「戦争はひとの心を壊す」


講師:全国空襲被害者連絡協議会事務局次長・詩人

         浅見洋子さん

 東京大空襲の悲劇を若者たちの心に伝えようと、思いを詩に綴る一人の詩人がいる。浅見洋子さん。浅見さんは1949年の戦後生まれだが、戦前・戦中を行きた父母と兄2人、姉3人の7人は、炎の中を逃げて命だけは助かったという。けれどもその時の体験がトラウマになり長男の人生を大きく狂わせてしまった。その兄(マサヒロ兄さん)は、家族から孤立し、酒などで身体を壊していった。兄の唯一の理解者であった浅見さんは、後に東京大空襲に遭遇した家族の苦悩を世に伝えていこうという運動をすることになる。

 「大空襲三一〇詩集」に寄稿した浅見さんの詩は、戦災孤児の気持ちを伝えるとてもリアリティのある表現で、自分の兄のような子どもたちの思いを後世に伝えるべく、詩作活動が続けられた。

 浅見さんの最近の新詩集「独りぽっちの人生(せいかつ)」は、「東京大空襲訴訟」原告5人の戦争孤児が、どのような境遇に置かれたかを記している。第1章の「独りぽっちの人生―六歳の智恵子」は両親と二人の兄弟を亡くした石川智恵子さんについての5編の詩。第2章「こわれた心―一歳の幸一」第3章「うばわれた魂―三歳の由美子」そして兄についての第4章「三ノ輪の町で―八歳のマサヒロ」第5章「沈黙をすて―十二歳の紘子」第6章「六六年目のおびえ―九歳の和子」で構成されている。

 二度と空襲・空爆によってこのような悲劇が世界中のあらゆる場所で起こらないように、浅見さんのお話や多くの作品から私たちは考えよう。

 「国家の非常事態である戦争では国民みんなが何らかの被害を受けたのだから、生命・身体被害も我慢しければならない」とする裁判所の判断を盾に、政府は、空襲被害者の補償を拒否してきた。軍人・軍属には60兆円以上の手厚い援助を行っているのに、これは明らかに戦争被害者の人権侵害であり、正さなくてはならない大きな問題である。


 

■日時 : 9/28(土) 午後6時30分~

■会場 : 銀河実験劇場      

(東京都北区神谷3-19-12  TEL 03-3902-3197)

■入場 : 500円(物価上昇の折、10月から改訂させて1000円にさせて頂きます。ご理解とご協力よろしくお願いいたします。。)

 

GREEN FORUM  緑フォーラム
主催:緑フォーラム 
連絡先:緑フォーラム事務局 渡辺千鶴(090-2201-9788)