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Rain 49

 

 

 

 

 

【 総二郎 】

 
 
『え?』
 
驚きと躊躇いとで、彼女の動きが止まる。
 
刹那、俺は、
握り締めていた彼女の腕を引き寄せ、そのまま下腹部へと導いてやった。
すると必然、彼女の掌は、
自身の 「秘密の場所」 へと、翳されるコトになる。
 
『な… っ!』
 
瞬間、此れから為されるコトの 「意味」 を知った彼女は、
俺の拘束から抜け出ようと試み、抵抗の意思を見せるが。
 
『ダメだ… って』
 
俺が即座、その甲の上に自身の掌を重ね、
彼女の掌が蜜泉に浸るよう抑え込んだことにより、その逃げる術を失い。

… 結果、彼女の指や掌は、泉より溢れ出る蜜にまみれ、
周囲の草叢共々、ぐっしょりに濡れていく。
 
『あ… や… っ!』
 
『や… じゃ、ねぇよ。  此れで見えなくても解ったろ?
 お前の身体が、どう、反応しているのか』
 
『西門さん… っ!』
 
『それに… もっと、教えてやる。
 お前自身も知らない、お前の身体のコト…』
 
『え?』
 
そう囁きかけながら、俺は、
戸惑う彼女の指先を、更に奥へと 「誘導」 する。
 
『此の濡れた指先を、な?  傍らの此処… ちっちゃい粒があんだろ?
 此処に… こうして』
 
『!!  あ… ああっ!』
 
彼女の指先と俺の指先を、弄るように絡めつつ、
泉のほとりにひっそりと佇む… 花蕾のような 「器官」 を刺激して。
 
「蕾」 を蜜で濡らし…。
それにより柔らかくなった 「花弁」 を、優しく捲り。
 
… 露わになる 「花芯」。
 
それを、俺の指先で… また、彼女の指先で、
代わる代わる… 繰り返し繰り返し。

 
… 嬲り、甚振り…。
 
程なくして彼女のカラダは、
その 「中心」 から波状的に、硬直、痙攣を魅せ始めて。
 
『やあっ!!  止めて… ダメ!  西門さん… っ!!』
 
そして絶叫と共に、背を反らし… 全身を震わせ。
 
一頻り、昂りの頂点に達した姿を晒した後、一気に 「力み」 を解放し。
 
… 冷たい床地へ。
脱力したカラダ… 静かにゆっくり、落としていった。
 
『… はあ、はあ…』
 
暗闇の中、彼女の荒い、呼吸音だけが響く。
 
しかし俺は、間髪入れず、
重なり合ったままになっている掌を、再びキツく握り締め。
 
『まだ… だ。
 まだお前には、知っておいて貰わなきゃなんねぇコトがある。
 今ので、お前がどれ位こうされるコト… 望んでいたかは、
 自分でも解ったろ?』
 
『……。  … 西門さん…』
 
彼女は返事の代わりに、甘い声で俺の名を呟き、
俺の問いに対し、同意の応えを示した。
それを認知しつつ、俺は彼女の耳元に向け囁きを続ける。
 
そして…。
 
『だけどな… お前だけじゃない。  この 「時」 を、待っていたのは…』
 
『え…?
 ……!?  … 西門さん!?』
 
『… おい… 逃げんな。  … きちんと 「触って」 ろよ』
 
『西門さん…!』
 
… 握り締めていた、彼女の掌。
未だ湿り気を帯びるその掌を、俺は続け様、
今度は自身の昂ぶった 「半身」 へと、導き被せて。
 
… 硬く起立した、俺の 「半身」 に、
彼女の肌の温もりと、愛蜜の滑りとが… 徐々に絡まっていく。
 
『解るか…?
 お前だけじゃない… 俺だって、ずっと、ずっと。
 この 「時」 を… お前の 「カラダ」 だけを欲していたんだ…』
 
『西門さん…も?』
 
『……』
 
控えめな声で囁かれる、彼女からの 「確認」 の問いかけに、
俺は応えを返さず、無言のまま、自身のカラダだけを起こした。
 
瞬間、彼女の掌が 「半身」 から離れそうになるのを、
俺は慌てて留め、確りと握り直させる。
 
『……!  西門さん…?』
 
『ダメだって… 言ってんだろ?  きちんと 「掴んで」 ろ、俺のコト。
 ちゃんと… 感じてよ』
 
『感じる?』
 
『今の俺が、何時ものちゃらけモードじゃないってのは… わかんだろ?
 こうして全身でお前のコト求めて… 気持ち、曝け出して。
 ……。  不安になんか、なるな。
 こんな 「俺」 を知ってんの… お前だけなんだから。
 本音… 解れよ』
 
『あたし… だけ?』
 
『そうだ… お前 「だけ」 。
 だから… ブレんな。  俺の 「ナカ」 を確り見ろ。
 此の先、何があろうと、
 こうなった俺の気持ちは、変わるコト… ぜってー、ねぇ。
 それだけは… 断言できるから』
 
『……』
 
言葉を交わし合いながら、俺はそっと彼女の背に腕を差し入れ。
その身体を、ゆっくり静かに抱き起こしてやる。
 
上着一枚だけを敷いた冷たい床の上に、俺達は向かい合うようにして座り。
 
そして…。
 
『… さみーよ、つくし。  「俺」 を 「お前」 で… あっためてよ』
 
『……。  何言ってんの、西門さん。
 さっき言ってたのと違う… そんな、女の子口説く為の常套句。  
 未だあたしにまで、使ってくるなんて。
 やっぱりその 「ちゃらんぽらん」 ぶりは、そうそう抜けそうにないね』
 
『ば~か。  此れで最後だ。
 こんな口説き文句… 使うのも。  他人に聴かせるのも… な?
 ちゃらんぽらんも、返上。  記念の 「ラストナンパ」 だぜ?
 … 恭しく受け取れよ?』
 
… そんな、冗談とも本気ともつかない、やり取りを交わしている内、
俺の 「想い」 が彼女に伝わったのか。
 
『ふふ…。  何… それ…』
 
彼女は、そう… 笑顔で呟きつつ。
そして、今度こそ 「自分」 から俺に向かい、
ゆっくりとカラダを、近寄らせて来て。
 
淡い吐息… 微かな熱を、俺の肌に感じさせながら。
唇への 「キス」 … 求めて来る。
 
……。
 
深く… 柔く。
舌… 絡め合い。  互いの熱、唾液… 混じり合わせ。
 
其処から、ふたり… ひとつに蕩けてしまうかのような。
 
甘い… 「口付け」 を。
 
……。
 
『… つくし。  挿れて… 欲しい?』
 
口付けを解き… それでも名残惜しさからか、
互いの唇… 触れるか触れないかという程の近距離で、
俺達は、囁きを続け。
 
『… うん。  … 欲しい。
 ……。  西門さん… は?  
 西門さんは、あたしのコト… 抱きたい?』
 
真っ直ぐな… 彼女らしい 「答え」 と 「切替し」 の言葉に、
込み上げてくる、笑い… そして、
やっと彼女に会えたのだ… という実感を、俺は味わい。
 
『くく… 言わせんのか?  俺にも?
 ホント、お前って… 「欲張り」。  
 俺から何度も、聴きだそうなんて… ずうずうしいにも程がある』
 
『だって… 何度だって、聴きたいもの。
 なかなかココロの内を明かさない、西門さんの 「本音」。
 … もう、あたしにしか言わないんでしょ?
 溜まらないように… いくらでも聴いてあげるから』
 
俺に向かい発せられる、彼女独特の 「牧野節」 は、
俺を惹きつける発端となった、あの海辺での彼女の 「告白」 を思い出させて。
 
… つられて吐露させられてしまう、俺の 「本音 (ココロ)」。  
 
『… ったく、モノは言いようだな。
 でも、確かに。
 俺だって、此の先ずっと 「オアズケ」 くらうのも、イヤだしな。
 ……。  言ってやる。  お前、だけに… だ』
 
『……』
 
『… 抱きたい。
 つくしの 「ナカ」 に… 「此れ」 を、射れたい…』
 
……。
 
俺は、囁きを寄せながら、
俺の半身に触れる彼女の掌に、自身の掌をそっと重ねる。
 
そしてもう一方の腕で、彼女の腰を深く抱き留めると、
刹那、その腰を一気に引き寄せ、
互いの股間が触れる程の位置迄、移動させた。
 
『… あ!』
 
突然のコトに、彼女は瞬間、頓狂な声をあげるが。
 
間も無く… 自ら腰を浮かせたかと思うと、
その後、握り締めていた俺の半身を、自身の意思で誘導し始め。
 
『… つくし…』
 
… 泉の在る 「窪み」 に、ゆっくりとあてがう…。
 
『… ん… っ』
 
『… く… っ!』
 
… 彼女の導きにより、
徐々に深淵へと埋まり行く、俺の 「半身」。
 
滔々と溢れる蕩蜜の滑りと、纏わり付くような彼女の内襞の感触が、
「其処」 から全身へと、慄きのように伝わって。
 
… 視覚と感覚から、煽られ続ける 「昂揚」。
 
……。  ダメだ…!  
… 耐えらんねぇ… っ!!
 
『……!  ん… あぁっ!』
 
遂に俺は、堪えきれなくなり。
 
彼女のカラダを、下から突き上げるようにして犯し、
乱暴とも取られる所業で、掻き抱いた。