不況により、多くの企業が人件費を抑制するためのリストラを断行しました。


これにより今度は、企業の人手不足が生じ、少ない人員でこれまでの同量の業務をするため、一人の労働者あたり必要となる業務量は増加することは明らかです。


結果として、企業によっては従業員一人ではこなせないほどの大量の業務が発生し、本来の勤務時間以外に業務を行わせざるを得ない状況が発生しつつあります。


これに対し企業は、人件費を抑制するため、本来支払わなければならない残業代を支払わず、いわゆるサービス残業を労働者に強いているケースが増えてきています。


企業においては、残業代についての正しい認識をもつ必要があります。会社が残業代を払わない場合、その会社に対しては付加金というとても大きなペナルティが科せられます。


付加金というのは、裁判所を使って未払い残業代の請求 をするときに、未払いの額と同じだけの額を請求できるというものです。つまり、請求額が2倍になるということです!


不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。


他方、労働者の方は、残業代を請求するというのは当然の権利です。主張すべき権利は主張しても良いのではないでしょうか。


残業代は過去2年までしかさかのぼって請求できません。お早めに弁護士に相談することをお勧めします。


なお、法律というのは絶えず改正が繰り返され、日々新たな裁判例・先例が積み重なっていきます。法の適用・運用のトレンドもその時々によって変わることがあります。そして、事例ごとに考慮しなければならないことが異なるため、一般論だけを押さえても、最善の問題解決に結びつかないことが多々あります(特にこのブログで紹介することの多い労務問題(残業代請求、サービス残業など)は、これらの傾向が顕著です)。そして、当ブログにおいて公開する情報は、対価を得ることなくメモ的な走り書きによりできあがっているため、(ある程度気をつけるようにしていますが)不完全な記述や誤植が含まれている可能性があり、また、書いた当時は最新の情報であっても現在では情報として古くなっている可能性もあります。実際にご自身で解決することが難しい法律問題に直面した場合には、一般的に得られる知識のみに基づいてご自身で判断してしまうのではなく、必ず専門家(顧問弁護士・法律顧問など) に個別にご相談いただくことを強くお勧めします。