今日の飲みもの
鉄分を欲していました
今日のひとこと
〜読書記録。
浅井リョウ「正欲」を読みました。
ひさびさに読んだ浅井リョウ氏。
文章がとても読みやすいですね
性的マイノリティ(の中でも想像を超えるマイノリティ)として、生きづらさを感じる人たちの絶望、苦しみ、もがき、葛藤を描きながら、
多様性だダイバーシティだ、と叫んでいる今の社会が、いかに偏見に満ちた「多様性」「ダイバーシティ」であるか切り込んでいます。
真の多様性というのは、自分が理解も想像もできない、隣にいて「気持ちが悪い」と感じるような存在を認めることではないか、
というような表現があって
ぐさっときました。
でも、いろんな立場の人の視点がかわるがわる
描かれている形ではあるものの、
性的マイノリティの登場人物たちの、
世間に対する苦しみ・憎悪のパートが強くて
前面に出過ぎていて、
読んでいる側は徐々にしつこく
責められているような気持ちになります…
たったひとつの秘密
(性的マイノリティであること)を隠すために、
すべての人生の幸せの要素が得られない
(友情とか、家族とか、仕事とか)
というのは人によっては真実かもしれないけれど、
もっといろんな濃淡があって
わかり合いたいと思う人や、
グレーなところで希望を繋いでいる人たちだっているのではないかな?
(そういう登場人物も出てはくるのだけれど、少し存在感が弱めに感じました)
…とこれも、自分がマジョリティだと思っている人間の高みからの意見になるのかなぁ
いろいろと考えさせられ、
映画化も気になる作品でした。