中秋の名月だけど違うことに目がいって | がいちのぶろぐ

がいちのぶろぐ

環境問題と経営の接点、中小企業の戦略やマーケティング活動,
観光・伝統産業関連などについて、「がいち」が考えたこと、思ったことを書きとめてゆきます。

月々に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月

 

はい、昔からダジャレは嫌いではないけれど、こればっかりは〝何だかなぁ〟と思っていました。誰がどう見ても、褒められるほどの出来ではないから。

 

ということで、昨日も書いたけれど今夜は「中秋の名月」。天気予報では、午後から徐々に雲が増えて来るという。だから〝月に叢雲(むらくも)〟という無情な予報になっている。

 

いまのところは晴れていると言ってもいいけれど、朝は快晴だった空が、薄曇りから徐々に雲量が増して来ている。確かに、天気予報が伝えたように変わりつつある。

 

 

昨夜はとてもきれいな月だった。夜の11時過ぎには南の空に、「煌々(こうこう)」という言葉がぴったりするような、明るくまあるい月が浮かんでいた。

 

今日もできれば、そんなお月さまを拝みたいものだと思う。今日のお昼ご飯には、お彼岸と名月にちなんだ「おはぎ」だった。そう言えば、家人は朝からご飯を炊いていた。

 

秋だから〝お萩〟である。昨日も、墓参りに行った帰りの知恩院の参道には、萩の花が咲いていた。秋のお彼岸には「おはぎ」が付きもの。

 

 

 

これが春のお彼岸であれば、「牡丹の季節」ということで「ぼた(ん)もち」になる。まあ、昔の人もダジャレが好きだったということだろう。

 

ところで、この間私が関わっている「やさしい日本語」を広めるNPO団体は、人が集まって対面で実施するワークショップが、なかなか実施できない状態になっている。

 

 

 

誠に〝にっくきコロナ〟というところだ。だから、定住外国人の方や、定住外国人と関わる仕事に就いている人たちから、実情を聞くためのインタビューを行っている。

 

そんな中で、この間、技能実習生として日本に来ている外国人と関わっている人たちから、いろんな話を聞くことができた。

 

日本という国の経済状況は、現状では35か国のOECD諸国の中で、給与水準が22番目まで落ち込んでいるらしい。

 

そんな事態になりつつあるので、インタビューでも〝給与がよい〟から技能実習生として日本に行こう、という時代ではなくなりつつある、ということも教えてもらった。

 

技能実習生をはじめ日本で働く外国人は、長時間労働を求められたりハラスメントが横行したりしていると、国際的な批判が高まっている現状があるそうだ。

 

そんな記事が、今日の京都新聞に掲載されていた。だから「外国人労働者の人権相談アプリ」を、日本企業とJICA(国際協力機構)などで作る計画が進んでいるそうだ。

 

 

(京都新聞2021年9月21日朝刊の紙面より)

 

良いことだと思う。例えばある日本の企業が、過去最高利益になったというニュースがあっても、長らくこうした利益が労働分配率として働く人に跳ね返っていない。

 

利益は企業の内部留保として溜め込まれるが、従業員は非正規雇用が増えて平均賃金が下がるといった状況だから、他の国と比較して給与水準が落ちる一方だとも言える。

 

そこへ、アメリカの国務省が発表した人身売買に関する報告書でも、日本の技能実習制度は「外国人労働者搾取のために悪用し続けている」と指摘されているらしい。

 

私たちのNPO団体が究極の目標としている、「すべての人にとって暮らしやすい社会」とは国籍・人種だけでなく、ジェンダーなどあらゆる「多様性が包み込まれた」社会だ。

 

そんな状況を目指す中で、この国にいるすべての人が暮らしやすくなるためには何が必要かを、これからももっと考えて行きたいと思う。

 

「やさしい日本語」とは、日本語がまだ十分にわからない外国人だけのものではなく、高齢者や障がいがある人たちにとってもわかりやすい〝言葉〟ということでもある。

 

多様な人たちが存在し、その人たちすべてが輝く社会であってほしいと願っている。先日のパラリンピックがそうであったように。

 

 

 

 

そのために有効な〝道具としての言葉〟が、「やさしい日本語」なのだと思っている。選択的夫婦別姓ひとつ実行できないような、どこかの政党の選挙などは時代錯誤そのものだ。

 

せめてOECD諸国の真ん中くらいには、人権感覚がまっとうな国であってほしいと願っている。