今回のテーマは、未払いや不払いの残業代、サービス残業を防ぐ制度
として、労働時間の考え方を紹介します。
まず、労働時間のルールは、1週40時間、1日8時間、が原則となっています。
しかしながら、時期的な繁閑の波がある事業においては、その波にあわせて労働時間を効率的に配置する必要があるため、
①変形労働時間制
②フレックスタイム制
③裁量労働制
という3つの制度が法律上認められています。
1.①変形労働時間制
これは、一定期間を単位として、期間中の週平均労働時間が週の法定労働時間を超えないことを条件として、1日あるいは1週の法定労働時間を超える所定労働時間(=就業規則で定められる始業時刻から終業時刻までの時間-休憩時間)の設定を許容する制度です。
ここにいう一定期間の単位には、
あ)1週間・・・小売業、旅館、料理店、飲食店で、常時30人未満の労働者を使用する事業
い)1カ月・・・交代制の事業、運輸業など
う)1年・・・季節労働者など
の3種類があります。
2.②フレックスタイム制
これは、一定期間の中で一定時間労働することを条件として、1日の労働時間を自己の選択するときに「開始」し、かつ「終了」できる制度です。
よく言われるコアタイムは、必ず定めなければならないものではありません。
内容は労使協定によって決められます。
3.③裁量労働制
これは、一定の業務に関して労使協定でみなし労働時間数を定めた場合、当該業務を遂行する労働者については、実際の労働時間に関係なく労使協定で定める時間数労働したものとみなす制度です。
ただ、休憩、休日、時間外労働、休日労働などの規制はおよぶので、みなし労働時間数が法定労働時間数を超える場合には、36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要となります。
この裁量労働制には、(A)専門業務型裁量労働制と、(B)企画業務型裁量労働制があります。
なお、裁量労働制に似て非なる制度として、事業場外労働についてのみなし労働時間制があります。
この制度は、労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定しにくいときは、所定労働時間労働したものとみなす制度です。
たとえば、保険会社の営業マンが顧客を訪問する場合、新聞記者が取材で外回りをする場合など、何時間働いたかわからないような場合に、所定労働時間だけ労働したものとみなす制度です。
不明な点は、企業の方は、顧問弁護士 にご相談ください。
また、労働者の方で残業代、サービス残業にお悩みの方も、弁護士にご相談ください。
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なお、法律というのは絶えず改正が繰り返され、日々新たな裁判例・先例が積み重なっていきます。法の適用・運用のトレンドもその時々によって変わることがあります。そして、事例ごとに考慮しなければならないことが異なるため、一般論だけを押さえても、最善の問題解決に結びつかないことが多々あります(特にこのブログで紹介することの多い労務問題(残業代請求、サービス残業など)は、これらの傾向が顕著です)。そして、当ブログにおいて公開する情報は、対価を得ることなくメモ的な走り書きによりできあがっているため、(ある程度気をつけるようにしていますが)不完全な記述や誤植が含まれている可能性があり、また、書いた当時は最新の情報であっても現在では情報として古くなっている可能性もあります。実際にご自身で解決することが難しい法律問題に直面した場合には、一般的に得られる知識のみに基づいてご自身で判断してしまうのではなく、必ず専門家(顧問弁護士・法律顧問など)に個別にご相談いただくことを強くお勧めします。