〝いまだにこういうことが起こっているのか〟という意味で、ちょっとびっくりした記事を読んだ。今日配信されていたダイヤモンド・オンライン誌だった。
援川 聡氏という方が書かれていた「セクハラ顧客を撃退するシンプルな方法『チェンジワード』のススメ」という記事だった。
「ジェンダーフリーが世界的なトレンド」という時代になっても、「時代錯誤」なクレームが「なくならないのが実情」だという。「ジェネレーションギャップから起きるセクハラ問題」も減らないらしい。
援川氏が記事に書かれていた、「女じゃ話にならない!男を出せ!」などというクレーム電話が、今でもかかって来るということが、私には何よりも驚きだった。
援川氏も「接客の中で時には雑談も必要」だと認めておられるけれど、「ハラスメントがエスカレート」した場合には、「先輩や上長が対応する仕組み」が必要だと言われる。
「モンスタークレーマー状態」になった場合には、「できないことはできないと、はっきり告げる」ことが必要だと書かれている。
それはそうだろうと思うのだが、こうした「毅然とした対応」を取るためには、「基本的な方針」を、あらかじめきちんと決めておかないといけないそうだ。
〝なるほどなあ〟と納得する。企業によっては、こうしたことはつい現場任せにし、ひどい場合には、対応する個人に任せてしまうケースだってあるだろう。
だけど、「業務を離れた個人的な質問には答えられない」といったように、企業側が対応する従業員に、「あらかじめフレーズを決め、教えておく」ところまで行うべきだという。
「プライベートなこと」や「無理な要求」に対しては、「チェンジワード」と言えば良いのか、「穏やかな言葉で、しっかりお断りするフレーズ」があるらしい。
「会社の方針で、個人的な質問にはお答えしてはいけないことになっております」
「個人情報は開示していませんのでご了承ください」
「ご要望にはお応えできかねます」「これ以上は対応できかねます」
こちら側は最後まで声を荒げることなく、こういった言葉で対応するように、あらかじめ従業員教育として周知徹底しておく。
それでも決着がつかないなら、「担当者を代え」て、「経緯は記録」していることと、「対応方針は変わ」らないことを、相手に告げる。
要は、「社会通念を逸脱した(限度を超えた)『無理な要求』をのむ必要はない」と援川氏は書いておられる。それゆえ、「シンプルに対応することこそ有効」だと言われる。
相手に対して「淡々とできないことを伝え続ける」のだそうだ。それは「変わることのない相手を説得しようとせず、自分自身が心を守るすべを身に付ける」ということらしい。
何という分かりやすくて、しかも実践的な考え方だろう。それにしても、時代錯誤というか、まだこんなセリフを吐くクレームがある、ということが凄いと思う。
だが、〝お前じゃわからん!上役を呼べ!〟という表現は、ホントに誰もがひょっとしたら使ってしまいかねないセリフだ。
後期高齢者となった私自身がジェネレーションギャップで、こんな時代離れした表現を、これからも使うことがないように、能くよく心しておこう。