人出も増えた「さわらびの道」を歩けば | がいちのぶろぐ

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好天が続いている。今日も、慌ただしく午前中に宇治市まで出掛けていた。これまで宇治市に行くと言えば、どうしても平等院の見物ということが多かった。

 

 

 

そこで今日は少し趣を変えて、宇治上神社方面を散歩してみた。宇治川を起点してみれば、平等院は左岸側(下流に向かって左)にある。一方、宇治上神社は右岸側になる。

 

 

 

ということで、京阪電車で我が家の最寄り駅「出町柳」駅から「宇治」駅まで。「宇治」駅の建物の中にある観光案内所で、宇治市の地図や、お茶の京都という京都府南部の資料を貰う。

 

 

 

京阪・宇治駅の前は「宇治橋」になっている。そして、その北詰の橋のたもとには「通園茶屋」というお店がある。説明書きでは、創業以来850年!になるという。

 

 

 

〝平安時代末期にできました〟と言われて、〝あぁ、そうですか〟とはならないだろう。元祖は源三位頼政の家臣だったと言われてもねぇ。現在の建物も築350年なのだそうだ。

 

 

 

ということで、この「通園茶屋」の横にある道からスタート。大勢の方が歩いている。少し行くと「橋寺放生院」があり、いきなり急な石段を上る。ただ、この石段を上るのは私だけ。

 

 

 

橋寺、すなわち「宇治橋」をお守りしていた番寺とでも言えば良いだろうか。門を入ると小ぶりの庭があり、その一角に「宇治断碑」と呼ばれる古い石碑を納めたお堂。

 

 

 

 

偶然にご住職がおられたので、拝観料をお支払いして「断碑」の説明を受けながら見物させていただく。

 

 

 

1400年ほど前の大化2(646)年に、「僧、道登によって初めて宇治橋が架けられたいきさつを、格調高い『六朝風』名文できざまれた石碑」と説明書きに書かれている。

 

 

 

すごいなあ、ここに日本史が実物で息づいている。「大化の改新」は必ず教科書で習うけれど、その時代の〝モノ〟が目の前にある。それだけでも十分な〝値打ちもの〟だと思う。

 

ご住職にお礼を言って、橋寺の石段を下りる。宇治川のすぐ脇で、これだけ急に土地が上がっているのは、多分河岸段丘だろう。

 

 

 

橋寺の前から、「さわらび(早蕨)の道」と名付けられた観光コースを少し進むと、源氏物語「宇治十帖」のモニュメントがある朝霧橋のたもとになる。

 

 

 

 

 

朝霧橋のすぐ前には「宇治神社」。こちらも鳥居をくぐると石段になっている。その上には、かなりの人出が。お参りを済ませて、本殿の裏手から「宇治上(うじかみ)神社」方面に向かう。

 

 

 

 

 

元々、「宇治神社」と「宇治上神社」は一体のものだったらしい。それも、今では別の神社となっていて、「宇治上神社」は世界文化遺産に指定されている。

 

 

 

この「宇治上神社」の本殿は平安時代の後期に建てられ、説明板によれば「現存する神社本殿としては最古」ということだ。また形式も珍しいものだと説明されていた。

 

 

 

 

 

また、境内には〝宇治七名水〟で唯一、今なお湧き出ている「桐原水」がある。そこらあたりの手水舎とは、作りからして違う。何だか〝有難い雰囲気〟がある。だから、手を清めた。

 

 

 

 

境内の紅葉はようやく色付き始めていて、「宇治神社」も「宇治上神社」も、相変わらず七五三参りの家族連れを大勢見かけた。我が家は、2年前に大阪の孫が7歳のお参りを済ませたが。

 

 

 

ということで、「宇治上神社」を出て「さわらびの道」をすこし行くと、「与謝野晶子の歌碑」が立っている。その先の急な登り坂を上がれば、大吉山展望台になるらしいが、私には無理だとあきらめる。

 

 

 

 

そのまま「さわらびの道」を行けば、「源氏物語ミュージアム」という施設がある。とても雰囲気の良い建物だし、その周りに作られた庭も気持ちが良い。

 

 

 

 

 

 

だけど、館内を覗いてもほとんど観客は入っていない。ましてや庭を巡って歩いている人も、私以外には誰もいない。塀際には紫色の可愛い実が成っていた。紫がお似合いかもしれない。

 

 

 

こんないい雰囲気の施設なのに、どうして誰も入ろうとしないのだろう。私も当然のようにパスしてしまったけれど。ガラス張りの館内が見えるけれど、何だか入ろうという意欲は沸かなかった。

 

 

 

そこからダラダラと下り坂を下りて行くと、途中に源氏物語ゆかりの何やらもあって、それなりに見物する人もあったけれど、私が往くコースはどうも観光コースの本線ではないみたい。

 

 

 

 

ということで、宇治神社から宇治上神社の辺りだけはかなりの観光客だったけれど、あとは私一人だったりして、のんびりと宇治川右岸の「さわらびの道」の散策を楽しめた。

 

 

 

京阪電車で帰宅したのは、12時を少し回ったくらいだった。好天で暑いくらいの中を、3時間足らずの散歩だった。帰宅して一番にシャツを着替えた。何しろ汗でグッショリだったから。