河井克行・元法相に、懲役3年の実刑判決が出た。今回のこの事件というか、この醜聞ほど酷い事例も珍しいのではないだろうか。
1億5千万円もの選挙資金を渡すのも異常だし、その理由が、同じ自民党でも、安倍・前総理に対して批判的だった溝手顕正議員を落選させることだった、というのも異様だ。
そしてその資金を、市長・町長や市町議会議員にばらまいていったのが、元・法相本人だったり、その秘書だったり、一緒に行動していたのが当時の総理の地元秘書だったりした。
もう何を言うのも〝あほらしい〟気がする。まるで、子どものやることではないか。それを大の大人の、それも法務大臣経験者がやるようなことか。
挙げ句の果てに、公判廷で〝ああでもない・こうでもない〟と、〝ごねまくる〟かと思えば、ちょうど良いタイミングになれば、今度はいきなり罪を認めて議員辞職する。
そうすることで、実刑逃れの執行猶予を期待したのだろうか。とにかく往生際が悪いだけでなく、前総理と一蓮托生で、選挙と有権者を舐めまくった所業だろう。
こういう人にすれば〝恥ずかしい〟などという、普通にまともな人が持っている感覚は、もはやそのための神経細胞が無くなっているのだろうか。
それとも、政治家という職業の人たちの中の一部だけが用いる、「恥」や「罪」という言葉などが載せられていない、特製の『大語海』という辞書を使っていたのかしら。
だからこそ、デジタル大臣だか何だか知らないけれど、民間企業は〝脅せ〟だの〝干してしまえ〟だのという、『悪代官』でもなかなか言わないセリフだって平気で言えるのだろう。
選挙区の人たちに様々な機会に金品をばら撒いて、公職選挙法違反で議員辞職した経済産業大臣だった人もいた。
国民に自粛を求めておきながら、自分たちは夜遅くまで銀座のクラブを飲み歩いていて、自民党を離党した3人の議員が、そろそろ復党しようとしているという記事も見掛けた。
あれから月日も経ったから、もう『禊』は終わったということだろうか。神社の手水舎で手を清め、口をすすいだから、〝それで私は清廉潔白です〟ということなのだろう。
何が何でもオリンピックは開催するのだし、開会式の観客の上限1万人とは、一般客が1万人であって、招待客やら何やらはそれとは別途に、大勢を国立競技場に入れるらしい。
国民は、7時までに飲酒を終え、8時までに店を退出させられるけど、オリンピック関係者の飲酒・会食は〝自由だ~〟ということになるらしい。
そして感染者数がまた大きく増加して、緊急事態宣言を出さざるを得ないという状態になるのは、パラリンピックが始まるころだろう。でも、きっとやるよね~、続きだから。
パラリンピックの選手の中には、何らかの基礎疾患がある人もいるだろう。それでも、やるよね~、オリンピックやっちゃったからね~。
全部が終わって良かったね~、ってなって、選挙があるんだよね~。そのころ首都圏は、酷ければまた1日2千人レベルの感染者数が続いているかも知れない。
そして海外のマスコミや、海外スポンサー関連の方々などは、制限されたホテルの中だけで、帰国までじっと滞在している、なんて子どもじみたことはありえないだろう。
さてあと1カ月で、オリンピック狂騒曲が開幕する。そうまでしてでもおやりになりたければ、おやりになりたい方々だけでおやりになれば良い。
私たちにできる対抗策は、夜中に白装束で頭に蝋燭をくくりつけて、杉の大木に五寸釘を打ち付けることくらいしかできない。それは、不審者が器物損壊している、となるだろう。
いよいよ『魔の3カ月』の幕が開く。呪えるものなら呪いたいと思うけれど、今の世の中にはそんな呪力を持っている人もいないだろう。魔女も間男もあったもんじゃない。
三波春夫さんが歌った『東京五輪音頭』でも派手に流しながら、街宣車で東京の街中を走ってくれる人たちが現れないかしら。それで〝五輪景気〟が上向くかも、と思うから。