瀬名 秀明
デカルトの密室

主人公は科学者 尾形祐輔の作ったロボット・ケンイチ。世界的な人口知能コンテストに参加するため、メルボルンを訪れていた尾形祐輔は10年前失踪した天才科学者 フランシーヌ・オハラに会う。そこで見たものは、フランシーヌと彼女そっくりのアンドロイドだった。そこで起きる、尾形祐輔の誘拐事件、そして、フランシーヌが公衆の面前で殺される。しかも、その犯人はケンイチだった。。。。ここで言うデカルトの密室というのは、人間の(この小説では人間と限定されないが)自我は、その肉体の虜であり、その外には出られないということだと思う。

それにしても、ロボット工学を始め、脳認知学、哲学(と言ってもデカルト哲学のみ)、AIと小難しい話がちりばめられている。そういう話が興味あるならいいのだが・・・・。戻ってストーリーはと言うと、まったくシンプルで、シンイチがフランシーヌを殺したという事実は最後まで変わらない。フランシーヌがどうやってシンイチに殺人を犯すよう仕向けたのかという事実に関しては、フレーム問題ということで片付けられている。また、フランシーヌの動機もいまいちはっきりしない。途中から出てくる真鍋浩也もその役割がはっきりせず、うーんどうなの?という感じ。結構厚くて長い話なのにすっきりしない。なんかとっても損した感じです。