にのあい妄想です。

お気を付けて。



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あいばさんがソファーの横でジャケットを脱いで、ネクタイを緩めて、袖のボタンを外す。


…!

わ、ちょっと…なんていうか。 無造作なのにセクシーっていうか!

目に毒だ!!


あいばさんに借りた着替えを抱えて、洗面所に逃げ込んだ。


「…ふぅ~」


やばい、すっごいどきどきしてる。

おれはあいばさんを外見で好きになったわけじゃないと思ってるけど、外見もめちゃくちゃ好きなのか…。


それにしても。

これから袖を通す着替えが、洗ってあるとはいえ、あいばさんが着てたやつだと思うとどきどきする。


着てたものを脱ぐと、自分のお腹とかが目に入って。

もう少し、鍛えようかな。なんて思う。


貸してくれたTシャツを広げてみたら、やたらとでかい。

あー、あいばさん、わりとダボッと着たりすんのかな。

この前一緒に出かけた時は、そんなにだぼだぼしてなくて、体型が分かるくらいのTシャツで、それはそれできゅんとした。


それにしても、おれにこれを貸すのは選択ミスじゃないのか?


案の定、着てみたら袖も丈も長い。


っていうか、借りたスウェットパンツの丈も長い。

でも、長ズボンでよかったかも。

短パンだったら、裾がTシャツからちょっと覗くくらいになって、ワンピース着てるみたくなっちゃったかもしんない。


あいばさんは着替え終わったかな…なんて思いながら洗面所を出ると、すっかりTシャツと短パンに着替えたあいばさん。


「あいばさん、着替え、ありがと。スーツどっかに掛けさせてもらってもいい?」


ってあいばさんに声をかけたら「あ、いいよ。いまハンガーを…」って言いながらこっちを見て、なんだかすごいびっくりしたような顔してる。


「? …あいばさん?」


「…っ、あっの。これ。ハンガー。貸して?掛けとくから。」


えっ! そ、それはちょっと。

だってさっきまで着てたんだよ。

ちょっと汗かいたりしたし。そんなのをあいばさんに渡すのは…。


「いいよ、自分でやるから、あいばさんは生姜焼き作ってよ。」

って言ったら、あいばさんがハンガーを俺に渡して、キッチンの方に移動した。


あいばさんが、冷蔵庫の中に頭を突っ込んで、材料をピックアップしてるのを、スーツをハンガーに掛けながら眺める。


………おれ、今からあいばさんの手料理食べんのかぁ…。


「あいばさん、なんかてつだう?」

「んー? いいよいいよ、にのちゃんは座ってテレビでも見ててよ。あ、ゲームしてていいよ?」

「…わかった。」


とりあえず、あんまり真剣に見るつもりはなかったけど、何にもしてなきゃしてないで、あいばさんが気を遣うかなぁ、って、テレビをつける。


それでも目は、料理するあいばさんの方を向いていて。


普段から自炊してんだな、って分かる動きに見蕩れる。


背の高い体をかがめて、何かを切ったりしてる姿はなんだかかわいいし、ダイナミックにフライパンを煽るのは、かっこいい。


はぁー。

やっぱり好きなんだよなぁ…。

なんて、あいばさんの後ろ姿を眺めてたら、


「ねぇ、にのちゃん、ご飯炊いてる時間ないからさ、そうめんでいい?」


って急に振り返ったあいばさんと、バッチリ目が合った。


「「!!」」


おれもびっくりしたけど、あいばさんもびっくりしてる。

そりゃそうか、おれはテレビ見てるはずなんだから。


「いっ…いいよっ。 言ったじゃん、おれ、こだわりないんだって。」


「そっ、そっか。じゃあ、そーめん茹でんね。」

ってまたキッチンの方に向き直った。


うわ、今になって心臓がばくばくしてる!!


あいばさん、気がついちゃったかな…。

おれがあいばさんばっかり見てること…。