他人に緊張感を与える声の質 | がいちのぶろぐ

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面白い記事を見掛けた。ダイヤモンド・オンライン誌が配信していた、「『元気にハキハキ話す』は時代遅れ!仕事がデキる人の発する本当に〝いい声〟とは?」という記事である。

 

中島由美子さんという、「日本声診断協会代表理事」の方が書いておられた。「声診断」というものも初めて聞いたと思う。

 

声の質に関して言えば、人間の声には『声紋』というものがあって、指の指紋のように各人の『声紋』が異なっているという話は、これまでに聞いたことがあるけれど。

 

いずれにしても中島さんがおっしゃるには、「『いい声』ではないのに、なぜか心に響き、感動してしまう声」がある一方で、「心に響いてこない、ということもよく」あるという。

 

確かに、〝心に響く〟ところまで感動するかどうかは別として、話す人によっては聞き惚れてしまう〟という状態になる、ということはあるだろうと思う。

 

中島さんによれば、「言葉や伝え方のテクニックだけでは心が震えない」ということになるそうだ。声優さんなどは「伝え方のテクニック」のプロだけど、その点どうなんだろう。

 

ところが中島さんは、「元気な声で営業して仕事が取れる時代はもう終わりました」と、ある意味〝残酷なこと〟を、記事の中であっさりと言い切っておられる。

 

私たちは「小さいときから大人になるまで」、「姿勢良く、大きなはっきりとした声で話すとほめられ」てきた。それは確かにその通りだ。

 

ところが、それは「好印象を与えるにはいい」けれど、「そんなときの声は、実はとても緊張して」いるそうだ。そして「緊張すると、声が硬くなる」らしい。

 

「では、どこが硬くなる」のかと言えば、「喉の奥のほうにある、舌の届かないやわらかい部分」である「軟口蓋」という「筋肉」が硬くなっているのだそうだ。

 

この喉の奥にある「軟口蓋」が「硬直して声が出にくくなり、硬い声になる」ということらしい。フーム、喉の奥の方が〝緊張でカチコチ〟になっているわけだ。

 

こんな状態の人から話し掛けられると、「聞く方も緊張してしまい、疲れて」しまうという結果になる。

 

つまり、「部活」で「元気に声を張り上げ」たり、「社会に出てからも明るく挨拶する」といった習慣が、〝緊張した状態の声〟を作り出していた、と中島さんは解説されている。

 

こんな緊張した硬い声を「前に押し出した」なら、「聞く者に威圧感や恐怖を与えて」しまうから、「元気のいいプレゼンや売り込みでは、買いたく」はならない、というのだ。

 

一方で、「優秀なリーダーと呼ばれるような方たちの声の波形には、共通点があり」、それは「フルサウンドヴォイスである」ということらしい。

 

「音声分析ソフト」を用いて分析すれば、「論理力、分析力の音」だけでなく、「愛、受容」と「共感」「自己肯定感」の音もそろっているのが、「フルサウンドヴォイス」らしい。

 

「論理力、分析力の音」というのは、「ビジネスパーソンにとって〝戦う波形〟」だということだが、確かにそうした要素が強い声であれば、聞く方は疲れるかもしれない。

 

だから、「パワポを駆使して完璧なプレゼンをしても」売り上げが「伸びなかった」ケースでも、「フルサウンドヴォイス」のトレーニングのおかげで、売り上げが伸びたそうだ。

 

この「フルサウンドヴォイス」というものが、私には今一つピンときていないが、「自分を受容することや、自己肯定感、ライバルと戦わないで和合する」といった意識のようだ。

 

ということで、中島さんの記事にある「フルサウンドヴォイス」がどんな声の質なのか、はっきりしないけれど、〝喉の奥の方の筋肉の緊張を取る〟作業だということはわかった。

 

人と話す時に、自分の気持ちがリラックスした状態で話せば、相手も気分的に楽になる、ということは何となく理解できる。

 

私はかつて、どうかすると〝緊張感が高い〟人間だと言われた経験がある。それを言った相手は、きっと私から知らず知らずのうちに、緊張感や威圧感を感じ取っていたのだろう。

 

「フルサウンドヴォイス」になっているかはわからないけれど、これからはワークショップの時など人に話しかける際に、喉の奥の緊張を注意をしてみようと思う。

 

もっとも、どうすればリラックスした声の質にできるのか、具体的な方法論はわからないけれど、〝喉の奥をゆるめる発声〟ということは考えてもよさそうだ。