桜の記憶  prayer 15





類の唇は、つくしの下腹部から脚の付根… 大腿部に向かい、緩やかに降りて行く。
… 伴い、類の濡れた舌先も、つくしの肌を伝い。
下着が脱がされたつくしの下半身には、類の戯れの「軌跡」がはっきりと残されていた。

完全な裸体となったつくしが、真白のシーツに横たわる姿…。

類は一度愛ぶコトを止め、ベッドから降り立つ。
そしてベッド脇に立ち、無言のまま其の姿… つくしの素裸を眺め見た。

… 脚膝を内側に曲げ、秘部を隠し。
右掌は羞恥心を堪えるように、キュッとシーツを握る。
左腕は双胸に置かれ、全身を晒してしまう事への抵抗を示して。
全身を薄紅色に染め… 更に頬を紅潮させて…。

類は自身が身に纏うモノ全てを脱ぎ捨て、ベッドの端に腰を下ろす。
そして、つくしの胸にかかる掌を外しながら、其処にそっと、キスを落とした。


『類… あまりじっと見ないで…』


つくしは類に視線を送り、懇願する。


『… なんで?』

『なんでって… 恥ずかしいよ…』


そんなつくしに、類は隣に横になりつつ前髪を梳き上げてやりながら、呟きをかける。


『… 恥ずかしがらないで。
 あんたは俺の半身だよ…?
 そして俺は、あんたの一部だから。
 俺にはあんたの「すべて」見せて…』

『… 類…』


それでも羞恥の思いは、つくしのココロに在り続ける。
つくしは類の胸元に身体を寄せ、必死に顔を隠そうとした。

… 昂揚し逆上せあがっているであろう今の顔を、類には見られたくない。


『だめ… 顔、あげて…』

『……』


しかし耳元に優しく、促しの言葉を囁かれ… 仕方無くつくしは、ゆっくりと顔を上げた。

見上げた視界に入るのは、長い睫と、其の奥で潤い煌めく、薄茶色の瞳。
慈愛の微笑を浮かべた口元は、つくしの唇に徐々に近づいて来ていて。

艶やかな類の唇… 思わずつくしは、其の行為を待ち焦がれていたかのように自分から顎をあげ、唇を受け入れた。

… 恥ずかしいなどと云う「想い」は、何時の間にか消えて。
互いの口元を濡らし、徐々に熱くなる口づけ。
舌を絡め、息つくコトももどかしく…。

その間にも、類の指先はつくしの背中を刺激し。
もう片方の掌は、胸の膨らみを包み込み… また揉みあげながら、頂の蕾を甚ぶる。

… 背中を撫でていた指先が、徐々に下半身へと降りてゆく。
そして、横に逸れた指先が脇腹をツッと撫で上げた、瞬間。
つくしのカラダは面白い様に跳ねあがり、その反動でふたりの唇は離れていった。

… 類が小さく笑う。


『… 凄い反応。
 あんたホント、感じやすいね?』

『からかわないでよ…』

『ばか… 可愛いって言ってんの。
 俺のするコト… 応えてくれる、あんたがさ?』


呟きながら胸の蕾を口に含み、舌の先で舐め始める。
瞬く間に、濡れて煌めく蕾… あとは開花を待つだけというように、膨らみ立つ。

… 掌は、下半身の丘に辿り着き。
丘陵の柔らかな草原を、類の掌が滑らかに擦り撫でていく。

不意に丘陵の窪みに沿い、一指が滑り降りていった。


『あっ…っ』


同時につくしの口からは、感嘆と思しき甘声が漏れ。
肢体は類の指から逃げるように、湾曲を描いた。

… 類の指が、窪みから離れる。

しかし類にとって、つくしのそんな動きは想定内であったのだろう。
もう一方の腕を素早くつくしの脇に滑らせ、腰を搔き抱くと、華奢なつくしの腰に、其の腕をキツく巻きつけた。


… 密着する裸体(カラダ)…。

互いの熱が、更にふたりのカラダを、溶けあわせる…



類の唇が、再び胸から下腹部へと降りてゆく。


『類… や…。
 やっぱり、恥ずかしい…』


羞恥の心からか、瞼をキュッと閉じ声を震わせながら、つくしが呟く。
類はつくしの掌を軽く握りしめ、戯れを止めずに囁きをかけた。


『あんた…すげー綺麗。
 恥ずかしがるコト… 何もないよ?』


唇を降下させながら、つくしの体を仰向けにさせる。
つくしもまた、素直に類の指示に従い…。

類は、つくしの脚の付け根に沿いゆっくりと舌を這わせてゆく。
そして、左右の脚を統べる下腹部の丘陵に辿り着くと、その草原にそっと口づけをした。

… が、此処で突然、再び類の身体がつくしから離れる。
握りしめていた掌も解かれ、つくしは不安から解放された掌を空に舞わせ、類を求めた。


『… 類…?』


名を呼んだ瞬間、瞼に柔らかな温もりが触れる。
其の淡い刺激に触発され、つくしは浅く、瞳を開いた。


『あんた… 緊張しすぎ。 力、抜いて…?』   


… 小さな笑い声と、呟き。
開けた視界の先には、つくしを見つめる類の優しい眼差しがあって。


… 薄茶色の瞳。
此の琥珀色の部屋では、更に其の色彩が映えて。
ガラスのような煌めきと、清澄な透明感を魅せている。

次に見えたのは、口元… 形の良い薄桃色の唇…。


……


そうだ… あたしの「カラダ」は、今…

此の瞳に見つめられ… 此の唇に愛されているのだ…


……
 

「… トクン…」


つくしの鼓動が、一際高まる。
身体の奥の「何か」が、また疼き始めている。


… あ。 … あたし。  

今、類を… 欲している。


ココロもカラダも… 類に、抱かれたがってる…。


……


つくしは自ら類の首に抱きつき、口づけを求めた。 
自分から深く舌を絡め、類の口腔を浚う。

突然のつくしの行為に、類は一瞬瞳を丸くし、驚きの表情を見せたが。
次の瞬間には想いを返すように、強くつくしを抱き締め、熱いキスを重ねた。


唇が離れると同時、つくしは瞳に涙を溜めながら懇願する。


『類… また体が、変…。
 凄く、類を… 欲しがってる…』


その言葉を受け、類は無言でつくしの身体に手を伸ばした。
先ほどキスを落とした草原の奥… つくしの秘めた場所に指先を挿し入れる。


『あっ… っ』


草原の中にある固い蕾に其の指先が触れると、つくしはカラダを硬直させ、類の背に置いた掌に力を込めた。

… 更に奥へと進む、類の指先。
間も無く其の先端は、蕾の傍らにひっそりと湧き出る、花蜜溢れる泉に到達する。





※  わはは爆笑 わはは笑い泣き わはは…ガーン すいません、こんなの描いてえーん まだまだ此の先もございます。 どうか呆れずお付き合いくださいあせる よろしくお願いいたしますおねがい