自宅付近は住宅街で、野良猫が多く、夜中に餌をやる人がいる。
夜遅く、その人はライトバンで乗り付けてやってくる。
すると、どこからかわらわらと猫が集まってきて、数十匹の猫どもに、あちこちに餌や水を配る。
暗闇でよく見えなかったが、それはどうも中年のオッチャンらしい。
野良猫たちはいつものことだが、用心しいしいそのおっちゃんと微妙に距離を置きながら、ご飯にありついている。
おっちゃんは、何時に現れるのか、よくわからない。
夜遅く、時たまその場所を訪れると、猫たちがそこここの暗闇の中に潜んでいる。
餌を待っているのか、それともこれが噂に聞く猫の集会というやつか。
猫の集会は何度か見たことがある。
たとえば夜の公園で。
ただ、てんでばらばらにいるだけである。
特別鳴き声を立てて会話している、というわけではないし、ひっそりと静かだ。
暗闇に溶け込んでいるので、気を付けないとわからない。
猫たちは、人間にはわからない方法で、ひっそりとお互いに交信しているんだろうか。
夜は生き物たちだけの、人間には知らない世界があるように思う。
たとえば、植物たちも、夜はいったい何をしているのだろう。
夜、ひそやかに植物たちは猫の集会のように、人間の知らない言葉で何か話をしたりするんだろうか。
春はガーデニングには一番いい季節。
もう少したつと梅雨があり、それが過ぎると猛暑と熱帯夜が待っている。
日中は気温が上がるが、朝晩は涼しく、ちょっと肌寒い。
そんな夜に、ひっそりと庭やベランダの草花をしげしげと眺める。
昼と夜、草花の姿が違う。
日中の明るさの中で、大きく花を咲かせても、夜になるとひっそりと花を閉じている。
日中の暑さの中で元気のなかった葉が、夜はつやつやと枝葉を伸ばしている。
少し肌寒い夜に、草花の気配を感じながら、夜の植物を眺めるのに、今はいい季節。
春からベランダガーデニングをはじめませんか。




