ロイヤル・ウェディングが抱える問題の大きさと比べれば | がいちのぶろぐ

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この数日間、片や菅総理の〝殿、ご乱心〟とでもいうべき、突然の9月中旬「衆議院解散」の模索というニュースと、眞子さま〝儀式抜き〟で年内ご結婚というニュースが流れた。

 

〝殿、ご乱心〟の方は、翌日にはすべてが、一気に「なかったこと」にされてしまった。自民党内で、〝何だとぉ、やれるもんならやって見ろ〟みたいな騒ぎになったらしい。

 

その代りに、自民党総裁選挙に立候補を表明している岸田・前政調会長が、これまでの弱々しい姿勢から一変して、えらく肩に力が入った人物像に変わってきた。

 

まあ『政界は一寸先は闇』という言葉がある通り、これからも一波乱や二波乱では収まらないだろう。権力争いは、死んだ魚のような目をしていた人物の眼にも光を灯していた。

 

それと比べてもう一つのニュースの方は、多くの庶民からすれば『もはやどうでもいい話』になっていると思う。週刊誌ネタではあっても、直接自分には関係ない話だから。

 

ところがこの「眞子さまのご結婚」が生み出す、「日本人が覚悟すべき3つのリスク」について、ジャーナリストの窪田順生氏がダイヤモンド・オンライン誌に寄稿されていた。

 

私たちはこれまでも週刊誌的な〝ネタ〟として、この件に関する多くの情報を目にしてきた。しかし今回の出来事がもたらす『リスク』までは、深く考えたことはなかっただろう。

 

ただ若いお二人がアメリカで暮らすにしても、その警護の要員はずっと必要だろうし、そのために私たちの税金が使われることは、釈然としない気持ちの人も少なくないだろう。

 

今日の窪田氏の記事では、こうした私たちが漠然と持っているリスクへの感覚を、もっと具体的に示してくれていた。少なくとも、以下の「3つのリスク」があるとして。

 

1.海外諜報機関が仕掛ける皇室スキャンダル

2.小室さんの「メーガン妃化」

3.眞子さまの「広告塔化」

 

改めて指摘されてみると、確かにその通りだと思う。まず1番目のリスクで言えば、当然ながらアメリカでのお二人の生活は、〝盗聴〟〝監視〟だらけとなるだろう。

 

お二人の暮らしには、永遠にプライバシーなど〝カケラ〟もなくなってしまう。世界中の諜報機関は、とりあえず情報収集の網を張り巡らすことだろう。

 

さらに小室さんサイドからすれば、「散々自分をけなしてきたマスコミや世論に反撃をして、『名誉回復』を目指すことだってありえる」と、窪田氏は指摘される。

 

誰かの秘密裏の発言などが暴露されることになって、「皇室が『謝罪会見』を開くなんて悪夢のような話が現実になるかもしれない」リスクがあると言われる。

 

身内だからこそ知り得た発言ということも、十分に考えられる話だ。それが世界中に発信されれば、〝天皇制〟という日本の国家制度に関わる問題にも発展し兼ねない。

 

3番目のリスクとして指摘されている「眞子さまの『広告塔化』」というのは、小室さんのお母さんが信仰しておられる宗教に、眞子さまも入信される可能性を言っている。

 

そうなればその宗教教団にとっては、これ以上は有り得ないほどの「広告塔」を手に入れることになるだろう、というのだ。これはもう、考えるまでもないことだろう。

 

とは言っても、皇室を離れて一般人となった元・内親王さまには、憲法に保障された「信仰の自由」があるから、誰もその教団に入信することを止められない。

 

こうした可能性があることを、これから私たちは覚悟をしておく必要があるということだ。しかも、事と次第では「天皇制」の根幹に関わることになるかもしれない問題として。

 

現状でも未婚の皇族はおられるし、その方々もいずれ誰かと結婚される可能性が高い。これからの時代は、その結婚相手が日本人であるという保証などカケラもないと言える。

 

いみじくも秋篠宮さまが、〝結婚は両性の合意に基づく〟という憲法の一文を持ち出して語られている。これからは、〝両性〟であるかどうかさえ不確定だと思うべきだろう。

 

窪田氏は最後に、「眞子さまと小室さんの結婚は、これまで日本人が避けてきた『天皇・皇室は個人の幸せをどれだけ追い求めていいのか』という問題を、しっかりと考えていくいい機会かもしれない」と結んでおられた。

 

まさに私たちは、天皇は〝別の性〟と結婚し子どもをつくるものだ、と〝勝手に〟決めつけている。しかし、誰がそんなことを決めたのか。いや、決められるのか。

 

むしろ日本の歴史の中では、3歳で即位したり、10歳未満で退位させられたりした天皇だって存在している。日本史学者は、こうした事実を〝ひっそり〟とは伝えているが。

 

今後は、今回の眞子さまの結婚が契機となって「天皇制とは何か」という問題、「日本の元首は誰なのか」という問題に、きちんと答えを求められることになるかもしれない。

 

窪田氏が指摘されている「3つのリスク」も、私たちはそれらのリスクが国家的に莫大な不利益を生み出したとしても、それを背負い込む覚悟が必要だということになる。

 

菅総理の見苦しいまでの〝悪あがき〟など、このあまり歓迎されていないロイヤル・ウェディングが持っている衝撃に比べたら、どれほど小さな出来事なのだろうと思えてくる。

 

菅さん、もしよろしければあなたは長く総理をお続けになり、今回の結婚がその幕を開いてしまう〝天皇制が抱える諸問題〟と、『真剣』に取り組んでいただけますでしょうか。