にのあい妄想です。

お気をつけて。


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「……まぁくんは。どうして?」


ほんとにどうして?

どうしておれに触ってくれたの?

おれの頬に添えられたままになってるあいばさんの大きな手が逃げていかないように、自分の手を重ねた。


「そりゃ。 …触りたかったから。だめだった?」

「だめじゃないよ。」


うれしいよ。


「よかった。」

「……もっと。 触ってみる?」

「へ!?」


入口やきっかけはなんだっていい。

あいばさんが欲しいんだよ。

おれのものになってもらいたい。

そんな気持ちをもう抑えられなくて。


あいばさんのもう片方の手に、手を伸ばした。

そのまま手を取って、おれの空いてる方の頬に持っていった。


「…っ」

あいばさんの喉がごくんとなるのがわかって、ちょっとうれしい。


「…まぁくんだって、赤いじゃん」

ってあいばさんの目を真っ直ぐ見つめた。


「…だって、カズがかわいいから」

「んふふ、ありがと。」


あいばさんが、おれの頬にある手を少し下にずらして、小指を顎にかけて、気持ち上を向かせるから、めちゃくちゃドキドキしてくる。


「………イヤだったらけりとばして」


って呟いて、少しずつ近づいてくるあいばさんの顔をずっと見ていたいって思った。

だって、初めて見る顔だったから。


前、勝手にキスした時は、あいばさん寝てたから。


こんな色っぽい顔、初めて見たんだ。


だけど。

もう、胸がいっぱいになっちゃって、言葉が出ないから。


イヤじゃないって伝えたくて、ゆっくり目を閉じた。


目を閉じてすぐ。

柔らかくてあったかい唇がおれのに触れた。


自分でもびっくりするくらい、全身がきゅんとして、甘い痛みが走る。


うわ…キスってこんなだった?

知らないよ。こんなの。


どのくらいの時間経ったのかわかんない。

短いのか長いのかもわかんなかった。


あいばさんの唇と手が離れていく。

どんな顔していいのかわかんなくて、思わず俯いた。


そんなおれの頭の上からあいばさんの優しい声が降ってきたけど。


「……ごめん」

「!?」


どうして謝るの?


おれは怖くて顔をあげられなかった。