櫻葉妄想です。ご注意ください。

(というかとてもとてもお久しぶりでございます。もうお話の書き方とか忘れてしまって…お目汚しですがお付き合いくださいまし。)


・*:.。. .。.:*・♡



もう正直。

俺のライバルは小峠さんまでで精一杯だと思ってた。

思えば小峠さんだって、番組の共演を機に突然現れた。

あの人もそうだ。

それまでそんなに接点なんて無かったのに。

あのおにぎりのドラマで共演したばっかりに…。


なんだよ、自分だけ見てほしいとか、下から顔を覗き込んだりとか、めちゃくちゃ真っ直ぐ見つめて話すとか…。

そんなんされたら、された相手はイチコロだっていい加減気がついて欲しいのよ。俺としては。


「…しょぉちゃん?どした?」

って鼻にかかった甘い声とともに真っ黒で丸い目が俺の顔をのぞきこんだ。


「!!」

ほら、簡単に心臓が跳ねる。自分で聞こえんのよ、ドキッて。


「なにみてんの?」

「え?」


やましいことなんて何も無いのに、一瞬スマホを隠しそうになるけど。

いや別に雅紀と浮気相手との隠し撮りを見てたわけでもあるまいし。そもそも浮気じゃねぇし!!

あれだろ?ほら、素直にヤキモチ妬いたって言やぁいいじゃねぇか。


「…これ」

「ああ!てぃっくとっく!見てくれてんの?しょぉちゃんありがと」


なんて可愛い笑顔を返されたらさぁ…言おうとしてたちょっとした文句も引っ込みそうになる。


「………あのさぁ、雅紀」

「ん??」


ほら、それだよそれ!

丸くて可愛い目で俺を見ながら小首傾げるとかずりぃんだよ!


「…なんでもないっ」


お願いだから、俺だけの雅紀でいてよ。

正直に言えばいいじゃねぇかなんて思ってたくせに、いざとなるとなんか器がちっちぇみたいな気がして。

本音がこぼれないように慌てて雅紀の頬に唇を押し付けた。


一瞬びっくりしたみたいに目を丸くした雅紀がくふふと笑って、

しょおちゃんだいすき

って言う。


そんな一言で、小峠さんとかえなりくんに抱いていた黒っぽいもやもやが晴れてくんだから、全く我ながら仕方ない。

もうね、負けよ。完全に負け。


「俺の方が大好きだと思うよ?」


そんなの、雅紀だって知ってんだろ?


俺の言葉を受けて微笑む雅紀は、何にも分かってないみたいで何でも分かってるように見えた。


悔し紛れに引き寄せた体は、相変わらず俺より高い体温で、これが幸せの温度なのかなぁ、なんて思ったんだ。


♡ おわり ♡