諸行無常 | 人生は旅 

諸行無常

30年来のお付き合いがある先輩が猛暑の中を訪ねてくれた。もう60代後半になるが、バリバリ仕事をしている。先日も、タイ、インドネシアに行ってきたという。


ふと思うことがあるとき、開く本がある。『少年少女の仏教』(朝日新聞社刊)。中学生向けの仏教入門書だ。浅学の私にとっての座右の書だ。


“諸行無常”という仏教思想の根本的なものがある。「すべて(諸)の存在(行)は、常ではない(無常)。つまり、この世に存在するすべてのものは、同じ状態を保つことなく移り変わっていき、永久不変のものはない、ということだ。


アメリカ大リーグの、二人のスターの去就が告げられた。MVPを取り、数々の新記録を打ち立て、10年以上に亘って日米のファンを唸らせ、慣れない新天地で大活躍したスーパースター。ピークがあればゴールもあるということをまざまざと見せつけられた出来事だった。


この入門書には、こうも書いてある「栄えるものが滅びるだけでなく、栄えていないものが逆に栄えることにもなる」。“常でない”ということは、また新たなスタートでもあるわけである。終わりはないということにもなる。


明るいうちから、先輩と呑んでいたら、提灯をもった通り会や町会のお偉方が、通りかかった。「河野さん、来月の盆踊り、提灯一個、広告付き合ってよ!」。二つ返事で了解。一個二千円也。そのやりとりを見ていた先輩いわく「お前も村人になったんだね~」。


そう、ここはある意味ひとつの村なのだ・・・・・・・・・・