桜の記憶  prayer 16





『やっ…!』


刹那、つくしは驚愕から叫びにも似た声をあげ、大きく背を逸らした。

…と同時、類は浮いた背中とベッドとの間に腕を回し、つくしの上半身を抱き上げる。
そして、そのままつくしを自身の膝上に座らせ、再び指先を草叢の先の泉にまで侵入させた。

既に其処は、泉より溢れ出る蜜にぐっしょりと濡れて… 傍らの蕾も其の滴に浸り、更に膨らみを増しているようだった。


『ん… っ…』


泉の縁をなぞるだけで、つくしは官能の姿を見せる。
其の姿を見止めながら、類は唐突に、自身の指を泉の奥へと沈めた。


『きゃあっ!!』


其の刺激に、つくしは今度こそ叫び声をあげる。
そして類の頸元に抱き付きながら、カラダを小刻みに震えさせた。


『… どうした?』

『る、い…』

『何…?』

『… 怖い』

『怖い…?』

『類に触られるだけで… 苦しい。
 あそこも熱くて… カラダ… ジンジンする…』

『……』


事実… 類が指を沈めたつくしの其処は、まるで処女の其れかと思う程に狭く、キツく… しかし、類の指に絡む蜜、そして襞は、熱く、柔く…。

小さく息を切らせながら肩先に凭れるつくしに、類は小声で囁きかける。


『大丈夫だから… チカラ、抜いて?
 俺に全部、預けて…』

『類…』


そしてそっと、つくしの頬に唇を寄せて… 誘われる様に類の方へ顔を向けたつくしの口元に、淡いキスを落とした。

… つくしのカラダが、急激に脱力する。
伴い、泉の襞も微かに緩みを魅せた。


『うん… 上手。
 こうすると… どう? 平気…?


類は泉の蜜を掻き出すように、中で指をくねらせ襞を擦る。


『ああっ!』


一瞬にして、再び絞まるつくしの膣。
恐ろしい程の快感が つくしを襲い… 其の昂揚から逃げようと、つくしは腰を捻らせ、類の腕ごと挟み込んで股を綴じようとする。
しかし、綴じきることは出来ず… 類の指の動きに合わせ湧き起こる官能に、カラダを震わせるしかなかった。

… 類の肩に、つくしのたてる爪が食い込んでゆく。


『ね…? どう? 感じる? 俺の指…』

『… どうって…。 ひどいよ… 類』

『何が?
 俺を欲しがったのは、牧野でしょ?
 … ねぇ… 気持ちいい?』

『……』


… 気持ちいい …?

カラダ… 感じてる?


下腹部に溜まる緊張。
秘めた場所は、熱く痺れて…。
手も足も… 爪の先まで、全身が震える。

触れられているだけなのに… 身体の「芯」に刺激が溜まって。
発散させてしまいたいのに、次から次へ波うつようにくる快感が、其れを許さない。


それに… 胸が熱い。

肌では無くて… 心。


… 心臓が激しく、鼓動を打ち続けて。
呼吸は乱れ、息つくコトも出来ず。
ただ喘ぐように、言葉が迸り…。

得体の知れない「何か」が、体の奥から膨らみ起こり、喉元まで圧迫する。

とても苦しくて… 意識までも、途切れそうになる程… それなのに止めないで欲しいと… ずっと触れていて欲しいと思う。

… 耳たぶを甘噛みしながら、囁き続けられる声。
カラダの中をかき乱す、しなやかな指。
しっとりと密着し、熱を伝えあう肌…。


… 全て、相手が「類」であるから、こうして感じるのだ…。


『類… 気持ち… いいよ。
 … んっ…。
 なんだか… 昇っていく感じ…』


つくしは類に全身を預けながら、息も絶え絶えに呟く。
そして類は、そんなつくしの前髪や額… 頬や唇に軽いキスを落とし…。


『… 昇ってる?
 じゃあ今から、一番高いトコ… 行かせてあげる』


そう囁きつつ、泉から抜いた指を傍らで膨らむ蕾に、ツッと小突くように押し付けた。


『は… うっ!』


刹那、つくしは身体を硬直、そして収縮させる。
小さな体は小刻みにに震えながら、類の腕の中にピタリと収まり。
そのまま球体を転がすように、ベッドへと仰向けに寝かされた。


… 再び類の前に晒される、つくしの肢体。

類はつくしの足元に身体を移動させると、両膝に掌を置きゆっくりと開脚をさせた。


… 類の前に、つくしの秘めた場所が露わとなる。
先ほど指先で愛撫していた蕾が、水蜜の中…「八重の華」を綻ばせていて。


『…… わ… 』


思わず類は、感嘆の声をあげた

… つくしの両掌は、シーツをキツく掴む。
頬は紅潮し、唇は歯牙にキュッと噛まれ。
… 秘匿を覗かれた、其の恥ずかしさを、必死に堪えている様に見える。


しかし次に起こした類の行動が、更につくしの羞恥の心に拍車をかけた。

類はつくしの「華」に突然唇を寄せ、其の周囲に滴る蜜を舐め上げ始めたのだ。


『あっ! や… だめ!!』


つくしの背が反り返り、類の愛撫から逃れようと下半身を浮かせる。
それを類は、腕を伸ばし腰を抱き押さえて、止めた。


『ダメって、何?』


類が舌を這わせ続けながら、尋ねる。


『だって… 汚い…。 あぁっ…』


羞恥と官能で身を悶えさせ、声を震わせながらつくしは答えを返すが。

しかし類は、其の言葉を無視し。
泉の淵には、舌先を蠢かせ… 幾重にも重なる花弁には、泉から溢れ出る蜜で濡らした指先を当てがい… 嬲り…。

すると蕾は、はち切れんばかりの膨らみを魅せ、更に刺激を欲しているかのように、紅色を誇張させる。
花びらは蜜に濡れ、ルームライトの光を受けることで、更なる煌めきみせて…。


… つくしの「此の場所」は、まるで花園のようだ…。


『… 汚い?
 あんた、見たことないから… そう言うんだ。
 こんな綺麗なモノ… 俺… 初めて見た。
 朝露に濡れた、華みたいだ…』

『……』


優しい愛撫を続けながら囁く類の声を、つくしは遠のく意識の中で聴いた。

… 緩やかな海の波に、浮かぶ心地良さで…。



『… 牧野?』


呼ぶ声につくしは、ゆっくりと瞼をあげる。  
視界に、類の唇が近づいてくる…。

… 瞼に、軽く触れるくらいのキスを落とされ。


『類…? あたし…?』

『ひとりで別の世界… イッちゃってたみたいだよ。
 … すげー、可愛かったけど』


囁きながら、つくしの顔にかかる髪をよけ、後方に梳き上げて。

類の指先が耳元に… いや、素肌に触れるだけで、つくしのカラダは小さな身震いを起こす…。

 
… 類を感じ続ける、つくしのカラダ。


… あたしの身体は、なんて素直なのだろう。

司に抱かれた時には感じたことのない、昂揚感…。


… ココロとカラダとが、比例し続けている…。


……。


類の唇が、つくしの耳元に寄せられる。
つくしは静かに、類の呟きを待った。


『… あんたと、ひとつになりたい。
 … 挿れるよ…?』

『……』


重なって居た類のカラダが、ゆっくりとつくしの元から離れてゆく。
間も無く其の「存在」は、つくしの足元へと移り…。

… つくしの開かれた脚間に入る、類の均整のとれた身体。
其のビジョンに、つくしは美しい絵画を見ているような錯覚を覚えた。

それくらい、こうして繋がろうとしている「今」も… 類の動きは、とても綺麗で。
… つくしの心と身体を、酔わせていく。


『… 類…』

『… ん?』

『早く、あなたと… ひとつになりたい』

『… うん』





※  ごめんなさいあせる 昨夜は寝落ちしてしまいましたえーん そして今夜も…まだ一線を超えない笑い泣き 待ち焦がれた夜なので、ふたりとも堪能しているというコトで(何を?)どうかお付き合いくださいおねがい 感想コメント・いいねポチ頂けると励みになりますウインク よろしくお願いいたしますクローバー