曇り空でも穴場の花見に | がいちのぶろぐ

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昨日からの雨は、朝にはどうにか降り止んだものの、天気予報では午前中にまだ通り雨があるだろう、ということだった。それを押してまで、出掛けることもないだろう。

 

だから、今日は午後から穴場へ〝お花見に出かけよう〟と決めた。だが午前中も通り雨はなく、これなら出掛けられたのに、とは思ったが、それは結果論ということで。

 

昼食後に、我が家からバスで15分ほどの「千本中立売」まで行く。そこから西の方に歩いて10分ほどで、日蓮宗8本山の一つ「立本寺」がある。

 

 

 

京都の町中には、今も法華宗系のお寺がたくさんある。1536年には延暦寺と洛中の法華一揆が闘い、洛中法華21ケ本山が焼失、下京一帯が焼ける「天文法華の乱」が起きた。

 

逆の言い方をすれば、洛中には法華宗系のお寺が数多く存在し、有力な町衆がたくさん法華宗系の信者となった。その町衆は、延暦寺と対立できるほどの勢力を持っていたのだ。

 

例えば鷹峯に〝光悦村〟として工芸集団を率いていた、本阿弥光悦も法華宗徒だったから、自身の邸内にあった法華題目堂が、光悦の死後に光悦寺となったほどだ。

 

 

(紅葉の光悦寺参道)

 

こうした歴史から、今も上京区の寺ノ内通りなどには、法華宗系の本山が多く集まっている。あの織田信長が討たれた本能寺も、堀や土塀を巡らせた構えの法華宗系のお寺だった。

 

 

(京都で最初に法華宗系の勅願寺となった妙顕寺)

 

そんなことで、今日私が出掛けた「立本寺」も日蓮宗の本山の一つであり、本堂も堂々とした大きな建物だし、周りには今も塔頭がある立派なお寺だ。

 

 

 

 

このお寺の門前や境内には、桜の古木が20本ほど植えられている。その桜がほぼすべて満開となっていた。しかもここは、穴場中の穴場の桜の名所と言ってもいい。

 

 

 

だから本堂を覆うように、見事に桜が咲き誇っていても、訪れる人はそれほど多くない。それでも、今日は土曜日だったから、多少の人が桜見物に来られていた。

 

 

 

 

曇り空ではあったけれど、十分に桜を堪能してから、帰路はコースを変えて七本松通を北へ15分ばかり歩いて、「上七軒」バス停からバスに乗ることにした。

 

 

 

さてここで大問題が発生した。今日は25日で、北野天満宮では「天神さんの市が立つ日」だった。これを忘れていた。「上七軒」バス停は、「北野天満宮前」の一つ東のバス停留所。

 

東行きのバスは、必ず「北野天満宮前」を通って来る。ハイ、ご想像の通りです。来るバスは、どれもぎっしり満員で、「上七軒」から乗り込むのは大変な苦労なのだ。

 

実に3本のバスを見送って、4本目のバスにやっと何とか身体を押し込んで、乗ることができた。バス停に着いてから乗るまでに、30分以上が経過していた。

 

乗ってからも、それぞれのバス停で降りる人も大苦労なら、新たに乗ろうとする人も相変わらず大苦労。乗客は〝押しくら饅頭〟状態になりながら、バスが進んで行く。

 

結局我が家の最寄りの「出町柳駅前」バス停に着いたのは、「上七軒」バス停に行ってから1時間近く経っていた。普通なら15分で済むところを、3倍以上の時間を要した。

 

さすがに、このバスの混み具合には疲れてしまった。3月最終の週末で春休みだし、桜が満開だし、そこへ「天神さんの市が立つ日」だったからこんな状態になった。

 

すでに雨が降り始めている。明日は、終日雨模様みたいだから、花散らしの雨になるかもしれない。来週になれば、「落花さかん」と表現されるところが増えることだろう。

 

 

 

この分では、来週末の4月1、2日が桜の見納めになるかも。入学式が5日以後だったら、桜のない入学式になることも考えられる。

 

 

年々、開花が早くなっているように思う。これも、地球全体の気候変動の一環だろう。これからは、なんだか味気ない入学式になっていきそうだ。