櫻葉妄想です。
ご注意ください。

。* ❤︎… …❤︎*。

Side S



「…手紙、伝わったよ、雅紀」
と、雅紀の涙を拭うっていう口実で、頬に触れたまま言った。

「! え? あれ? 俺、声に出てた?」
「ん?何が?」

…なんかすごいびっくりした顔してるけど。
そんな雅紀もかわいいな、なんて見ていたら、

「……翔ちゃんって、エスパーなの?」
なんて言い出した。ん?どこがどうなってそうなった?
「はぁ?なんの話しよ。」
「くふふ、なんでもない。」

って笑った雅紀の顔はすごくなんだか…なんて言うか、達成感に溢れてる感じで、キラキラして見えて、頬に添えた手をますます離したくなくなる。


「ありがとね。」
と、お礼を言われて、何にもできなかった自分が頭をよぎったけど、雅紀が嬉しそうだったから、つられて笑顔になった。




…ねぇ、雅紀。
俺が雅紀を好きになったあの日から、俺たち少し大人になったけど。
俺たちを取り巻く環境も、あの頃からしたら、随分変わったかもしれないけど。

あの日から、雅紀が抱えてる夢も、俺たちメンバーへの想いも、根っこは何一つかわらないんだってことがわかって、嬉しかったんだ。

俺たちだってきっと根っこは変わらない。
これから嵐をどうして行こうか、毎晩毎晩みんなで話した、あの青臭いとこだって、今も変わらずみんなが持ってる。

俺はやっぱり、今も嵐が好きで、あの時始まった恋もやっぱり続いてて、今はあの時よりもっと雅紀が好きだ。

そしてその想いは、きっとこの先も続いていくんだろうなって、雅紀の手紙を聴いた俺は、確信みたいにそう思えたんだ。





目の前で幸せそうに笑う雅紀が愛しくて。
俺はもう一方の頬にも手を添えて、唇に軽くキスをした。

「わ、翔ちゃんなにやってんの。」
「え?ダメ?」
「や、ダメじゃないけど、ここ楽屋…。」
「そんなん知ってるし。」
「あ、そぉ…」

もう今更照れなくったっていいじゃん、散々3人には見せつけてきてんだし。なんて、頬を赤らめて視線を彷徨わせる雅紀を見て思う。
恥ずかしいなんて思う余裕もないようなキスをしてやろうと、もう一回顔を近づけると、

「ちょっと!そこの2人!そこで始めたら帰れないから。続きは明日やって!」
と松潤に言われる。

ちぇ。

「はぁい。」
と渋々雅紀から離れる。

「雅紀、明日の夜覚悟しとけよ。」
「翔ちゃんこそ!」

そんな俺たちのやり取りを見て、
「もうどっちもがんばれよ。」なんてちゃちゃが入って、みんなで笑う。


あの頃から変わらない楽屋の雰囲気。
唯一変わったのは、俺と雅紀が恋人同士になったこと。
それは、幸せな変化で、今度はこれが俺たちの『普段の風景』になるに違いないんだ。