープする。

「フェルマーの鸚鵡」では、古代についても結構、じっくり触れているので、
エジプトのピラミッドの高さをどうやって計算するか、結構面白いかもしれない。

そう、そして数学の歴史というのは、何だろうか?
というのが今回の主題だった。

数学の歴史というのは何だろうか?

では次回は、どうなることか?