ERPの利用(できてる?) | Organizing KA-Zaimu

ERPの利用(できてる?)


ERPはどうだろうか?会計システム導入に失敗した経験のある会社は少なくないのでは?


必要な情報をリアルタイムで必要な部署に送るのが基本コンセプトだろう。


ERPを導入しても、イマイチ効率的に決算が組めない会社が多い。

最近、思うこと。

もし、近い将来に予想されるデータを仮送信することもできる設定があれば、決算はより効率化できるのではないだろうか。

例えば、仕入であれば、注文データに基づく検収データがあれば、請求書到着前であっても仕入を計上できる。請求書はすでに計上した仕入額を事後的に確認するための証票と位置づけるのだ。
売上であれば、通常どんな会社もそういう処理をしているはずである。(そうでなければ請求書が作成できない)
とすると、一般にいわれている、「営業の月次の締め」は3営業日以内というところの、3営業日とはいったい何か?


この3日間は、原理的には限りなくゼロに近づけることができるはずだ。
それを阻む要因は何か?おそらくそこに完璧主義があるのではないだろうか?特殊な事情でリアルタイムに処理できない、全体の1%にも満たない取引の処理が終わるのを残りの99%が待っている状態なのではないだろうか?


返品や値引などの例外処理である。


こうしたイレギュラーな取引が情報の流れを蹟止めているのである。
これを回避するには、イレギュラー事象の発生自体を無くすのが第一である。しかし、完全にゼロにはできない。そこで、イレギュラー事象は別ルートで処理することを提案したい。


すなわち、99%の確定情報でもって、4月1日に決算を締める。一方で、返品、値引き、単価訂正その他のイレギュラー事象はその有無のみを把握しておき、確定時に追加の決算修正仕訳を起こすのである。
イレギュラー事象をのぞいて処理する影響がが財務諸表全体に及ぶほど重大であればそうは行かないが、私の経験ではたいていの場合、後からいくらでも修正できるものである。


そもそも、会社法や金商法に基づく企業会計は絶対的な正確性を求めるものではない。営業活動においては債権債務の金額、税務計算においては課税所得のみが、合理的な範囲で正確性を要請されるにすぎない。

もう少し言うと、イレギュラー事象に関して発生する債権債務は相手先ごとに確定額に修正し、見合いの勘定が複数になる場合は合理的な基準で配分することで足りる。


ポイントは、イレギュラー事象は定性情報としてしっかり把握した上で、未確定のまま決算をいったん締め、イレギュラー事象の金額が確定してから追加の決算修正仕訳をおこすのである。すべてを一段ずつ積み上げる必要はない。


もう一つ、決算を一日で締めるためには原価計算と(見積の)税金計算を一日で行う必要がある。これは大変な作業に思える。しかし、原価計算も税金計算も一種の計算にすぎない。計算はコンピュータが行うので、重要なのは必要な情報を収集しておく仕組を作ることである。そして、この時点で必要な情報を絞り込んでおくことである。


例えば税金計算は別表四と別表五(1)の概算があれば決算は締められる。他の別表や明細は決算が確定後に空いた時間で作るのが効率的だ。決算で大忙しの時に税金を払うために貴重な時間を使う必要はない。


原価計算についても、たいていは予定価格を用いているだろうから、原価差異を分かりやすい基準で配賦してあげるだけでよい。(そのためにも、予定原価は正確に作り込んでおいて定期的に検証が必要である)

計算が必要になるのは、明確な答えがなく仮定計算によらざるを得ないからである。したがって、どんなに精緻に計算しても絶対的な真実には届かない。であれば、完璧主義は捨てて、シンプルで分かりやすいのが良い。


迅速化の決め手は、①効率的なスケジューリング、②必要な情報の絞り込み、③取引仕訳のタイムリーな反映、④イレギュラー情報の把握、⑤原価計算と税金計算の簡略化と整理できる。


ERPによって実現できるのは③。その他はオーダーメイドで作り込みが必要だ。
ERP導入支援をしつつ、トータルサポートできるツールがあれば、需要はあるのではないか?


会計システム導入に失敗した経験のある会社は少なくないのでは?

もちろん、効率化によって経理コスト削減という効果はあるが、それ以上に良いのは、経理のわかる人材が、財務諸表分析等を通じて、経営企画的な仕事に関わることができるてんである。


経理部は、ともすれば、内向きで、専門的要素が強く、会社全体やビジネスについて理解が意外と不足しがちだ。しかし、非常に真面目な人材が多いのが一般的な特徴だ。
このような人材が全社的な視野とビジネス感覚を身につけ、経営にとって有用な情報を上げることができれば、その効果は非常に大きなものとなる。


システムとシステム導入コンサルは、単なる経理業務効率化のための投資ではなく、経営企画力のアップと数字に強い経営幹部候補の人材育成への投資と考えることができる。